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High Tech High GSE(大学院)の入学試験

先日のnoteでHigh Tech High Graduate School of Educationへ進学することを書いたところ、多くの人から「アメリカの大学院に行くにはどんな試験があるの?」という質問をいただきました。そこで今日は、実際に僕が受けた大学院の試験をシェアします!

<大学院の試験>

  • 書類審査

    • ① エッセイ (Statement of Purpose)

    • ② TOEFL のスコア (Minimum 80)

    • ③ 推薦状

    • ④ CV (レジュメ)

    • ⑤ 大学の成績 (Minimum GPA 3.0)

  • 面接試験

    • ⑤ビデオ面接 (録画形式)

    • ⑥zoom面接 (2~3回)

<大学院の受験資格>

学校現場や教育業界で、3年以上の実務経験があること

基本的に、他の米国の教育大学院と大きな違いはありません。HTHの特徴としては、TOEFLやGPAの基準は低く、代わりに面接があることが大きな特徴です。教育者としての経験や哲学が大きなウェイトとして問われる試験内容となっております。(意外と、修士試験で面接が求められる大学院は少ないです)

① エッセイ (Statement of Purpose)
簡単に言うと、「なぜ大学院に行きたいの?」という作文です。大抵の大学院で核となる試験です。学校によって具体的なお題があまり与えられないこともありますが、HTHのお題は尖っております。2023年に出されたお題を簡潔にまとめたものがこちらです。
1. あなたの教育者としてのゴールは?HTH GSEでどのようにそれを達成しますか?
2. あなたの思う「深い学習」とは? 実際に自身が作り上げてきた教育と共に説明しなさい
3. 生徒の多様性に配慮した教育を"共創"するためには?

②TOEFLのスコア 
英語が得意でない日本人にとって、一番大きな壁になるのはこのTOEFLでしょう。4技能各30点で120点満点のテストです。多くの米国大学院では100点を求められることが多いですがHTHの最低基準は80点と、非常に低く設定されております。
僕は初めての受験は49点でした。そこから1年間毎月100時間以上勉強して、最終的には99点を取りました。

③推薦状
大学教授や上司などからの推薦状です。多くの大学院は3通必要ですが、HTHは最低1通でもOKです。
僕の指導教官は既に退職されており、専攻も教育と異なるため、10年近くお世話になっている大学教授に依頼させていただきました。もう1通は、新卒で入社したMIYACOの上司に依頼しました。(お二人ともご快諾いただき、本当に感謝です!)

④CV (レジュメ)
細かな違いはあれど、日本でよく使う履歴書のようなものです。

⑤大学の成績
日本の大学でもGPAが算出されますが、大抵は米国と計算方法が異なります。World Education Services(WES)というアメリカの非営利組織に、日本の成績表を送って米国式の成績に変換してもらう必要があります。(GPAは米国式だとスコアが上がることが多いです。)

⑥ビデオ面接
お題に対して、決められた秒数以内の動画で録画する方式の試験です。何度でもリテイクすることができたので、合計5時間ぐらい動画を撮っていた気がします(笑)。
・あなたの人生について3分で話してください
・あなたの教育者としてのビジョンは?そのビジョンを達成するためにはどのようなリーダーシップが必要?
といった質問をされました。

⑦zoom面接
面接は複数回ありましたが、メインは入学審査官3名による面接でした。雰囲気は和やかでしたが、非ネイティブの僕にとっては英語力のボロが出ないように必死です(笑)。
・なぜ今の仕事をしているの?
・HTHで何を学びたい?
・どんなメンターの元で学びたい?
などを聞かれました。エッセイやビデオ面接を通じて、思考をまとめられていたため、回答はしやすかったです。
英語力に自信がない場合は原始的ではありますが、想定質問と自分の回答を練習しておくことはオススメです。僕はオンライン英会話で模擬面接を20回ぐらいやりました!

以上、僕の代の入学試験をシェアしましたが2024年以降の受験に興味がある人はぜひHTH GSEの公式HPで最新の情報を調べてみてください。

<受験を終えて>

「あなたはどんな教育者なの?」「教育者として何がしたいの?」と向き合い続けた受験期間でした。僕はGlobal Teacher Programの話をして、おもしろくないと思われたらきっとその大学院には合わないだろうと割り切っていたので、毎回の面接でGTPの話は全身全霊でプレゼンをしてました。推測ですが、zoom面接のためにパワーポイントで資料を用意してきた受験者は、僕の他にいなかったのではないかと思います(笑)。幸い、GTPはHTHの先生たちにも面白がってもらい、無事に合格をいただきました!アメリカの大学院受験は、本当に総力戦だなと感じます。TOEFLのような筆記試験の力、自分の情熱やビジョンを伝えるプレゼンテーション力やライティング力、効率的に情報収集をする力。全てが求められます。明確に禁止されていることや倫理・法律に触れることを除けば、何でもやってみる精神が大切ですね。
あと、志望校の在学生や卒業生に直接相談できるかどうかも非常に重要です。志望校に限らず、大学の地域や学問領域が近い学校の院生や卒業生のアドバイスも大変参考になります。僕自身、スタンフォードの大学院で教育学を学ぶ友人に毎月相談をさせてもらったり、当時現役のHTHの大学院生であった友人にエッセイを添削してもらったり、、、彼らの協力なしに進学をすることは難しかったと思います。合格した後も、HTHの大先輩に渡航前の相談をさせていただいたり、本当に感謝です!受け継いできたバトンを次の人たちにも渡せるよう、もしHigh Tech High GSE(大学院)に挑戦したい人がいれば、連絡をいただければできる範囲でお力になれればと思います。

HTHに興味がない人でも、「アメリカの大学院受験ってこんな感じなんだ!」と興味を持ってもらえれば嬉しいです。


<最後に>

アメリカ大学院留学にあたって、留学サポーターさんを募集しております!詳しくはこちらのnoteをご覧いただけますと幸いです。



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