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コロナ禍において飲食店予約サービスが、施策を絞りに絞って実施して得た気付き

1. 参加表明

モバイルアプリマーケティングアドベントカレンダー2020、9日目を担当させていただきます、株式会社トレタの白井です。
今回は、Repro伊藤さんにお誘いいただき参加することにしました。よろしくお願いします。
詳細はこちら

2. 自己紹介

私は今、「トレタnow」というサービスを運営しています。
飲食店向けSaaSビジネスを展開している株式会社トレタの、toC向けのサービスです。(概要は後述します)

今回、脊髄反射的に参加することにしたのですが、参加されてる他のみなさんのようにモバイルアプリ歴も長くないしスタイリッシュな記事も書けないし、参加表明したはいいものの、秒で「あ・・・何書こう」ってなったわけです。

が、外食×2020年といえば、コロナの話題は不可避かなと思い、コロナ禍の厳しい状況下で、施策を絞りに絞って実行した話しの一部について書こうかなと思います。
身の上感強めですが、よろしくお願いします。

3. トレタnowってなんぞ?

まず、担当しているサービスの簡単な説明を。
トレタnowは、2019年3月にローンチして、2019年6月に正式リリースした「グルメの、超直前予約サービス」です。

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https://www.toretanow.app/

これまでトレタは飲食店向けの予約台帳アプリを軸にtoBのSaaSビジネスを展開してきました。

一方、トレタnowはカテゴリー的には予約サービス、つまりtoC向けの要素を持ったサービスで、簡単にいうと「今から確実に入れる近くの飲食店を探したい!」という外食する人のニーズと、「今、○人ならお通しできるのに・・」といった飲食店さんのニーズを、電話不要で解決できちゃうよ。といったサービスです。

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数日前からの事前予約ではなく、今その場のリアルタイムな予約&集客ニーズに応えられるスマートフォン用アプリとしてスタートしました。(今は直前〜当日中までのお店探しが可能です)

飲食店向けの予約台帳アプリを通してお店の席状況を細かく正確に管理できているトレタだからこそ実現できたサービスとも言えますね。

リリース後から掲載店舗数や対応エリアを段階的に増やしながら、ユーザーニーズに応える大小いろいろな機能を強化しました。また、アプリだけではなくスマートフォンブラウザ版でもサービスを拡張し、2019年末には渋谷駅のサイネージをジャックしたりと、グロースに向けた施策を実行してきました。

PMFはできたね、ロイヤルユーザーも定着してきたね、でもまだまだ認知が低いからもっともっとサービスを磨き込んでいこう!




ってときに、コロナ

からの自粛

からの緊急事態宣言ですよ。


ぐぬぬ・・・

4. 外食に関わる全てが、変化を余儀なくされた一年

外食する人も、飲食店さんも、食材の卸業者さんも、我々のようなサービス提供会社も、外食に関わる全ての人が存続をかけて変化・適応(対応)しなくてはならなくなりました

外食頻度が急速に減ったり、営業時間や営業日も大きな変化を求められたり、会社自体も柔軟かつダイナミックに方向性をチューニングしたり、トレタnowも当初計画していたエンハンスの全てを見直さなくてはならなくなったり。
(余談ですが、個人的にはライブが出来なくなったのもキツかった・・・)

当たり前ですが、外食頻度が減ったということは、いわゆる予約サービスの需要も減るということです。
「外出をしてレストランで食事をする」「仕事帰りに仲間と一杯」「二軒目行こう」といった生活がなくなり、テイクアウトやデリバリーを利用した中食、あるいは近場のお店でサクッと食事する、といった生活に変化していきました。

5. でも、前に進まなくてはならない

状況や求められるニーズも目まぐるしく変わる中、外食を促すサービスであるトレタnowもそれはそれは厳しい状況になりました。DAUや予約数もみるみる減っていきました。

でも、前に進まなくてはならないんです。

だって、まだ立ち上がって間もないサービスですし、コロナを克服した世界に向けたサービスエンハンスは、たとえ牛歩でもし続けないとならないので。
サービスにかけられる予算を含め、サービスグロースの攻め方を変えざるを得なくなった局面ではありましたが、サッカーで例えるなら「レッドカードを2枚もらって9人で戦う状況になったけど、守りつつカウンターを狙う」みたいな状態ですかね。

