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【社長インタビュー第3弾!】スタートアップと社会をなめらかに繋ぐことを目指す社長に起業志望の学生がインタビューしてきました!

こんにちは!しお@27卒です!
広報の立場からスタートアップ企業の支援事業をしているJobTales株式会社の代表取締役、稲荷田和也さんにインタビューしてきました!

心に残るフレーズが多いインタビューになりました!

今回インタビューさせていただいた方のプロフィール
稲荷田和也
JobTales株式会社 代表取締役
X  https://twitter.com/oinariiisan

会社HP


プロフィール

ー簡単な自己紹介とご自身の事業内容のご説明をお願いいたします!

JobTales株式会社を昨年9月に立ち上げ、代表として活動しています。事業内容としてはコミュニケーションパートナーとしてスタートアップ企業の支援をしております。コミュニケーションパートナーというのは、スタートアップ企業のパートナーとしてコミュニケーションを基軸にして、彼らのお悩み事を解決をする立場です。

具体的には、経営幹部向けにミーティング形式で思考や感情の棚卸しをしながら課題を整理して、打ち手の検討をしています。また、言語化したものを社内外に打ち出す際のメッセージングを考える「言葉のデザイン」も行っています。

なぜスタートアップを支援しているの?

 スタートアップがとても好きで、起業家の挑戦を後押ししたいからです。前提には、挑戦者へのリスペクトがあります。リスクを取りながら大きな挑戦をする、その最たる例がスタートアップの起業家だと考えています。なぜかと言うと、スタートアップの定義の1つに「エクイティ調達」と呼ばれるものがあります。会社の株式の一部をベンチャーキャピタルなどの投資家に渡して代わりに何千万、何百万という出資をしてもらって資金調達をすることです。起業家ファーストでおいしい話に聞こえるかもしれませんが、 当然そんな甘い話ではありません。エクイティ調達を実施した企業は、企業価値を何十倍、何百倍に成長させた上で、上場などを行うことで投資家にリターンを返す必要性があるからです。つまり、ハイプレッシャーな状況下で事業運営をする必要性が発生します。それを覚悟した上で挑む起業家は本当にすごいなと思っています。ストレスやプレッシャーがかかる以上に自分が成し遂げたい世界観とかやりたいこととか解決したい社会課題があって、それに対して全身全霊でチャレンジしていることだと捉えているからです。

一方で、そのような方々は事業領域に対して経験が豊富だったり、深い専門性があるゆえに、社会とのギャップが発生しやすいことが多いように感じています。情報の受け手と前提知識が揃っていないままの説明や、無意識下で専門用語を多用してしまったりの説明だと、多くの人は理解ができません。そうすると、企業の価値や事業の価値が全く伝わらなかったりするわけです。

「本当にそのサービスを必要としているお客様だけに伝われば良い」という考え方もあると思いますが、それでさえも「伝え方」次第ではより深く伝わるものですし、多くの方に知ってもらった方が、話題性も生まれます。そうすることで、結果的に売り上げも上がり、起業家が証明したい価値も世の中に認められていく。 そういったサイクルを作るための「翻訳」をしていきたいと考えています。
起業家という素晴らしい方々がいる一方で、その卓越した才能ゆえに、世間とのギャップが著しくなってしまっています。志半ばに、会社を清算するケースも見られますが、そんなの悲しすぎますよね。私はコミュニケーションを通じて彼らの成功を最大限後押しすると同時に、その積み重ねで「挑戦者が報われる社会」にしていきたいと思っています。

ビジネスモデル

ー次にビジネスモデルについて教えてください

事業内容は、主に2つあります。1つ目が「コミュニケーションパートナー事業」2つ目が「StartPods事業」です。

コミュニケーションパートナー事業は、冒頭でお話しした通り、経営者との定期的な1on1を通じて、経営者のパフォーマンスを向上させたり、課題を整理した上で打ち手の検討を行います。お客様のニーズに応じて、社内外へのメッセージングを考えたり、広報PR戦略を検討したりすることもします。いわゆる、コンサルティングのモデルに近い形です。

