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木の高さをどう測るか①

 この秋は「立木調査」といって、山の決められた範囲内に立っている木の太さや樹高を計測する仕事が多くなっています。流木(リュウボク)じゃなくて立木(リュウボク)です。

 ここで算数の話になりますが、直径と高さが分かれば木の体積が求まります(V=πhr^2, 実際には木の幹は円柱型ではなく、上に行くほど細くなるため、公式は単純には当てはまりません)。

 加えて、木は真っ直ぐに立っているようでいて実際は曲がりがあったり少々の腐りが入っていたりするものです。そこで、「形質」といって木材としての利用価値の良し悪しを4段階でパッと見で判断します。

 こうして読み取った一本一本の①直径②樹高③形質―に対して、樹種ごとの木材価格を反映させれば、素材として見た時の山の価値がざっくりと分かるという仕組みです。①②③を測定し終えたら、木に目印の番号を次々と振りいっちょ上がりです。

近場の山や登山道に立つスギやヒノキにこうしたラベリングがあれば、過去に立木調査が行われているという事

 ちなみに、計測は範囲内に立つすべての木を測るいわゆる全数調査(1ヘクタールにつき約1000本。10ヘクタールいかないくらい踏査しました)と、範囲内の面積の5%ほどを計測して母集団全体を代表させるいわゆる標本調査の2種類があります。

 ここまで、本題に入る前の前置きになりました。次回の投稿で、樹高測定の仕組みについて考えていきたいと思います。

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