叙情 【詩/現代詩】
太陽の
鼓動を聴いていた
息苦しい青空が
耳のうしろにいた
「星の音」が
タクトを振っていた
美しい権力が
鳴り響いていた
改札口に落ちていた
石たちはみな
角が光っていたし
僕らはおそるおそる通り過ぎたものだ
かれらが近づくのを
とても恐れていた
駅舎の西側で演説する者たちは
鉄のタクトを振っている
その隙間を縫って
大時計が鳴り
大波が
押し寄せる
(人々が思考しないことは幸いである)
イヤホンから聞こえる
単一の音楽
(ヒトビトガシコウシナイコトワサイワイデアル)
蛇皮線がのたうち
真っ黒な叙情に
のまれていく北口広場
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