【短編】SHINONOME〈5.5〉⑤
端的に言えば、妹を救ってもらった。
俺と東雲の間柄を決定付ける、ターニングポイントめいたものがあるとしたら、この出来事を置いて他にない。
詳細は語らない。ここで語るべきことがあるとしたら、以下三点。当時、同じ大学の先輩でありながら、その実、高校時代の同級生であった東雲を俺は頼った。およそ人知の及ぶ範囲では救いようがない事態にいた妹を、およそ人知の及ばぬ異能の力で救ってもらった。命に代えても守るべき、最愛の肉親。そいつをこともあろうか他力本願で保護してもらった俺に対し、東雲が