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【木曜日のしかけ#19】伝えた後になぜを語る

木曜日は経営言動、すなわち社長の言動に関する「7秒しかけ」を紹介していきます。社長の言動は幹部や社員のモチベーション、社長への信頼度に大きな影響を与えます。

今回は、社長の想いや考え方の伝え方・浸透についての7秒しかけ
伝えた後になぜを語る」を紹介します。

突然ですが、社長、全社員に方針や新たな取組みを語るときに、こういう説明してないでしょうか?

『皆さん、5月から1on1を導入します。具体的には、毎週1回15分上司とメンバーで・・(更に説明を続ける)』

『あるかも、つい具体的な内容まで語りたくなるんだよね!』

そうですよね、取組みテーマを発表した後は、つい具体的な内容を説明したくなりますね。

社長、そこで今回の7秒しかけは「伝えた後になぜを語る」です。

『皆さん、5月から1on1を導入します。どうして1on1を導入するのか(この後、導入理由を語る)・・・』

こんな感じで取組みテーマを発表した後に、なぜを全社員に語ってはいかがでしょうか?

社長が方針や取組みを語った直後に、なぜを語ると

① 社員が理解しやすくなる
② 社員が共感しやすくなる
③ 社員が腹落ちしやすくなる
④ 社員が行動したくなる

このような効果がでます。

『白潟さん、私はいつもなぜを語ってるよ!』
失礼しました。社長素晴らしい語りです!ぜひ継続してください。
ここまで読んでもらいありがとうございます。

7秒しかけ「伝えた後になぜを語る」を十分実践できていない社長は
もう少しお付き合いください。

0 7秒しかけとは(1度読んだ方は読み飛ばしてください)

7秒しかけ」とはしかけ研究家白潟敏朗と白潟総研のコンサルティング経験・ノウハウをベースに、次に示す習慣化の4つの技術を活用し開発したしかけです。

① 小さな行動から始める
~ 小さすぎてばかばかしいと思う行動が習慣になる(小さな習慣) ~

小さい行動はすぐに生活に取り入れることができ、やがて自然と大きく成長していきます。小さいことから始めれば、時間的な負担を気にせず大きな変化への第1歩を踏み出すことができます。

『習慣超大全/BJ・フォッグ (ダイヤモンド社)』

② If thenプランニング(もしXだったらYをする)
~ 「◯◯した時に□□する」で実行率アップ ~ 

簡単にいうと「もし○○だったら△△する」と決めておくだけです。
人間の脳は『XならY』という文章を記憶しやすく、無意識にそれに従って行動できるようになるようです。発動タイミングを決めてしまう、これが習慣化のポイントです。

『やり抜く人の9つの習慣/H・ハルバーソン著(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』

【If-Thenプランニングの例】

・ 帰りに電車にのったら、明日見る動画の1行ゴールを書く
・ 行きの電車にのったら、ロジカルシンキング動画を1本見る
・ お風呂に入る前に、腕立て5回する
・ 先輩・上司に声をかけられたら、メモ帳を出す

できたら、自分を褒めましょう「よくできた!」

③ 20秒ルール
~ 始めるまでにかかる時間を20秒短くする ~

何かを始めるまでの手間を20秒短縮すると、20秒分の手間のかからなさが、頭によぎる「面倒くさい」を遠ざけ、「気がついたらやっていた」という達成感につながります。

20秒以内にすぐにやれるように準備することが大事!

④ マジックナンバー4
~ 週4回以上の実践で習慣化しやすい ~

習慣化の4つの技術に加え、最近流行りの行動経済学も活用しています。

特にナッジ理論「行動科学に基づいた小さなきっかけで人々の意思決定に影響を与え、行動変容を促す手法・戦略」を活かすことで、より簡単に実行できる工夫をしたしかけです。

具体的には1秒から7秒で実行でき小さな成功により少しだけ自信がつき、気がつけば習慣になっている、そのような効果のあるしかけです。7秒以内で実行できるので「7秒しかけ」と呼んでいます。

1 「伝えた後になぜを語る」とは

社長、全体会議等で社員に伝えたい想いや考え方ってありますよね?
『白潟さん、もちろんあるよ』

その想いや考え方って全社員に伝わっていますか?
『いや、全社員には伝わっていないと思う』

そうですか、残念ですね。

私、コンサルティングを始めて35年目になりお陰様で1万人以上の社長に会っています。その経験を踏まえ感じてることが

自分(社長)の想いや考え方が全社員に伝わらない!

という悩みを抱えている社長が多いことなんです。

なので、社長の想いや考え方が全社員に伝わるための王道を、私は永年研究開発しています。現段階での王道案を紹介します。

まずは、社長の想いや考え方を見える化(紙に書く)することから始め、
その後3つのポイントを外さずに社員に伝えてもらいます。

★ 1つだけ話す(たくさん話さない)
★ 短く話す(13文字以内)
★ 繰り返し話す

ここまでを伝え方の王道「まずはこれから」としてまとめています。

興味ある社長は、既に紹介している7秒しかけを読んでください。

★ 1つだけ話す・繰り返し話す

★ 短く話す(13文字以内)

伝え方の王道「まずはこれから」を社長に実践してもらうだけで、
社長の想いや考え方が全社員に浸透します。

それに加えて、社長に松下幸之助になってもらいたいです。

そうすると浸透するだけでなく
全社員が腹落ちし、すぐ行動したくなってきます

そのために、社長は燃える想いで語る
すなわち1000パーセントの思いを込めて語る必要があります。

そして、語った直後に『なぜを語る』のです

こちらの社長の説明を読んでください

【社員に腹落ちしにくい社長の説明】
取組みテーマ ⇒ 具体的な説明

皆さん、5月から1on1を導入します。

具体的には、上司とメンバーが週に1回15分から30分の1on1を実施します。
テーマはメンバーの育成・キャリアサポートになります。勤務時間中に実施してもらっていいです。

