見出し画像

ベトナム鍋図鑑/『Sóc Sơnの牛もつ鍋のようなもの』


ベトナムの鍋料理は最小でも4人前、普通は6人前くらいで供されるので、絵に描きたいからといって近所の店に一人で行って注文できるものではありません。
そのため狭いニンゲン関係の中で生きているワタシとしては、シゴト絡みの宴会で積極的に鍋を要求することにしています。鍋なら行くけど、みたいな。
蒐集が目的なので嫌いなモノが出てきても文句は言いません。さすがに断る2,3の例外はあります。
 
これはハノイの北30kmにあるSóc Sơn/ソックソン県に呼ばれて行ったときに、打ち合わせもそこそこに鍋屋に連れて行かれて食べたものです。県と言ってもハノイ市の一部です。
周辺に山や湖がありリゾートのような趣きです。東京近郊で言えば狭山湖辺りの位置関係です。
 
鍋を注文するに際し、牛と鶏とシーフードのどれがいいかと聞かれたので、すかさずさっき道を一列で歩いていた牛、と応えました。シーフードって言ったって出てくるのはリバーフードだし、鶏は骨が多くて食べ難いし。
冷静に考えれば外を元気に跳ね回って足腰が引き締まった鶏にすべきでした。しゃぶしゃぶのようなものを想像したワタシがアサハカ。
 
まずはスープが運ばれてきてIH式コンロの上に置かれました。浮かんでいるのは椎茸、トマト、揚げた湯葉みたいなものでしょうか。食べるとくにゃくにゃする薄い皮状の物体。
味噌系の味付けで辛くはありません。Not Bad!
 
続いて大盛りの野菜。白菜とやや苦みのある葉っぱとその茎。皿から溢れています。
茶色いドロドロ状の物体は大豆を発酵させて作った調味料です。一瞬あの鼻が捻じ曲がる魚介系発酵ダレのマムトムかと思いましたが味噌でした。唐辛子が入っていてしょっぱ辛い。
 
最後に登場したのがお肉一式。豆腐以外は全部牛です。
真っ先に目を引くのはほぼ中央の血も鮮やかな塊。心臓かと思いましたが裏返したら脳でした。Oh No!
その周辺を取り囲むのは手前から普通っぽい肉、ハラミって言うんでしょうか、横隔膜だとしたら内臓です。その右から反時計回りにレバー、コリコリした何番目かの胃、豆腐の左は豚足みたいな牛足?尻尾?があって左端は白いひらひらした大腸でしょう。
その下は明らかにタンで更にその下は管状のコテッチャン≒小腸でしょうか。
 
ワタシはニッポンのもつ鍋もあまり食べたことがないのでモツに詳しくありません。肉も牛より豚のほうがウマいと思っています。が、今回豚さんは選択肢になかった。
こっちではこの手の内臓料理はよく見かけます。ソバにいきなり腸やレバーが入っていることもあります。栄養的に優れているのでみんな好んで食べるんでしょう。
ワタシは、、唯一肉っぽかったハラミ?も硬くて、若干のタンとレバーをつまんだほかは豆腐と野菜で空腹を満たし、ひたすらビールを飲み続けました。

 
というわけでワタシは今日の深夜便でちょっくらニッポンに行ってきます。ニッポンではニッポン鍋を食べるので帰ってきてまたここで紹介します。乞うご期待っ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?