今井 浩恵

自分たちが毎日使いたいものをつくる。 それだけを考えて、SHIROというブランドを作っ…

今井 浩恵

自分たちが毎日使いたいものをつくる。 それだけを考えて、SHIROというブランドを作っています。 チワワのクロ♂、シロ♀、ゴロ♂と、保護ネコのはち♀、みつ♀、黒猫のタンゴ♂の6匹と暮らしています。

最近の記事

なぜ私は、SHIROの社長をやめたのか

コスメティックのメッカに出店する 仕事のプロフェッショナルは、自分の仕事を通して世界を見つめているような気がします。 旅人は旅を通じて世界を見つめていますし、フォトグラファーはレンズから世界を見つめています。私は、コスメティックから世界を見つめてきました。 どうすれば人々をしあわせにできるか、どうやって世界をよくしていくか。その方法を、コスメティックから、SHIROというブランドから考えてきたのです。 2016年10月、SHIROはロンドンのキングス・ロードに海外1

    • 新興ブランドが「新宿伊勢丹」に出店するまで

      はじまりは、札幌駅の「ロッカー横」 街を歩き、ご飯を食べて、文化を知る。偶然の出会いやインスピレーションを求めて、知らない土地をめぐる。 SHIROの一つひとつのお店は、そうした旅をして出来上がっています。いまや国内28店舗、ロンドンと台湾にもお店を構えるようになりましたが、ひとつとして同じお店はありません。 それぞれの土地の風土や街並み、ショッピングビルなどの空気に合わせて、オリジナルのお店をつくっています。今日は、そんなお店づくりのお話です。 初めて実店舗をオー

      • 利益よりも、大切なこと

        北海道から2,200キロの旅路 「なるほど昔の人って、自然をうまく生活に取り入れていたんだ」 素材探しの旅をしていると、さまざまな学びが蓄積されます。その一つは、素材がかつてどのように使われてきたかという先人たちの知恵に触れた時の、畏怖にも似た驚きです。 今は技術の発展によって、素材の成分を分析し、しようと思えばその効果効能を科学的に明らかにできる時代になりました。 でも、そうした実証を経なくても、昔の人たちは自然に、天然の素材を「正しく」使っていたケースが多いので

        • 足寄町で出会った、トトロのふき

          日本で一番大きな、トトロのふき 足を運んだ先に何があるのかは分からない。それでも、歩みを進めてみる。すると、幸運な偶然に出会うことがあります。 北海道の足寄町への旅は、私にとって、そんな幸運な偶然のひとつでした。旅の目的は、ラワンぶきという、大きなふきを生産しているご夫婦に会いにいくこと。私たちが、がごめ昆布につぐ、製品の新しい素材を探していた頃のことです。 多くの人は、いきなり「ふき」と聞いても、ピンと来ないかもしれません。でも、きっとご存知のはず。映画『となりのト

        なぜ私は、SHIROの社長をやめたのか

          人生でいちばん悔しかった日

          銀行で言われたあの一言 みなさんは、忘れられないほど悔しい経験をしたことがありますか。 私は、あります。26歳でローレルの社長になったときのことです。 お付き合いのあった銀行の支店長さんに挨拶に行ったら、シャワーのように罵声を浴びせられてしまいました。 私にとって、あまりに悔しい経験でした。 始める前から、どうしてそんなことを言われなきゃいけないんだって。銀行から会社に戻る道の途中、「今に見てろよ」と唇をかんだことを、今でも鮮明に覚えています。 悔しかったのは、それ

          人生でいちばん悔しかった日

          私は、専業主婦になりたかった

          旅と人生は似ている よく、旅と人生は似ている、と言われます。 予定を立てて観光地をめぐる旅行とは違い、旅は不透明な世界を、直感に任せて歩くもの。「先が見えないから面白い」という意味では、たしかに、人生は旅と似ているのかもしれません。 私の人生も、筋書きのないドラマです(誰だってそうですね)。 いまではSHIROの会長、ブランドプロデューサーを担っていますが、経営者になる未来を想像したことはありませんでした。両親はサラリーマンで、一人っ子の私は大切に育てられたこともあ

          私は、専業主婦になりたかった

          がごめ昆布が、教えてくれたこと

          当たり前、を見つめ直す 何気ない会話や、いつも食べているご飯。昨日と変わらない景色。 自分にとっての「当たり前」を見つめ直してみると、それらが予期せぬ場所に連れて行ってくれることがあります。 私にとっての「当たり前」のひとつが、生まれ故郷の北海道です。 北海道には、世界に誇れるたくさんの名産品や、恵まれた大自然があります。 この大自然を、やっぱり製品開発にいかせるんじゃないか。 通勤路を車で走っていたら、そんな当たり前のことに気が付きました。前回のトルコでお伝えした世界

          がごめ昆布が、教えてくれたこと

          トルコのおばあちゃんの横顔

          今でも、思い出す旅 ときどき、ふとこんなことを思います。 あの旅で出会ったあの人は、今どうしているんだろう。 あの場所は今、どうなったんだろう。 また現地を訪れて、生産者さんたちとお話をしたいなあ、とも。 そんな印象深い旅のひとつ。 今でもたまに思い出すのが、トルコへの素材探しの旅でした。SHIROの前身のブランド、LAURELを立ち上げてから5ヶ月後、2009年11月のことです。 トルコを訪れた理由は、ローレルオイルを探すためでした。 ローレルは日本では月桂樹として

          トルコのおばあちゃんの横顔

          Podcastをはじめました!

