ぜんまいまきまき

ぜんまいまきまき

最近の記事

『クローズアップ』(今野敏・著)

2024.05.27読了。 今野先生の作品は、トリックや犯人はすぐわかるようにしてあることが多い。でも今回はわからなかった。えっ、て声出た(笑) それでいて、やっぱりテーマはしっかりあって、2013年の作品だけれど、全然古びていない。テーマは、「ニュースの中立性」。そもそも「中立」とは誰が判断するのだ、という根本的な問いと、それに対する答えまで用意されている。客観的中立なんて存在しない、存在しないからこそ、常に自分に問わねばならない、本当に中立なのか、と。中立がどの地点か

    • 『成瀬は天下を取りに行く』(宮島未奈・著)

      2024.05.26読了。 ホームゲーム行き帰りの電車でサクッと。 この主人公、既視感あるな…ってよくよく考えたら、『隠蔽捜査』の竜崎さんに似てる(笑)

      • 『ヴィクトリアン・ホテル』(下村敦史・著)

        2024.05.19読了。 お風呂のお供に、ちまちま読む。途中まで何も起こらず、でもそれぞれのエピソードがおもしろいので、淡々と読んでいた。ら、終盤でその「淡々」の理由がガンガン押し寄せてきて、ダーーーーッと最後まで読んでしまった。感想はもう「やられたー!!!!!」しかない(笑) いろいろヒント(というか設定)はあるのだけど、全部自然なエピソードだから、全然気づかなかった…。あれもそれもこのためか、って騙された悔しさ楽しさに地団駄踏みながら読み終えた。もしかしたら読み直す

        • 『犬がいた季節』(伊吹有喜・著)

          2024.04.11読了。 最高の小説を読んでしまった。 学校という特殊な環境の3年間。各時代の大きなトピックを背景に、物語が進む。40代以上なら、きっと共感できるはず。 若いからこそ一瞬で距離を詰められる関係。逆に離れていく関係。それらが年を経て、いろいろなことがあって、尖った部分が失われずにでも丸くなって、言わない後悔を経験することで、言えなかったことを伝える努力をするようになって、何年も何年もかけて、また近づく関係。 いくつになっても、明日が楽しみだ、と思うような

        『クローズアップ』(今野敏・著)

          『異世界居酒屋のぶ』1〜18巻

          2024.05、半月かけて読了。 とんでもない酒テロ飯テロ漫画です。ダイエット中は禁忌。なにより揚げものが食べたくなります。揚げもの愛にあふれている。唐揚げサイコー!!!!! いつも普通に食べてしまう枝豆も、言われてみればふしぎ楽しい食べ物だなぁ、と感じたり。ちょっと肌寒い日の熱燗いいなぁ、と仕舞っていたお猪口セットを出してきたり。嗚呼、居酒屋がわたしを呼んでいる…!「トリアエズナマ」文化は、外国語の辞書に載るくらいの勢いで輸出していきたいところです!! 移動中やお風呂

          『異世界居酒屋のぶ』1〜18巻

          『一夜 隠蔽捜査10』(今野敏・著)

          2024.05.09読了。 やっと図書館予約の順番が回ってきて読むことができましたー!読み始めたら、あっという間。はやくも11が待ち遠しいです。 犯人は半ばあたりで分かるようになっているのですが、このシリーズは犯人当てやトリックが目当てではないので、問題なし。ネット社会の熟成と、テレビの影響力と腐敗、大学という時間、文学について、などなど、社会問題についても触れられています。 そしてなにより毎回楽しみなのが、竜崎部長の変わらない唐変木ぶり、愛されぶり、伊丹さんのと掛け合

          『一夜 隠蔽捜査10』(今野敏・著)

          『七つ屋志のぶの宝石匣(21)』(二ノ宮知子・著)

          2024.04.11読了。 恋愛方面がさっぱり進んでいなかったけど、やっと進展しそう。東のアキちゃんの態度にイライラして、完結するまで読むのやめようかとも思っていたので(笑)西のアキちゃんも良いヤツっぽくて、応援しちゃうぜ。

          『七つ屋志のぶの宝石匣(21)』(二ノ宮知子・著)

          『回帰 警視庁強行犯係・樋口顕』(今野敏・著)

          2024.03.31読了。 樋口夫妻の出身校は、上智大学だったのですね。 照美ちゃんの成長が頼もしい(笑)

          『回帰 警視庁強行犯係・樋口顕』(今野敏・著)

          『アンダードッグス』(長浦京・著)

          2024.03.31読了。 香港の地図を片手に読めば、もっとおもしろかったのかなー。でも、香港の地理がわからなくてもじゅうぶんおもしろかった。主人公の大胆さと優柔不断さが、とても魅力的。アクション小説は苦手だけれど、主役の性格で最後まで引っ張ってもらった。 アジアのごちゃごちゃ感が、住むのはいやだけれど、ちょっとうらやましい。遊びの部分がたくさんある方が、どんな人でも生きやすい気がする。 99年香港返還を社会の授業で習ったとき、中学生だった。91年ごろだ。「まだまだ戦争

          『アンダードッグス』(長浦京・著)