StartPods事業は「Startup」と「Podcast」を組み合わせた造語で、スタートアップに特化したポッドキャスト(音声配信)の企画制作を行っています。ポッドキャストはこれまで個人配信が主流でしたが、近年は企業による配信も増えています。「声」を通じて、経営者の思想を発信したり、事業領域におけるノウハウを提供したりすることで、企業の認知獲得や採用活動などに活用することができるためです。テキストや動画コンテンツが飽和している一方で、「耳」だけで情報が収集できるポッドキャスは通勤時間はもちろん、運動や家事をしながらの情報収集に最適で、学習意欲の高い方の多いスタートアップ業界では今後さらに普及していくと考えています。スタートアップへの深い理解と、広報PRの経験で培った「編集力」を活かしながら制作をご支援しています。

他にも、資金調達を実施されたスタートアップ起業家へのインタビューポッドキャスト『Startup Now』の企画制作も行っています。2024年4月時点で、既に20名以上の起業家へのインタビューコンテンツを配信しています。

ー『Startup Now』にはなぜ取り組んでいるのでしょうか。

「スタートアップの魅力を多くの方に届け、スタートアップエコシステムを盛り上げたい。」その一心です。『Startup Now』では、事業内容を深掘りすることはもちろん、その起業家の人生や起業までのプロセスも紐解いていきます。「どんな人が」「なぜ取り組んでいるのか」これらが分かるだけで、深い共感や応援したい気持ちが湧いて来ると考えているためです。より多くのスタートアップ企業の魅力が広がれば嬉しいですし、中には「その会社に入社したい!」という方も出てくるかもしれません。そうしたきっかけを作り続けることで、スタートアップエコシステムを盛り上げていきたいと考えています。

起業したきっかけ

ー起業したきっかけをお伺いしたいです!

新卒で「Sansan株式会社」に入社した経験が大きいです。Sansanは、法人向けの名刺管理サービスを生み出し、その市場を拡張し続けた結果、今では東証プライムに上場した、日本有数のスタートアップです。新しい市場を創ることはとてつもなく険しい道のりです。しかし、社長や経営陣に限らず、多くの社員がその夢を本気で語り、信じて突き進んでいる姿に憧れて入社を決めました。

一方で、私が入社した時は未上場ではあったものの、既にプロダクトがしっかりできていて、売り上げも多く出ていました。そのため、歯車の1つでしかないというか、豪華客船に乗りこんだかのような感覚を持ってしまいました。もっと手触り感を持って事業の立ち上げを経験するには、ステージが早い会社に入るしかないという想いが芽生え、スタートアップへの意識が強まっていきました。
結果的にSansanは3年で退職し、フリーランスとして独立。2年近く経ったタイミングでJobTales株式会社を立ち上げました。

ー起業で広報などのコミュニケーション領域を選択されたのはどうしてでしょう。

独立してすぐに「NFT」というIT技術を自治体に提供するスタートアップに深く関わることになりました。そこで、営業の立ち上げを経て広報室の立ち上げを経験したことが原体験になっています。新しい技術なので一見伝わりづらい領域ではあるのですが、広報に注力した結果、 多くのメディアに出られるようになりました。その結果、多くの方に会社や事業のことを知っていただくことができ、事業やファイナンスにも非常に良い反響が生まれました。 この経験から、スタートアップや新しい業界では、経営者の想いや事業の価値を翻訳し、社会に発信することの重要性を学びました。 しかし、周りを見渡すとスタートアップ特有の文化を理解し、経営や事業経験を持った上で、広報の立ち上げができる人材はそう多くないことに気づきました。今後、政府の方針も相まってスタートアップがどんどん増えていく中で、私の経験が社会に役立ち、かつ明確なポジショニングが取れるだろうと確信をし、起業することにしました。