          こんにちは、SHIROの今井浩恵です。 この度、Podcastをはじめました。 4月7日から、旅をテーマにしたPodcast「TABI SHIRO 〜足を運んで、見て、聴いて〜」がスタートしています。「TABI SHIRO」ではこれから、SHIROが誕生するうえで必要不可欠だった旅の記録をお届けしていきます。 意外に思われるかもしれませんが、SHIROを語るうえで「旅」は欠かせません。SHIROの製品は、旅を通して見つけた素材や、現地で得たインスピレーションを通じて生み出

          Podcastをはじめました!

          なぜ、中学受験をするのか?

          久しぶりの投稿。 中学受験準備に明け暮れる毎日です。 朝起きて、瞬きを5回くらいしたらもう夕方。 12月に入ってからそんなあっという間な毎日です。 10月に受けていた模試の結果があまりに最悪で、 2ヶ月くらい直視できなかったのですが、 12月に入るとそうも言ってられない。 思いきって適当に過去問をやらせてみると、 あれ?いがいといける??半分くらいはできてるかも。 ってな感じで、私自身の心が前向きになれました。 長男の時にはみたこともないような数字を突然ぶっ込んでくるの

          なぜ、中学受験をするのか?

          ちっぽけな違和感に気づけることがものづくりの原点

          zoom中、横で「オエー」と吐き出したみっつ。 2回目の吐き出しの時に、いつも遊んでいるおもちゃが出てきたので、ちょっと安静にしてね、とケージに入れる。30分後、聞いたこともないケージを破壊している音が聞こえたので、行くと、本当にケージを破壊してる。。ペットボトルのフィルムを爪と口で剥がし、トイレの猫砂はひっくり返し、虎のようにケージを食いちぎっているネコ。「ここから出せーーー」と、言わんばかりにね。犬は飼い主に逆らったりしないけど、ネコは自由を奪われると怒るのね。まるで私み

          ちっぽけな違和感に気づけることがものづくりの原点

          息子たちの受験の話し。

          ネコのはちみつがもう少しで5ケ月になります。 そろそろ首輪でもと付けたら、その5分後には首輪が嫌すぎて暴れまくって血だらけになっていたり、キッチンに登ってシンクに落ちていたお米をムシャムシャしていたり、花や植物をおもちゃと思って遊んでいたり、全く目を離せない破天荒姉妹ですが、可愛すぎて毎日ベロベロしちゃってます。 今日はボーイズの話し。 来年彼らは、大学受験と中学受験(予定)を控えています。 なので、この夏は毎日塾への送迎が私の一番の仕事です。いつもなら海に山にディズニー

          息子たちの受験の話し。

          良いところを伸ばすという考え方

          「人は誰でもこの世にうまれた理由がある」 高校の時の恩師に言われた言葉です。 当時、素行が悪く、よく職員室に呼ばれ怒られていたのですが、 「お前のうまれてきた理由はなんだ。」と、 同じことで毎度怒らせる私に先生が突き放したように言いました。 この世に生を受け、世の中に役立つ理由が皆平等にあってうまれてきているのだから、こんなくだらないことをやってないで、その「うまれてきた理由」を時間をかけて探せと。こんなくだらないこととは、学校でタバコをすったり、授業にでなかったりってこ

          良いところを伸ばすという考え方

          期末を迎えて思うことは、放てば手に満てり。

          今日で無事に第31期が終わりそうです。 心からありがたい。 私は12期目でこの会社を引き受けたので、 20年近く社長業をしていることになります。 ほんとあっという間。 「世の中を幸せにする」と同じくらい大切にしている言葉。 それは、「放てば手に満てり」。 手放してこそ大切なものが手に入る、ということ。 経営者になりたての時は、持ちきれないくらいのモノやコトを、勝手に抱え抱きしめていました。それらの全てを一旦手放すコトにより、目の前の視界が晴れ、心が軽くなり、何が大切かを

          期末を迎えて思うことは、放てば手に満てり。

          英語の勉強をはじめました。

          2月から英語の勉強をはじめました。 海外にお店があるのだから、 少しくらい話せて当然なのですが、全く話せません。 I can not speak English.です。 1月にロンドンに行った時、 4年前の立ち上げの頃からお世話になっている、 一度しか会っていない薬事チェックの外人おばちゃんに、 「まだ、通訳を使っているの?」と言われました。 そりゃそうだ。4年も海外に通っていて話せないのだから。 勉強しなきゃと思いながらも、いろんな言い訳を探して、 先延ばししてきまし

          英語の勉強をはじめました。

          素材の原点。

          私の祖父母は農家でした。 もう2人ともなくなってしまいましたが、 共働きの両親に育ったので、 夏休みや冬休みはいつも祖父母の家に預けられていました。 きゅうりやトマトはもぎたてを畑で食べる。 孫だけに食べさせる畑がある。(無農薬ってこと) メロンやスイカの美味しい見分け方。 とうもろこしや枝豆はもぎたてを瞬間茹でる。 ミミズは絶対に殺さない。 よい農家の見分け方。 などなど。 毎週末に祖父母の家に行き、 1週間分の野菜を母と2人で食べる分だけ収穫し持ち帰る。 そんな生活が

          素材の原点。