【短編小説‐前編】おふくろの味を、もう一度
雨がやんだ、すっごく天気がいい。あれ、雨って天気の一部なんじゃないの?雨じゃない時に【天気がいい】って言い方って、なんだか雨が仲間外れみたいだ。そしたら、曇りも仲間外れみたいなもんか。
天気って、晴れだけのことを言うのかな。そんなことを考えながら、裕也に今日もプリントを持って行った。あいつが学校に来なくなって、二か月。あいつの雨は、もうすぐやむかもしれない。でも、雨も曇りも、あまり見なくなったアイツの晴れも、すべてひっくるめて裕也なんだと思う。
「こんばんは。プリント