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INFJは決して利他主義なのではない

【※主観的な意見なのでINFJ全てに当てはまるわけではありません。あくまで私の経験からの考えです。】

「INFJは利他主義である」
「INFJには非営利団体やボランティア職が向いている」(大体デザイナーやカウンセラーの次に書かれている印象)
「INFJは人助けのためなら自己犠牲も厭わない」

そんなことがINFJの性格について少し調べると書いてある。まるで聖人のような扱いだ。だが、本当の意味でINFJは利他主義なのだろうか?

༝ ༝

INFJの行動パターンを考えてみると、
①目の前に困っている人がいたら助ける。
②グループで浮いている人がいたら声をかける。
③多数対1など道徳的倫理的に許せない状況の場合、無関係な人でも何かアクションを起こそうとする。

①は目の前に対象がいる場合、②はグループ内、③は手を伸ばせば届く範囲内である。

つまり、
目の前に対象がいる場合→自分に課された使命として出来る範囲で助けようとする。
グループ内→他の誰も気づいていない場合には自分が動く。全員が過ごしやすいように調和を目指す。
手の届く範囲→倫理観・道徳観に悖る場合には何かしらアクションを起こす。

といった感じだ。これは他のINFJに当てはまるかはわからないが、自分の行動原理はこのようなものである。

༝ ༝

これら全ての根本にあるのは、「自分に対する理想像」である。(もっと突き詰めれば、先天的に備わっている「高すぎる"共感性"及び"道徳観・倫理観"」が全ての原理になる気がするが、ここでは省略する。)

自分にしか出来ないと判断した場合、自己犠牲をしてでも助けようとする。或いは倫理観や道徳観に悖る場合には黙っていられない。個々の幸せより全体の幸せを優先する。これらのことをする自分は全て、「理想の自分」なのである。

༝ ༝

彼らはよく世界や周りの環境に絶望感や失望感を覚える。これは、世界に対する理想が高い故だ。みんながみんなのことを思い合えば良い世界になるのに、と本気で思っている。それが現実に叶わないことを知るのは現実を痛いほど知った時だ。

そして、世界や環境に対するアクションを起こす力は自分にはない。ポジティブな意味での行動はするが、ネガティブな意味での行動はそれが世界に求める理想のために必要だとしてもほとんどの場合しない/できないだろう。何故ならその時点で「世界に対する理想像」と「自分に対する理想像」が対立するからである。

彼らは理想の世界のために悪人を排除しようとする、なんてことはしない。そんなことをする自分が許せないからだ。ではどうするのかというと、悪人を善人にしようとするのだ。何か理由があって悪人になったはずだから、理解し合えると思っている。でも、それが無理だと知るときがくる。そのとき大きな壁にぶち当たり絶望を知ったINFJは、きっと思い悩む。「自分の考えが間違っていたのだろうか」と。

基本的に自分の中での信念や考えは確立していて、それが間違っているかもしれないと疑うことはほとんどない。だから、間違いに気づいた時にはそれが何故なのか悩む。そして気付く。「他人と理解し合うなんて不可能なんだ」「全員が幸せな状態になることなんて無理だ」

それに気づいたとき、世界に対する諦めの感情が芽生える。世界という大きな対象に自分が何かをすることはできない。だから、あくまで自分を取り巻く環境の中で自分の理想を達成しようとする。

༝ ༝

つまり、行き着く先は「自分の理想像」でしかない。そもそも自分に高い共感性や倫理観が備わっていることに本人たちはあまり自覚的ではない。つまり、「他人に何かしてあげよう」という気持ちではなく、「自分だったらこうする」「自分が相手の立場だったときこうしてほしい」を実現しているだけだ。

その意味でINFJは利他主義ではない。「理想の自分」を実現したいだけだ。だから周りから見たら理解のできない理由で自己嫌悪しているように見えるかもしれない。何故そんなところで悩むのかわからないかもしれない。

周りの人に「考えすぎ」「気にしすぎ」などと言われることも多いだろう。理解はできる。だけど改善のための実践はできない。自分で考え抜いた上でそれが正しいと思っているのだから。面倒くさいとか厄介だとか一言で片付けることもできる。だけど彼らは常に自身と世界を敵に戦っている。これは外からは全く見えない。悩みの根本的な解決はできないからこそ、理解して寄り添ってあげることが不可欠であると思う。

理想を捨てて仕舞えば、途端に生きやすくなることはわかってる。でも何故正しい側の私たちが思想を捨てて腐っている世界に迎合しなければいけないのか、などと傲慢な考えをもってしまう。だから、どうにか折り合いを付けて必死に生きていくしかないのだ。

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