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千春さんへ10の質問

句集『こころ』(港の人)の出版を記念して、千春さんに10の質問を投げかけてみました。この句集は、俳人の中山奈々さんが選句をされています。
俳人が川柳句集の選をする、ということはそんなにあることではないので
(中山さんは川柳も書かれる方ですが)その理由や、制作過程のことをお答えいただきました。今後、川柳句集を制作される方の参考のひとつとなれば幸いです。千春さんには記事を書くにあたり、ご協力いただきありがとうございました。

質問1:出版社を(港の人)に決めた理由を教えてください。

憧れの出版社でした。特に八上桐子さんと竹井紫乙さんの句集の出来が素晴らしかったです。

質問2:装幀が素敵ですね。こだわった所があれば教えてください。

なるべくシンプルに、とお願いしました。
装幀担当が八上桐子さんの『hibi』を手掛けられた飯塚文子さんになるとは思っていなかったので、決まった時は嬉しかったです。
『hibi』のような川柳句集を作るのが夢でした。

質問3:選句を俳人である中山奈々さんに依頼した理由を教えてください。

中山奈々さんの感性が好きです。
俳句も川柳もやっておられて、前回の作品集『てとてと』の選句もお願いしました。その時の経験で、確かな信頼のおける選句をして下さる方だと知っていました。

質問4:自選の割合を教えてください。

90%が中山奈々さんでした。後の10%は、私が決めました。

質問5:今回の句集に“絶対に外せない”と考えていた句を挙げてください。

  わたくしの脚ひらかせる桜だな
  白鯨を鍋で煮てます。行きなさい。
  ほうじ茶が星になったら行きましょう

質問6:タイトル及び、各章のタイトルの由来を教えてください。

タイトルで迷っていた時に、パートナーが雑誌『こころの元気+』を見せて
くれて、「どう」と言いました。ピンときて、決めました。
各章のタイトルは、日本古来の色の名前で統一しました。

質問7:句集制作にあたり、決めていたことはありますか。

三章立てにすることを決めていました。

ある川柳作家の方が以前、「かわいそうな句集は読むのが辛い」と仰っていたので、「かわいそうな」句集にしないことを意識しました。

質問8:「煮る」ことが多く句集中に出てきて印象的です。
千春さんにとって「煮る」とは、どのような行為でしょうか。

幼少期、家のお風呂が薪で焚くものだったので、当時、私の家事仕事は薪割りと湯沸かしでした。母がお風呂上りに「気持ち良かった」と言うので、喜びの作業だったことを思い出しました。それが「煮る」と似ていたかもしれません。

質問9:句の中に様々な動物が登場します。何を飼っていましたか。

猫を飼っていました。

質問10:千春さんにとって川柳句集とはどのような意味を持ちますか。

私は川柳、短歌、詩を書いているのですが、川柳句集作りはいつかしてみたい特別なものでした。特に家でパートナーとする文芸の話の半分以上が川柳の話で、それが楽しかったです。


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