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『シュルレアリスム』中内火星句集
俳人の中内火星さんの句集『シュルレアリスム』(文學の森)を読む。
柳俳合同のネット句会で句を拝見したり、句誌で拝読したりするばかりで
直接お目にかかったことはないのだけれど、俳号があまりにも印象的で、
その作品もかなり自由闊達で、かといって難解とは無縁で、私にとっては
インパクトの強い俳人のおひとり。この句集も書きおろし分がかなり含まれているのだろう。句作量の多さを感じる。量を多く書く、というこ
シベリアがあるところ
令和五年西暦2023年。近所のスーパーでシベリアを見つけたので買ってみる。初めて食べたシベリアは身ぶるいするくらい甘い。
持ち歩くことができるシベリア
由来が不明なシベリア
愛・地球博覧会場のマンモスの欠片
あれもシベリア
毛の生えたシベリア
動く歩道から眺めるシベリア
石原吉郎は「シベリヤ」「ロシヤ」と書いている発音
わたしの「シベリア」「ロシア」とは違うものとしての発語
雪の
「繁る思想」 竹井紫乙
ひみつポケットに窮屈な死体
全員で座っているだけの仕事
ハラスメント講習会のぼろ切れ
ハートマークの威力について学ぶ
ナンカイイコトがうろつく夕間暮れ
ねえいつも背びれ充血してるわね
マトリョーシカには尻尾があったでしょ
肩の荷は肩が好きだと言い募る
繁る思想へマリーのダイアモンド
草原を貴族と呼ぶべきなんだね
もはやこれまでの線路が続く駅
定型文光るうだつの町並み
抽選につよいモーゼの子孫たち
第12回 ぶらり句会
広瀬ちえみさん主催のネット句会です。(参加者全員で共選)
今回の題は「かく」「雑詠」。私の選からほんの少しだけをご紹介。
破格値の羽や尻尾や嘴や 広瀬ちえみ
わたしたちは鳥類と同じただの生き物ですが、この句に書かれた部位を
腕や唇に置き換えてみるとどうでしょう。手塚治虫が描いた漫画の世界は
すでに現実となりました。生物の体の意味について鋭く突いた一句です。
「破格値」とは通常とても安いお値打ち
海馬川柳句会2024年3月
湊圭伍さんが主催されているネット句会<海馬川柳句会>について。
昨年はほとんど参加できずにいたけれど、スタートから一応参加している。
今年から隔月開催。
クローズドな会だと思っていたら、そうでもないとのことなので
興味のある方はどなたでも参加できる(はず)。
ということで今回のお題は「空気」「雑詠」。
地下道に片方だけの靴下府 まつりぺきん
「府」には様々な意味があり、いずれも行政