起業を決めてからの最初の一歩

ーなるほど、広報に着目したのはそのような背景なんですね。次に起業しようと思ってから最初に何をしたかを具体的にお聞きしたいです。

現在は、コミュニケーションパートナーとしての仕事をしていますが、実は最初はスタートアップを自分でやろうとしていました。プロダクトを作ってそれを世の中に提供していくことを目指していました。とはいえ、私は1人で事業を立ち上げたり、プロダクト開発をしたりする経験まではなかったため、アクセラレータープログラムなどの起業家向けプログラムイベントにいくつか申し込みました。

そして、プログラムに採択されたりされなかったりとか色々ありました。実際に自分で事業案の資料を作って、具体的にスケジュールを引いて、プロダクトの概要説明をしたり、市場規模の説明をして…そんな毎日を過ごしました。プログラムに参加するだけでなく、100人近くの投資家や先輩の起業家さんに、ピッチをしてフィードバックをもらうということをたくさんやってました。他にも、仲間集めをしたりとかイベントや交流会に参加したりとか色々とやってました。結果的に、その事業はスタートアップ的な非連続な成長を描けないと判断して撤退を決め、まずは自分の得意を活かして事業を立ち上げようということで、今に至ります。自分自身がスタートアップ起業家になりきれなかったからこそ、起業家への底なしのリスペクトがあるのかもしれません。

ーそうだったんですね。起業家向けプログラムや交流会に参加したりは自分でもやったのですが、身になってる感覚がなかったんです。でも、稲荷田さんのように自分が発信するものを持ってプログラムに参加すると、得られるものが多いのかなと思いました!

学ぶだけだったら、学校の授業と一緒でどんどんすり抜けていってしまうと思います。自分がやろうと思ってるものがある上で学ぶと、答え合わせをしていく感覚になり、より身につくのだと思います。

モチベーションという概念がなくなってきた

ー稲荷田さんはXの投稿が頻繁であったりポッドキャストも継続されていて、すごいと思っていました。そこでモチベーションの維持や活動を続けるために工夫していることがありましたら教えてほしいです。

大きく分けると2つあります。1つ目が、そもそもモチベーションという概念が以前よりもなくなったなという感覚があります。
気持ちが乗らないからやりたくないということもたくさんあったんですけど、 今はそういう感覚はあまりなくて、ひたすらやっているという感覚です。
なぜかというと、前提として自分自身がやりたいと思ってることをやってるからということと、自分自身が使命感を感じてやっているからです。例えば、漫画好きだったら漫画読むためのモチベーションとかないじゃないですか。そんな状態に徐々になってきているということが1つあります。本当にやりたいこととか、自分が意義を感じるものをやれていることがすごく大切です。

とはいえ、エネルギッシュにいなきゃいけないので、2つ目としては、心身を整えるために体作りをしています。ランニングに力を入れていて、先月は1か月で120キロほど走りました。

ー120キロですか⁉

先月は東京マラソンに出たので、42キロを走っていて、それ以外に休日に20キロ走るとか、 平日に5キロ走るとか、積み重ねで月に100~150kmほど走ってます。

ー体力をつけるためですか?

そうですね。体力もつくし、頑張って実行して目標を達成すると気持ちいいし、自信にもなってます。そこで生まれた自己肯定感は、経営にも活きています。

起業に必要なマインド

ー起業に必要なマインドはありますか?

最低限稼げる経験と自信がついてないと、大変なことが多すぎて心が折れちゃうんじゃないかとは思います。なので、その最低限の自信と能力や経験はあるべきです。

私の場合は若くして起業をしているので、だいぶ背伸びをして不安はとてもあるはずなんですけど、走ったりしてごまかしたりしてるわけです(笑)

もちろん、ごまかすだけでは続かないので、お客様から対価をもらうに値する実力をつけるために、常に新しい情報を仕入れたり、自分で実践したりするなどして、かなりの努力はしています。自分の過去の経験に再現性を持たせるためにあれこれ思考したり、著名な方や先輩経営者の話を聞きに行ったり、かなりの行動量を担保しています。そういう意味では「行動力」というのも大切な素質なのかもしれません。

今後のビジョン

ー次に今後の事業のビジョンを教えてください!