6. やったこと(一部抜粋)

でもこれ、「やらないこと・やれないこと」が明確になったということは、「やれることをやるのみ」という状況も明白になったってことなんですよね。月並みな捉え方ですが。

ありがたいことにインストール数は一定量増え続けていたので、当初計画していたことはいったん置いておき、まずは改めてユーザー行動の変化などについて考察を行いました。

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・ 移動の減少やワークスタイルの変化
・ それに伴う利用デバイスとタイミングの変化
・ 自衛意識が情報収集ニーズに直結

といった具合です。
中〜大人数での外食が悪とされる空気もありましたが、トレタnow自体が元々「宴会向け」などには最適化されていなかったので、ここは良かった点でした。
必ずしもこの通りではないかもしれませんが、前述の通り「やれることをやる」という意志に従い、下記のように施策を実施しました。

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まずは、情報収集スタイルの変化に最大限追従しようということから、「PCブラウザ版の簡易的なリリース」に向けて動き出しました。

スマートフォンブラウザ版はすでにリリース済みだったのですがPCブラウザ版はなかったんです(PCでアクセスしても「スマホで使ってね」というLPにランディングさせる構造になっていました)。

データを見てみるとPCで今夜入れるお店を探しているケースもありそうだぞということがわかり、既存のスマートフォンブラウザ版を流用して、なるべく工数を最小に抑えて簡易的にリリースしました。

合わせて、「今から確実に入れる近くの飲食店を探したい!」を少し変化させて「移動をなるべく伴わない場所にあって今から確実に入れる飲食店を探したい!」といったニーズに応えられるよう、エリア指定検索機能の明示や細かいUIのチューニングを行いました。

次にユーザーコミュニケーションです。
緊急事態宣言が解除されたといっても外食を示唆するのは中々にTRYな領域でしたが、状況や潮目を見ながら改善を試みて行きました。

大きなプロモーションは出来ないため、SNS投稿やアプリプッシュ通知を用いた地道なアクションが求められましたが、今夜外食すること自体は決めた(決まった)がお店を決めていない + 所在地や感染対策がパッとわからないので選べないといった基本的なストーリーを再定義しつつ、トレタnow自体の利用訴求から飲食店バイネームの訴求までセグメントして、PDCAを回しました(現在も継続中)。

同時に、アプリ内飲食店ページの1stviewに感染対策が表示されるようなチューニングも行いました。

7. コロナ前水準くらいまで数値を戻せつつある

世情の浮き沈みはまだまだ激しく数値的に安定していない部分もあるので具体的な数値は割愛しますが、地道な体験向上・追従策の実施やユーザー接面の追加などを経つつ、世間の状況もある程度緩和傾向にあったので、なんとかコロナ前水準くらいまでの数値が見えてきたかな、といった現状です。

何も大々的なプロモーションを実施したり大規模にエンハンスすることだけがグロースの全てではないなぁと、当たり前すぎてときに忘れがちだけど大切なことに改めて気が付けたので、ある意味ではこの状況下にも感謝なのかもしれません。
(この状況に感謝、というと不謹慎かもしれませんが、1つの教訓として)

8. 締め

ということで、身の上話し感がとても強い内容になってしまいましたが、このあたりで終わりにさせてもらいます。

「利用してほしいけど感染症にはかかってほしくない」というモヤモヤ「コロナを克服した世界のためにやれることをやる」という気持ちは、消毒・検温の徹底やパーテーションの設置などを行っている飲食店さんをはじめ、アプリ業界にいるいろいろな方にも共有できることかも、と思いながら記事を書きました。

最後に。
トレタnowに少しでも興味を持ってもらえたら、使ってみていただけると嬉しいです(各storeに遷移します)。

アドベントカレンダー用

スマートフォンでご覧の方はこちらから。

ちょっとでも面白いと思っていただけたなら、愛犬に噛まれて負傷した親指でキーボードを叩いた甲斐があったなぁと思えます(愛犬とは・・)。

明日は、Netflixの「スタートアップ」にドハマリされてる「GANMA!ふくにしさん」です!

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