(第20回)心理的不安とメンタルケア構築について(自己の心理状況の把握に努めよう)


前置き:とにもかくも悪循環の流れを一度食い止めて平穏を取り戻す事ができる仕組みと思考を手に入れる


第14回で障害者として生活を安定させるために必要な事として、私なりの考えを基にやっておくといいとを項目立ててお話ししてきました。
今回はその中の一つで心理面の対策のお話しになります。
個人的な経験上の話にはなりますが、網膜色素変性症を患って以降は、視力低下と視野狭窄の進行と、仕事や生活上の支障が出たり、将来への不安が重なって常に憂鬱な状態だった辛い経験がありました。
ネガティブな精神状態のもと、日常生活において今までできていたことができなくなり、不便なことや困り事に対して不満とイライラを募らせてしまいました。
こんな状態が続き、常にイライラしている。または些細なことですぐに怒りを覚えるというような精神状態に陥っていました。
そんな状態でいると家族にも辛く当たったりと、とにかく悪循環の一途を辿っている状態でした。
今思えば不安や悲しみなどのネガティブな感情から逃げるために怒りの感情で不安や悲しみを覆い隠していたんだと思います。平常心を失っていたと言ってもいいかもしれません。
怒って周りに辛く当たって周りも辛くなってが続いてもう大変でした。
半ば自分の振り返りみたいな内容ですが、お読みいただいているみなさんにとって何か少しでも参考になる部分があれば幸いです。

・安定した精神状況を取り戻す、維持するために必要と私が感じる三つのこと

完全に自己流で、科学的根拠に基づいて主張するような話ではないので、有効性については人それぞれになってしまうかもしれませんが、私なりに思う三つの対策をお伝えします。
・自己の心理分析を行い、自己の心理状態を正確に把握し、コントロールを図る。
・交流会等で悩みや不安を共有する。話を聞くだけでもOK。
・休職や休業の検討する。とにもかくも安静は大事。
それぞれの項目について後ほど詳しくお話ししていきたいよ思います。

・自己の心理分析を行うようになったきっかけは「テレフォン人生相談」

ラジオ番組で「テレフォン人生相談」という番組があります。
番組名の通り、相談者の悩みを聞いて、パーソナリティーや専門家が回答するというもの
これが個人的には自己の心理分析を行うのにすごく役立ちました。
悩み相談にありがちな回答者からの「わかるよ」というような共感だけで終わるような形ではなく、相談者の本心や無意識の心理の根幹に深く切り込む回答をしています。
悩みの裏に隠れている潜在的な深層心理を指摘して、無意識の内にあった感情の根幹を意識化させて自覚を促すことで相談者自身にとっての幸せな生き方を考えるきっかけを与えています。
自分は何がしたいのか、どう生きたいのか、何を求めているのかなどを明確にして、幸せに生きていくためのヒントを教えてくれます。
・頑張ることが最善ではない。
・誰かのために頑張ることがその人にとっては幸せとは限らない。
・自らの幸せは人それぞれで、誰かと生涯を共にすることも、独りで生きることもどちらをとっても幸せに生きることはできる。
・何もできない事が不幸なのではなく、不幸だったと思って生きていくことが不幸である。
半ば哲学的な思考になってしまうかもしれませんが、多くの相談と回答を見ているうちに私は精神状態が多少は楽になり、冷静に自分を客観視して少しだけ落ち着いた精神状態で過ごす事を維持できるようになった気がします。
かといって、じゃあ今自分の人生観がポジティブなものかと問われると決してそうではないですが、ネガティブな状況から抜け出せる足掛かりは見えてきているかなという感じです。
その足掛かりもまあまあ些細なことで崩れてまた落ち込んだりは今後も度々あるとは思いますが、一時休止しながらまた足掛かりみつけて歩いていけそうなら歩こうかな、という感じです。
(※後日追記)
この記事の公開当初、動画サイトに公式チャンネルがあるかのような記載をしておりましたが、誤りでした。認識不足により誤った情報を書いてしまい、申し訳ありませんでした。
該当箇所は修正させていただきました。

・テレフォン人生相談を聴いているうちに感じた自己流の心理分析

心の持ち方については数式のように全てに当てはまる答えというのは存在しないと思っているので、こうすればいい!と断言できるものがないのが個人的には非常に悩ましいところなのですが、私なりに言えるのは、とにかくテレフォン人生相談の番組を聞いて頂きたいということです。
いろんな相談事例に触れてみて、回答者の指摘をご自分に当てはめて見ることでその人なりの心の持ちようみたいなものが形作られていくと思雨からです。
1つの相談は大体15分弱です。日常の隙間時間とかにちょいちょい見る感じでいいと思います。
私が個人的に最も参考になると感じているのは回答者の加藤諦三さんのお話です。
物事や心の奥底に隠れている本質の部分を的確に捉え、指摘してくださっています。
書籍も色々出されており、精神衛生の管理など、セルフコントロールにおいて非常に学びになる事が多いと思います。