1on1を通じて上司はメンバーをしっかり育成してください。
詳細は人事部からの連絡をきいてください。

私からの説明は以上になります。


【社員に腹落ちしやすい社長の説明】
取組みテーマ ⇒ なぜの説明 ⇒ 具体的な説明

皆さん、5月から1on1を導入します。

どうして1on1を導入するのか、そのこころをじっくり話させてもらいます

結論から言うと、全員に成長してもらいたいからです

残念ながら上司がメンバーの育成に十分時間がさけていない現状があります。全て私の責任です。

上司は部門目標達成に向け時間を使いすぎて、メンバーのマネジメント、特に育成の優先度が下がっています。

このままだと、うちの会社はお先真っ暗になってしまいます。

そこで、上司の意識を変えメンバーに更に興味・関心を持ってもらうためにも、1週間に1回、15分~30分の1on1をやってもらいます。

上司が現状の仕事の進め方を抜本的に変え、不要な仕事を捨て、メンバーに任せる覚悟がないと1on1を実践することはチャレンジです。

上司の皆さん、ぜひ5月から意識変革しメンバーとの1on1の時間を確保し、メンバー成長のPDCAを回し育成していってください。

詳細は人事部からの連絡をきいてください。

1on1をきっかけに、全員で成長していきましょう!

私からの説明は以上になります。


いかがでしたでしょうか?

取組みテーマを説明した直後に、社長がその取組みの動機を明確に語ることで、全社員がその意図を深く理解し納得感を得ることができます。

社長が方針や新たな取組みを全社員に語るときには、伝え方の王道「つぎにこれから」を社長に実践してもらいたいです。

燃えるおもいで語る ⇒ 繰り返し語る ⇒ なぜ語るかを説明する

大事なことは、訴えることである、と松下はたびたび話していた。「そのとき、よう心掛けていないといかんことは、その訴える内容について、責任者がどれほどの思いを込めておるかということやね。(中略) 

100パーセントを部下の人たちに伝えようとするならば、責任者は1000パーセントの思いを込めないといかん」(中略)

 「それから、繰り返し話をする、繰り返し訴えていくということも大事やね。繰り返すことが、経営者の考えを浸透させることになるな」(中略) 

 「そしてもう一つ大切なことは、なぜ、ということを話すことや。ただ言いたいことや結論だけを言うというわけではあかんわけや。

責任者が『なぜ』を説明することによって、社員はその言わんとする全体を理解することができる。そうしないと、社員はその責任者についてこんで

(中略)燃える思いで訴える、繰り返し訴える、なぜ訴えるかを説明する。この三つの繰り返しをしなければ、経営者の真意は社員には伝わらない。

「成功の法則/江口克彦(PHP研究所)」


ブランディングやマーケティングで活用される「ゴールデンサークル理論」でも、「なぜ」から想いを伝えることで、共感を生むことができると述べています。

気にいってもらえたら、7秒しかけ「伝えた後になぜを語る」せひ実践してください。

2 アンカー(「伝えた後になぜを語る」を思い出させるきっかけ)

きっかけがなくても「伝えた後になぜを語る」ができる社長は早速実践してください。

実践するのに不安がある社長は「会議」をきっかけにしましょう。

★ XX会議だ! ⇒ 伝えた後になぜを語る

社長がなぜを語りやすい会議を選び、その会議をきっかけにしてください。

・ 経営会議
・ 幹部会
・ 全体会議
・ 商品会議

3 今すぐ準備しましょう

伝えた後になぜを語る」を実践する社長は次の準備をしましょう!


① 4回以上の実践状況のチェックシート作成

前述したマジックナンバー4(週4回以上の実践で習慣化しやすい)の実践がおススメですが、説明の機会は週4回もないでしょうが…

連続で何回実践できたかをチェックする準備をしましょう。
準備の例を次に示します。

・ 「XX会議で「伝えた後になぜを語る」と4枚のふせんに書く
(実践したらふせんをすてる!)

・ 1枚のふせんに「XX会議で「伝えた後になぜを語る」と4回のチェック欄を書く(実践したらレチェックをいれる、4回チェックしたらすてる!)

もちろん、5回以上でもいいかと思います。

② ①のチェックシートを手帳に貼る、またはパソコンに貼る

4 いつから実践しますか?

伝えた後になぜを語る」いつから実践しますか?
実践したいと思った方は今ここで実践時期を決めましょう!

・ 次の経営会議/幹部会/月次業績会議から
・ 次の全体会議/全体定例会から
・ 次の商品会議から
・ 来期のキックオフから

決めた実践時期を手帳やカレンダーに書き込みましょう。
伝えた後になぜを語る」実践と記入した付箋を手帳やパソコンに
貼ってもいいです。 

伝えた後になぜを語る」の紹介は以上でおひらきです。
社長の考え方やおもいが全社員へ浸透し腹落ちすることを心から願っております。

実践したらX(Twitter)への投稿、またはNoteへコメントしてもらえたら嬉しいです!

今日も、「日刊7秒しかけ」を読んでくれてありがとうございます。

伝えた後になぜを語る」の7秒しかけを気に入ってもらえたら、
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それでは、また明日!明日はフツーの会社のすごいしかけです。


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