まず1つはスタートアップで挑戦してる人たちに成功してほしいという思いがあります。信念を持って起業して勝負してる人なので、そういったスタートアップ企業がより大きくなって、経済的に認められたり、社会的な意義が伴ったりしてほしいです。だからこそ、彼らの目標を実現するための支援をしていきたいと思います。

今はスタートアップという軸で話をしていますが、すこし抽象度を上げると、出る杭が打たれないような、挑戦者が報われる社会にしていきたいと思っています。そうやってスタートアップの起業家さんが成功していく姿は人を勇気づけたり新しい挑戦を促したりします。そういうポジティブな循環を作っていきたいと思っています。
私には娘が2人いるのですが、娘たちが大人になった時に何かやりたいことを言った時に否定されるのは嫌だと思ったんです。だから、そんな社会を変えていきたいと思ってます。

ーその支援者の立場から応援する気持ちからこのインタビューも承諾していただいたように感じます。本当にありがとうございます!

学生に向けてメッセージ

ー最後に私のように起業したい思い活動している学生や、将来にむけて頑張って活動している学生にむけてメッセージがあればいただきたいです!

「意識くらい高くあれ」というメッセージを届けたいです。

学校では意識が高い学生は、少しけむたがられるような存在になってしまうこともあると思います。当時の僕のような大学生は通常、実力や能力が社会人より当然低いわけです。それでも意識を高く持って、背伸びした情報にアクセスしてみるとか、普段会わないような人に会ってみるのが大切です。そうやって意識高くアンテナを張っていないとチャンスは掴めないんです。機会がないと人は成長しない。その機会を得るために必要なのが、意識の高さということです。だからこそ、「意識くらい高くあれ」と伝えたいです。

実は、これは私自身が当時の自分に伝えたいことなんです。私も長期インターンなどの課外活動に積極的に参加していて、いわゆる「意識が高い学生」でした。当時は、「意識高そうなことをして満足してるだけで、大して成長できてないのではないか」と感じてしまっていました。しかも、意識が高いと自分の現実とのギャップに苦しむんですよ。高い理想と現実の差にやられてしまいます。だけど、そうやってギャップを感じるからこそ、ギャップを埋めたいと思えるわけです。苦しみ続けた結果、いつかは本当になりたかった自分、それ以上の自分になれるはずです。当時あれだけ悩んでいた私も、実際に振り返ってみると、学生時代に思い描いた時よりも遠くに来られている感覚がすでにあります。

ちなみに、そんな私も会社を辞める前までは思い描いていた活躍がしきれずモヤモヤしてました。ただ、意識くらい高かったからこそ、「こうなりたい」「諦めたくない」と思って、アクションし続けた結果、今があります。もちろん、今はまだ意識だけは高いので、現状に満足せずに邁進することができています。意識くらい高くある」ということは大事なことです。

ー確かにそうですね。意識高い系という言葉が嫌でしたが、誇らしいことなのかもと思えました!
素敵なメッセージなので、みんなに伝えていきたいと思います!

インタビューを終えて

 今回のインタビューでは、特に稲荷田さんの「意識くらい高くあれ」という言葉が刺さりました。どこか自分がやっていることに自信が持てなくなったり、周りを気にしてしまう気持ちがありましたが、自分の活動も誇ろうと思うようになりました!
 稲荷田さんとお話してみて、丁寧な口調や学生である私にも分かりやすい例を使っての説明から、支援者の立場としての人柄を感じました。また、本当にスタートアップが好きだという気持ちがところどころに現れていて、今の事業に対する熱意が感じられました。
 目に見えるプロダクトやサービスをもたない事業をしているからこそ、そのような熱意や人柄が大事になっているのではないかと思いました。稲荷田さんだからこそできる事業ではないかと感じました。
 自分も自分の活動に自信を持って行っていきたいと思います!このメッセージがたくさんの人に届けば嬉しいです!

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