          『廉恥』(今野敏・著)

          2024.03.24読了。 今年の目標は、週に一冊は読む、で、ここまで順調だったのだけど、先週は危なかった。土曜→水曜→日曜とサッカー観戦。全力で遊びすぎました(笑)今週はのんびりします。 さて『廉恥』。 いきなり美人女性キャリアが登場。おお、樋口さんもこの人にメロメロになってしまうのか…と憂いていたのですが、大丈夫でした!ほっ。今野先生の家庭描写、すごく好き。氏家さんがあこがれるのも分かる。 ストーカー被害について、知らないことだらけだったので、勉強になった。今はま

          『廉恥』(今野敏・著)

          『ビート―警視庁強行犯係・樋口顕―』(今野敏・著)

          2024.03.17読了。 タイトルは、物語のキーマンが熱中しているダンスを表している。そのため、ダンスの描写がとても多い。この作品をとおして、ダンスやダンスに真剣に取り組む人々の素晴らしさについて書きたかったのだろう。このころは、パリオリンピックの競技になることも、日本の体育の科目になることも、予想だにしなかったはず。今野先生の先見の名に脱帽。 また、そうやって流行の最先端をいきながら、親子関係という普遍のテーマを盛り込んで来るところもすごい。島崎さんがなぜ最後の最後ま

          『ビート―警視庁強行犯係・樋口顕―』(今野敏・著)

          『リオ―警視庁強行犯係・樋口顕―』(今野敏・著)

          2024.03.14読了。 いまいち没入できない安積班をあっさりあきらめ、樋口顕シリーズへ。こ、こちらも暗いぞ!竜崎さんがいかにバランスの取れた根暗か分かる(笑)安積氏のネガティブさが村雨さんひとりにネチネチ向かうのに対し、樋口さんのそれは、ひたすら自分へと向かっている。これなら読めそう。 シリーズの一作目で、いきなり女子高生にドキドキする情けないおじさまとして描かれてしまった樋口氏。揺れてもいいんだ最後に理性的な判断をすれば、という結末と、奥様はお見通し、というところは

          『リオ―警視庁強行犯係・樋口顕―』(今野敏・著)

          『キネマトグラフィカ』(古内一絵・著)

          2024.03.10読了。 最後の解説文まで、とても良かった。『タスキメシ』は選ばれなかった人々のお話だけど、『キネマトグラフィカ』は選ばれた人の話だ。選んだ仕事に選ばれたからといって、つらいことが無くなるわけでもなく、理不尽も無力感も、自分で選んだからこそ逃げることができない。そうやってがんばってきた行き着く先…。 自分たちの若かった頃と比べて、今の環境の良さを、羨むこともある。結局ここまでか、と思うこともある。でも、今をつくってきたのは私たちだし、他人の評価はどうでも

          『キネマトグラフィカ』(古内一絵・著)

          『二重標的 東京ベイエリア分署』『硝子の殺人者 東京ベイエリア分署』(今野敏・著)

          2024.03.07あたり読了 2024.03.10読了。 『虚構の殺人者』が図書館になく、飛ばして読んだ。『二重標的』はまだ世界観に入りきれず、なかなか進まなかった。『硝子』が合わなかったら、このシリーズは読むのを止めようと思った。けど、おもしろかったので、続行決定。 『隠蔽捜査』の竜崎さんも、この安積さんもネガティブ。ただ、竜崎さんのネガティブさがカラッとしていてチャーミングなのに対し、安積さんはどんよりしていて、自己嫌悪もひどくて、読んでいてちょっと憂鬱になる。速

          『二重標的 東京ベイエリア分署』『硝子の殺人者 東京ベイエリア分署』(今野敏・著)

          『審議官 隠蔽捜査9.5』(今野敏・著)

          2024.03.03読了。 大森署のこと半分、神奈川県警になってからが半分。竜崎さんを囲む人々の内面が描かれるこのスピンオフシリーズ。9巻のその後も描かれているので、やはりシリーズの順番通りに読んだ方が良い。 阿久津さんの内心は、まだわからない。貝沼副署長のことは、わりと早く書いてくれた気がするけど、どうだったかなぁ。また読み直そう。次のスピンオフでは、阿久津さんが何を考えているかわかりますように。 はやく10巻読みたい!

          『審議官 隠蔽捜査9.5』(今野敏・著)

          『清明 隠蔽捜査8』『探花 隠蔽捜査9』(今野敏・著)

          2024.03.01読了。 こんなに早く再会するとは!(嬉) しかも合同捜査本部。何度も「うちの子に無体を働いたなプンプン」と言う竜崎刑事部長に、困惑しつつもちゃんと反省する伊丹氏。いやー、楽しすぎる。警視庁とはまた違う神奈川県警の事情も見えて、シリーズ新章も期待大。 2024.03.02読了。 往復の電車の中で読み終わってしまった。 前作よりも、より神奈川県の事情が反映された作品。前回は華僑、今回は米海軍。どちらも事実上の治外法権。刑事部長になって権限は増えたけれ

          『清明 隠蔽捜査8』『探花 隠蔽捜査9』(今野敏・著)