(第25回)喋る点字ブロック:QRコード付き点字ブロックブロックによる音声ナビアプリの「shikAI」体験談

点字ブロックに印字されているQRコードを読み取るアプリ:shikAI


「ShikAI」は、東京メトロとLINKX株式会社によって開発されたiPhoneアプリです。アルファベット小文字でエス、エイチ、アイ、ケー、大文字でエー、アイです。シカイと読みます。
点字ブロック内にマーキングされているQRコードをこのアプリでスキャンすることで、改札やトイレ、乗り換えなどの目的地への道のりを音声でアナウンスしてくれます。
現在、都市部の一部の駅がQRコード付き点字ブロックが設置されており、設置する駅は順次拡大されています。

このshikAIを、東京の大手町駅で体験してきました。
結論から言うと、非常に便利で、迷うことなく乗り換えができました。実際にどのように使用したのかをレポートします。

まずはshikAIアプリをダウンロードしてアカウント登録


まず、shikAIアプリを事前にiPhoneにダウンロードしておきます。
そしてアプリを一度起動します。アカウント登録を求められますので画面の指示に従ってメールアドレスなどを入力し、登録を完了させます。

東京の大手町駅で、東西線から千代田線の乗り換えにて利用。乗り換えルートは長くて少し複雑な道


そのあとは実際に駅で使用しました。
今回、大手町駅で利用したルートは東西線大手町駅から千代田線への乗り換えです。
この乗り換えは、そこそこ距離があり、大体400メートルくらいはあったかと思います。
ルートも若干複雑で、東西線大手町駅のホームに降りて、中野駅方面のホームの端から少し手前のエスカレーターを登り、100メートルくらいを直進して右折して10メートル進み、左折して数十メートル直進します。
途中に階段があり、その後さらに直進して右折し、階段を降りたら千代田線ホームです。
この長いルートは、おそらく、大手町駅を初めて訪れる視覚障害の方だと迷うというか、不安になる道のりかと思います。
長い距離を進んでいるうちに「こっちで合ってる?」となるかも知れません。

電車を降りたらホームの中程からshikAIアプリを起動して近くにある点字ブロックに向けてスマホを向ける。

大手町駅に電車が到着し後に電車を降り、数歩進んでから他の人と動線がぶつかりにくい場所に移動してその場でスマホを取り出し、shikAIアプリを起動します。
起動したらQRコードのスキャンを求められます。
先ほど降りてきたホームドア付近の床にはけQRコードが印字された警告ブロックがありますのでそちらへ向けてなんとなくスマホをかざします。
するとスマホがQRコードを読み取り、現在いる駅がスマホ画面に表示されます。
VoiceOverでも読み上げまれました。
表示されている「大手町駅」の項目を選択します。
次に目的地の項目が表示されますので行きたい場所を選択します。
この目的地は複数表示され、乗り換え先の路線や、改札、トイレ、触地図や近くの店舗なども選択することができます。
目的地を選択したあとはスマホの音声アナウンスに従って進んでいくことになります。

アプリで目的地を選択するしたあとは音声アナウンスに従って進む。QRコードを読み込むたびに都度アナウンスしてくれる。

アプリで目的地を選択したあとはアプリがQR子コードを読み込むたびに次の QRコードが印字されている警告ブロックまでの道のりを教えてくれます。
「直進4メートル」
「右折3メートル」
「左折6メートル。この先線ブロックが緩やかにカーブします」
「この先登り階段。26段あり、途中少し踊り場があります。」
と言う風にアナウンスしてくれます。
方向と距離だけでなく、緩やかなカーブや階段の段の数まで丁寧にアナウンスしてくれます。
警告ブロックに着く度にQRコードのスキャンでアナウンスしてくれることと、道の情報を丁寧にアナウンス知れくれる事が非常に大きな安心感を与えてくれます。
スマホをなんとなく地面に斜め前にかざしておけばスキャンしてくれるのでスマホでスキャンさせなければという意識も必要なく、歩行に集中できる点もお安心感に繋がります。
余談ですが、私はいつでもスマホを持っている手を離しても大丈夫なように、首からかけるスマホ用のポーチを使用しました。
shinさんの動画で障害されていたアイナビ用に使用でkるスマホケース付きの首掛けポーチです。動画のリンクを貼っておきます。
リンク

間違った方向に進んだらちゃんと訂正ルートもアナウンス

使い勝手を検証する意味も兼ねて、わざと間違ったルートを進んでみました。
分岐点となる警告ブロックで「直進4メートル」とアナウンスされた場所でわざと右折。
右折した先にある警告ブロックのQRコードを読み込ませたところ、ブーっブーっと短めの連続バイブレーションとともに「誤った方向に進んでいます。4メートル後退」とアナウンスされました。
アナウンスに従って後退して、その先の警告ブロックのQRコードを読ませると再度正しい道をアナウンスしてくれるのでそれに従って改めて進みます。
ナビに従えば絶対に目的地に辿り着くという安心感とこれさえあれば駅で迷わなくて済むという安心感が本当に心強かったです。

shikAIの対応駅もっと増えてほしい。

今回このアプリを試してみて非常に子便利でした。
国交相が2024年に改正する予定の公共交通施設における合理的配慮に関するガイドラインにおいても、施設設備面での合理的配慮の一つとしてshikAIの普及が挙げられています。
おそらく今後も対応駅が増えていくと思いますが、とにかくもっと対応する駅が増えてほしいと思いました。
そしてこのshikAIがなぜ、こんなにも便利で適格なナビを行えているのかを、自分なりに考察した感想を次回の記事に投稿したいと思います。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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