MTGのデッキ作りの過程を記事にしてみた。(1.準備)

はじめまして。しんくんです。
趣味はマジック・ザ・ギャザリングです。
最近では専ら友人とEDHを楽しんでいます。

本アカウントでは、私がデッキ作成する過程を何回かの記事に分けて投稿していきます。
今回は、その第一回になります。

誰かがデッキを作成する際の脳内や手順を覗いてみたい・・・というお時間に余裕のある方、お付き合いくださると幸いです。

まずは私がデッキ制作に利用するサイトや記事をご紹介します。

まず、晴れる屋さんのデッキ構築機能です。デッキ構築を行ったらそのまま購入できる素晴らしいサイトです。

次に、EDHのデッキ構築の初心者向け記事です。こちらも晴れる屋さんから出ているものです。

なお、記事を執筆しながら参考サイトが増える可能性はありますが、悪しからず・・・作成記なので・・・

1. デッキテーマを決定

まずは、どんなデッキを作成するか決めます。
私がデッキを作成するときは、作りたいテーマが決まってから着手することが多いですが、テーマの内容は毎度様々です。

テーマの前に、私の最近の心境について記します。

  • 最近似たようなデッキ(生け贄能力を活用する)ばかりを作っていた。しかも、友人に指摘されるまで似たり寄ったりの自覚が無かった。自覚がないのが恥ずかしい・・・!もっと別の動きをするデッキを作ろう。

  • これまで作成したデッキを見返してみると、コントロールに寄った構成ばかりだった。思い返してみれば、どんどん殴っていくデッキをEDHに限らず使った記憶がない。受けやメタを意識したデッキばかり。

  • いつからこうなったのだろう・・・MTGを始めたころは、デカいクリーチャーを素早く展開してどんどん殴っていくデッキを好んで使っていたはずなのに・・・

  • 帰ろう・・・あの頃に帰ろう・・・

これを受けて以下のテーマが決定しました。

  • ラノワールのエルフ、ヤヴィマヤの火、ブラストダームを採用し、あの頃に帰る。

  • クリーチャーのアタックによってライフを奪うことで勝利を目指す。40点削るか、統率者のみで21点削るかは問わない。

  • 生け贄、無限コンボは用いない。

2. デッキ制作手順の確認

デッキテーマが決まったら、デッキの作成手順を確認します。
先頭に貼った初心者用記事によれば、デッキ制作方式にはトップダウン型とボトムアップ型があるようです。

テーマが既に決まっているのであればボトムアップ型で作るのが良さそうですが、あいにく私はトップダウンで作らないと考えがまとまりません。

すなわち、統率者を決定して、統率者にマッチするように残りの99枚を選択していく方式です。

3. 統率者の決定

先日、友人とカードショップ(晴れる屋)で遊んできました。
みんなの目的は、最新パック・カルロフ邸殺人事件です。

私の目的は、もちろん運命の出会いです。
テーマに合う伝説のカードが並んでいないか、ショーケースをくるりと見て回ります。
しかし本日の神様はセコかったようで・・・良い出会いは得られませんでした。

こんな日もありますが、仕切り直すには私の心は逸りすぎていました。
デッキを作りたくて仕方ありません。
幸い、最新パックが出たところでしたので、そのカードリストからテーマを満たす統率者を探すことにしました。

条件を満たすカードとして、議事会の顎、ヴォジャと地震土竜、アンズラグがピックアップされました。

議事会の顎、ヴォジャ


地震土竜、アンズラグ

どちらも良さそうでしたので、ダイスを振って決めることにしました。
ダイスの結果、議事会の顎、ヴォジャを統率者にすることにしました。

これで、100枚のうち4枚が決まりました。

4‐1. 統率者の性質を分解

性質リスト

議事会の顎、ヴォジャの能力を詳しく紐解いていきます。
おそらく、ここからパズルを解くような制作技法の話が続くと思います。
まずはテキストの確認です。

カード名 議事会の顎、ヴォジャ
色 白,赤,緑
コスト (2)(R)(G)(W)
カードタイプ クリーチャー
サブタイプ 
カードテキスト 警戒、トランプル、護法{3}
議事会の顎、ヴォジャが攻撃するたび、あなたがコントロールしている各クリーチャーの上にそれぞれ+1/+1カウンターX個を置く。Xは、あなたがコントロールしているエルフの数に等しい。あなたがコントロールしている狼1体につき1枚のカードを引く。
パワー・タフネス 5 / 5