・交流会等の参加で悩みや情報を共有する

SNSなどで視覚障害者団体や当事者コミュニティが交流会としてLINEのライブトークやZoomなどで交流会をしているところがあります。
一度そういったところに参加してみるといいかもしれません。
積極的に発言はしなくても、他の方が割と色々お話ししてくださることが多いのでお話を聞いているだけでもとても得られるものが多いと思います。
私の経験上の話ですが、他の方のお話を聞いていると、私が聞いたり質問したわけでもないのに、私が抱えてきた大きな不安とか悩みとかをお話しされていました。
その言葉に共感を覚えるとともに、「ああ、私だけじゃなかったんだな、こんなにしんどい思いをしていたのは」とすごく安心感を覚えました。
皆さんのお話を聞いているだけでも、心が結構軽くなると思います。
一度だけでも、試しに参加してみてください。
X(旧ツイッタ)でわりかし開催の告知を呼びかけているところが多いと思います。
どのアカウントをチェックしたらいいかは、先日投稿した記事にいくつかアカウントの紹介を兼ねて載せていますので参考にしてみてください
リンク:第15回 情報収集アンテナ構築について

・休業や休職の検討

私の経験上として強くお伝えしたいのですが、もしお勤めになられていて休業や休職の制度が利用できそうであれば躊躇なく利用した方がいいと思います。
理由はいくつかありますが、まず一番に休養は何より大事だという事です。
今までにお話ししたように視覚障害になると、まずやらなければならない事が多すぎます。それも多岐に渡るので何をどう手続きするとか、何が利用できるとか、ゼロから調べなければなりません。働きながらそれらをこなすなんて本当に大変です。病んで当たり前と言っていいくらいです。
とにかく休みは必要です。
メンタルクリニックや心療内科には、一度だけでも受けておいてください。
初診療でメンタルクリニックや心療内科を受けようとすると、1か月以上は待たされる事が多いです。初診療では時間をかけて心理状態の鑑定やら医師のヒアリングなどまとまった時間を取る必要があり、予約してもじゃあ明日来てくださいとは中々ならないのが実情です。
一度初診さえ受けておけば再診はいつでも割と受けられるので、今しんどくなくてもとりあえず受けておいた方がいいと思います。
そして、しんどくなった時は医師にしんどいと、朝起きれない、不安で眠れない。仕事を続けられるか自信がないと伝えてください。医師は休職のための診断書を書いてくれます。
それを持って勤め先に提出してしばらくお休みしましょう。周りの事や迷惑をかけることを気にしてしまうかもしれませんが、あなた自身の生活が何より大事です。人生何十年の間の数ヶ月くらいの休みはむしろ必須です。
その休みを持って自らの生活基盤と精神衛生をできるだけ整え、これからの人生を生きていくための力を蓄えてください。まずは生きてみて、生きる意味は後から考えられるようになります。究極的に言えば生きる意味なんて考えなくてもいいと私は思ってます。死ななければいい。やりようはあります。
制度上許される最大限の期間休みましょう。
少し休んで、障害手帳とか障害年金とか申請して、歩行訓練を受けて、情報収集をしましょう。これらができていると後々の生活に本当に生きてきます。

・あとがき:とにかく自己の心理の分解・分析を

自分が物事に対してどういう感情を抱くのか、どれくらいストレスを抱えるのか、何かをした後や感じた後は自身の瀬因子状態がどうゆり動いていくのかを把握する事が非常に大事だと思います。
病気を患って、進行する症状の中では特に精神の揺れが大きくなりがちで、不安定になりやすいです。
自身の精神をなるべく安定にするテクニックを身につける事。自身の精神が安定すればこれからの事も落ち着いて一つずつ考えていくこともできるはずです。
一つずつ、一つずつ目の前のものを一個ずつ片付けていく感覚で歩みを進めていけるようにマインドをほんの少しだけ前に進めていきましょう。
一歩でも、半歩でも進めばそれだけで万々歳です。
心理面のお話と言っておきながら洗面的でもない自己流の経験談みたいになってしまいましたが、1ミリメートルでも読んでいる方の心に火っっかかるものがあればいいなと思って今回の記事を投稿いたしました。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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