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業績評価

 プリセールのエンジニア評価については、チーム達成度で見るか、個人の貢献度つまりクローズ案件金額で見るか、そのハイブリッドで見るかなど悩ましい部分があります。前者に寄せると優秀な個人は不満を持ちますし、後者に寄せると受注困難な案件や業種を担当するモチベーションが下がります。さらに、優秀な営業の案件をやりたがる(成約率が高い)など、営業の選別をする弊害が出ます。そうなると、ハイブリッドが良いのではないかと言うことに落ち着きますが、チーム業績と個人業績の配分比率をどうするか、MBOなど案件活動以外のチーム貢献を図る指標はどうするかを決めなくてはなりません。一つの例として、チーム業績、個人業績、MBOの3本柱でコミッションを設計した場合を考えてみます。メインのコミッションはチーム業績とMBOから計算し、個人業績はオントップのボーナスとするのがわかりやすいと思います。前者はボーナス財源、後者は案件コミッションの財源を当てる事になるでしょう。

チーム業績(ボーナス財源)

 チーム業績と言っても、大きな組織ではチームが複数ある場合も多いので、個別のチームにするか、全社にするかは決めなくてはなりません。自分のやった仕事の成果と見るのであれば、対応する営業チームの達成度を採用するのが良いと思います。それが全社であれば全社、チームであればチームの達成と結びつけます。ただし、チーム間の連携などを促進する上で、すべてのメンバーに全社業績を何割か含めることは重要です。セキュリティーエンジニアやデモエンジニアなど全体に関わる仕事をするメンバーは全社の業績を採用して貢献が全体に及ぶと言う位置付けにするのが良いでしょう。

MBO(ボーナス財源)

 いわゆる目標管理の部分で、マネージャーが期首に個人別の目標項目をメンバーと設定し、その達成度で評価を行うものです。この中にはチーム内での協力を促進する為に、他者へのちょっとした支援をアプリシエーションを管理出来るシステムなどでモニターして、支援を受けたメンバーからの感謝を多く獲得したメンバーを評価するような内容を含める事があります。MBOは多くの企業で取り入れられていると思うので、多くを説明する必要が無いのではと思います。

個人業績(案件コミッション財源)

 個人業績は、文字通り個人がWinした案件に応じて計算されるものです。ここでは、成約案件毎に営業のようにある%がプリセールスコミッション用にプール出来る場合を前提としています。個人と言ってもプロダクト別にチームが分かれ、複数のメンバーが案件に関わる場合は、案件リーダーとして関わったか、支援メンバーとして参画したかで貢献度を変えます。案件リーダーには営業との調整や顧客対応の窓口となる負荷もかかるのでそれを考慮した配分にするのです。案件のコミッション額をこの配分比率で配布する計算を、成約した案件全てに対して行なって、その総和が個人業績コミッションとなるやり方です。営業と異なり、プリセールスの場合は金額的に多く設定する必要は無いと考えますが、困難な案件にチャレンジして大きく成果を出す事にモチベーションが湧くような設定であれば良いと思います。

 言うまでもありませんが、個人の収入になる内容は、非常にセンシティブでフェアネスを求められる内容なので、運用するマネージャー側に常に説明責任が発生する事を理解した上で透明性を持って運用する事が重要です。


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