これを細分化していきます。
この情報がデッキ制作の大きな指針になるため、思いつく限りの情報を洗い出します。
また、洗い出しが終わったら、重要度が高いと考える順に並び替えます。
順序付けの基準は、自身の感覚です。

以下は、並び替えまで完了した性質リストです。

  • エルフの数が参照される。

  • 狼の数が参照される。

  • 攻撃するたび能力が誘発する。

  • すべてのクリーチャーに+1/+1カウンターを置ける。

  • カードが引ける。

  • 色が3色。

  • マナコストが高め(4マナが基準と考えている)。

  • 警戒。

  • 護法3。

  • トランプル。

  • フィジカルは十分なサイズ。

所感

次に上記の性質リストから、所感を得ます。

まず、能力そのものがデッキの中心に据えられるほど強力です。

  • すべてのクリーチャーに+1/+1カウンターを置ける。

という能力を十分に発揮させるだけで、40点のライフを削るというテーマを満たせそうです。21点の統率者ダメージは普通にプレイして達成できるか微妙なので、狙っていく場合は能力とは別の切り口を持ったサポートが必要です。

次にヴォジャにどの程度頼れそうかを検討します。
統率者を中心に据える場合、頼り切りになることへのリスクを検討します。

以下4点が要点です。

  • すべてのクリーチャーに+1/+1カウンターを置ける。

  • 攻撃するたび能力が誘発する。

  • 護法3。

  • マナコストが高め(4マナが基準と考えている)。

マイナス要素として、能力の発揮に攻撃が必要なため、相手に妨害のチャンスを多く与えること、除去を受けるとマナコストの高さが重くのしかかってくることが挙げられます。
プラス要素として、護法3のおかげで単体除去は受けづらいこと、一度攻撃できればヴォジャ以外を永続的に強化した状態まで持ち込める(そいつらで勝負できる)ことが挙げられます。

私の総評として、かなり頼り切った構築にして良さそうに思います。別の勝利手段を用意する必要はないけれども、プレイングと構築はある程度意識してヴォジャの負担軽減に努める必要がありそうです。

4-2. 採用カード枠の確認

カードにはそれぞれデッキ内での役割がありますが、各役割を何枚ずつ採用するかはいつも悩みの種になります。

私は、EDHではデッキの挙動が不安定なことが一番良くないと考えています。2人で対戦する場合、引きが悪かったから即投了して次のゲームに進めます。4人対戦ではそうはいきません。
引きの悪いプレイヤーは狙われづらい傾向にあるとは言え、自分も相手も、つまらない時間は限りなく減らすように心掛けたいです。

そのため、カード配分は初心者用サイトのバランスを基準に考えるようにしています。先頭に貼ったサイトです。もう一度貼りますね。

上記記事から、必要な情報を抜粋します。
デッキは、以下のカード配分を基準に構築します。
あくまで基準ですが、デッキ構築のスタート地点とし、迷ったときにはここに戻ってくるように心がけています。

土地 35枚
マナ加速 10枚
カードアドバンテージ源 10枚
除去 10枚
全体除去 3枚
シナジー 30枚
《太陽の指輪》 1枚

5. カード採用枠の調整

さて、4-2. にて採用カード枠の確認をしましたが、この枠に4‐1の情報を掛け合わせ、統率者の性質にマッチした枠となるように調整をします。

このとき、デッキに組み込む戦術の検討/採用も同時に行います。採用する戦術に応じて、枠の調整が発生するからです。
逆に、枠に収まるか収まらないかを考えることで、戦術の採用/非採用を検討できます。
・・・実例が無ければ伝わり辛い考え方と思いますので、読み進めて頂ければ効率的です。

では、まずは統率者の性質リスト参照して、採用カード枠に落とし込む作業をします。
カード枠に影響しそうなのは、以下の情報です。

  • マナコストが多め(4マナが基準と考えている)。

マナコストを確保するために、土地かマナ加速の枚数を増やしたいです。
増減をどの程度にするかは感覚によるところも大きいのですが、5マナまで安定してストレートに伸ばせるようにするには、デッキ内のマナ総数が半分以上は欲しいところです。

  • カードが引ける。

カードが引けるので、アドバンテージ源の枚数も減らせそうです。
デッキに採用する狼の枚数に依存しそうですが、0枠までは減らせなさそうです。
また、アドバンテージ確保を優先する展開として、ヴォジャが除去されて再展開にはマナが足りず、土地を引きに行く必要のある展開が想像されます。
クリーチャーのパワー分のカードを引く・・・というようなカードよりも、ヴォジャがいない盤面でもしっかりプレイできるカードを優先したいです。

