窓の明るい部屋 【川柳/俳句】
妖怪になりかけている生つくね
廃校のところどころに鹿の骨
学び舎に曲がった爪を捨てにいく
美容師の背後からザリガニの群れ
治りかけの偏頭痛たんぽぽを揺らす
メーデーの喉に絡まるプラレール
折り返し地点が眠い隅田川
山火事の焦げ目が残る越後獅子
母の日の古傷に塗るマーガリン
稜線が消えかけているうなぎパイ
バランスを失っている桃の花
窓の明るい部屋のハラスメント
素のままで凍っていたいあわび貝
春夕べとても巨きな電車が来る
春の夜のポ音が水に溶けていく
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