【海外旅行】休ませすぎたスーツケースは急に裏切ってくるから気をつけて
無事っちゃあ無事に実家にたどり着いた私たちではあるが、今回のタイ→大阪→京都→愛媛の旅はなかなか難儀であった。
夫のスーツケースがタイのスワンナプーム空港の時点で壊れ始めたからである。
スワンナプームでの異変
異変に気づいたのはタクシーがスワンナプーム空港に到着してすぐだった。
夫が全然思った方向に引けないなあと言うので確認してみるとキャスターのタイヤの1つに亀裂が入っていた。
壊れたスーツケースを引く大変さは経験済なので、わたしは応急処置方法や関空に修理屋がないかなどを大急ぎでググっていたのだが、
夫は初めての在留者としての日本入国でナーバスなのにこれ以上心配事を増やしたくないとかで"I just wanna let it go" と、とことんこの問題を無視したいと言い出し、私にも心配することを禁じた。
関空到着!
当たり前なことだが関空に到着してもタイヤは直ってなかった。
壊れたのが斜めに引っ張る時に使わない前輪の方だったのがせめてもの救いだね、と言ったそばから後輪も裂けていった。
実際に転がすまでは新品のような顔をしていたくせに、コロナ禍で海外旅行に行けず3年以上出番が無かったスーツケースのキャスターはこっそりすっかりダメになっていたのである。
京都駅からは高速バスで愛媛に行き愛媛到着後は家族が迎えにきてくれるので、実際スーツケースを引く必要があるのは空港→大阪駅、大阪駅→京都駅の駅内移動のみ。
空港や駅からは宅配でスーツケースを自宅へ送るサービスもあるので諦めるなら早く諦めたほうがいいのだが、夫はがんばって自力で運ぶ道を選択した。
ちなみにバスは大阪からも出ているのになぜ京都から乗るのかというと京都に住んでいる姉夫婦に少しでも会いたかったからで、
ならなぜ大阪に寄るのかというと夫がニンテンドー大阪に行きたかったからである。
まさかスーツケースがこうなるとは知らずハードな予定を立てた過去の自分たちを呪う。
(大阪観光中は大阪駅のクロークに預けた)
電車の中で立っているだけでも朽ちたタイヤの破片が花びらのようにハラリハラリと落ちていき夫の足元を黒くいろどった。まじで儚い光景であった。
タイヤが散りゆくほどに重みを増すスーツケースに夫はちょくちょく持ち手を交代して、だんだん表情にも余裕が無くなっていった。
わたしもそれなりに力持ちなのだが、夫はこういう時に交代しようとは絶対言わない人である。
高速バスではわたしの隣の席が様子のおかしい人だったので全然眠れなかった。夫はさすがに疲れて少し眠れたようだ。
愛媛にきたらこっちのもん
最後バスが松山駅に到着すると、松山駅前の歩道は一体どういうつもりなのか異常にガタガタしており、身を削り散り続けながらなんとか持っていたキャスターはそこで踊るようにガタガタ揺れながらついにキレイに4輪全て裸になった。
もう1歩も歩かなくてよく、あとは家族が私たちを回収し良いようにしてくれるというタイミングで完全ゲームオーバーになったことが実に清々しい。
夫はその場でスーツケースもバックパックも脱ぎ捨て歯ブラシ1本だけを持って羽が生えたようなステップでトイレに行った。
わたしは荷物番をしながら、それまでタイヤの朽ち具合を気にしてうつむいてばかりいた顔を上げ空を仰いだ。
朝日に照らされながら現れた車の中に弟の笑顔が見えたときは疲れを忘れた。
(そもそもわたしは疲れるほどの事をしていないことにこれを書いていて気づいたけど)
その後われわれは松山の弟の新居に一時預かられ、松山まで迎えに来てくれた両親によりさらに田舎の実家へ回収された。
まあそんな感じで我々の日本生活はスタートしたのである。
後日談
タイヤが丸裸になったスーツケースだが、逆に思い出深く手放すのが惜しくなったので買い替えではなくそのうち修理するつもりである。そのうちDIYで。
タイでスーツケースが壊れたら
余談だがスーツケースのキャスターが壊れたのはこれが初めてではない。
今回壊れたのと別のスーツケースがやはり昨年年末のタイ国内旅行で壊れた。
やっぱりコロナ禍で長いこと寝かせたことが原因と思う。
その時はバンコクのMr.Bag-Fixというお店で直した。タイヤ4個取り替えで1400バーツと別に安くはないのでスーツケースごと買い換えてもいいと思うけど、直すと元々より強そうなキャスターが付いてたくましくなったので満足した。おすすめ。
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