また、以下の性質から、シナジーとしてエルフと狼のクリーチャーが定義できそうです。

  • エルフの数が参照される。

  • 狼の数が参照される。

上記を盛り込んだ枠が以下です。

土地 38枚 (35→38)
マナ加速 12枚
 (10→12)
カードアドバンテージ源 5枚 (10→5)
除去/サポート 10枚
全体除去 3枚
シナジー(エルフ/狼) 30枚
《太陽の指輪》 1枚

また、デッキテーマに沿うならば、除去より自身の展開を優先したいです。
そのため、除去を減らして、サポート枠としています。
サポート枠は、シナジーとは分けます。
デッキの根幹となるシナジーが発揮できている前提で有効に働くカードをサポート枠と定義します。
シナジー枠が無い状態でサポート枠+ヴォジャを使っても、効果が薄いカード群ということです。そういうカードは、シナジー枠を削らずに枠を用意します。

そろそろ盛り込む戦術を定義します。まず、現在思いついている戦術をリストにします。

  • エルフにはマナを出せるものが多いため、マナ加速枠をエルフで賄う。

  • 多相という能力がエルフと狼を兼ねられるので、相性が良さそう。

  • 追加の戦闘フェイズを得るカードによって、ヴォジャの誘発回数を増やす。

  • 速攻能力の付与によって、攻撃の回数を増やす。

  • 2段攻撃を付与すれば、統率者ダメージ21点が狙えそう。

  • +1/+1カウンターが大量に乗るので、シナジーのあるカードを採用したい。

上記のうち、上2点が特に良さそうだったので、早速採用枠に反映します。下4点は、前述のシナジーとサポートの定義により、サポートに分類されます。たとえば、エルフがいない状況では+1/+1カウンターが乗りません。
しかし、どれもあれば強力なものの、ゲーム中に絶対1回は使わないと勝てないとか、ヴォジャ以外のカードとも複雑にシナジーを形成するカードではありません。気まぐれに1枚2枚、採用するようにしても良さそうです。

土地 37枚 (38→37)
マナ加速/マナエルフ 20枚
 (12→20)
カードアドバンテージ源 5枚
除去/サポート 13枚
 (10→13)
全体除去 3枚
シナジー(エルフ/狼/多相) 20枚
 (30→20)
《太陽の指輪》 1枚

マナ加速の枠にエルフを含めるようにして、シナジーと共有できることを考え、大きく増枠しました。
その分、シナジーの枠を減らして、マナ自体も豊富になったので、土地も1枚減らしました。シナジーとマナ加速/マナエルフ枠が合わせて40枚あることを考えると、除去/サポートの枠も増枠して良いように感じました。3枠増やしています。

これなら考案した戦術のうち1つくらいは、気まぐれに採用でなくしっかりとした枚数を採用できそうです。
そのうち、

  • 速攻能力の付与によって、攻撃の回数を増やす。

が良さそうに思いました。理由として、

  • 攻撃直前のターンに相手の除去を打たれなくなる。

  • 全体除去を受けた際に、出し直してすぐに殴りに行ける。

  • 警戒が生かせる。

  • マナエルフの召喚したターンにはマナが出せない欠点を補うこともできる。

  • 既に採用が確定しているヤヴィマヤの火が速攻付与カード。

が挙げられます。
特に、ヴォジャの除去に対してアグレッシブな耐性を獲得できる点を評価しました。
マナエルフのことも考慮すると、1体に速攻が付与されるカードより、全体に速攻が付与されるカードが望ましいです。

また、しっかり枚数を採用するため、速攻が付与されることを前提にシナジー枠のカードを採用して良さそうです。タップが必要な起動型能力の評価を1ランク上げたり。
7枚か8枚、採用することにしたいです。

ここまでを総括して、デッキの採用枠は以下とします。
また、全体除去について、ここまでクリーチャーを採用するデッキでクリーチャーの全体除去は採用しづらいので、エンチャント・アーティファクトに対するものが優先されます。

土地 37枚
マナ加速/マナエルフ 20枚
カードアドバンテージ源 5枚
除去/サポート 6枚
速攻付与 7枚
全体除去 3枚
シナジー(エルフ/狼/多相) 20枚
《太陽の指輪》 1枚

6. 最後に

今回は、デッキを作成するための準備として、カードの採用枠を作成しました。
次回は、この枠に合わせてカードを探して採用していく記事になります。

自身の考えを順を追って文書化することで、脳内はクリアになったように感じます。
しかし、他人が読むことを思えば・・・非常に冗長になったように思います。

一度見直しましたが、文書を書くというのは中々難しいものです。

ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。

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