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香港留学記 #25

気づけば3月も後半に入って、香港はめちゃ暑い。ここ最近は半袖で過ごしてる。日差しも強くて、急に夏が来た感じ。冬が恋しい。

ICUの欠点

これは特別今週感じたことでもないんだけど、香港大学での生活で時々困ることがある。"自分何を勉強しているの問題"だ。

大学内外で出会う初対面の人との会話でのあるあるがこれ。

相手「何学部?」
自分「教育学部だよ」
相手「どの教科教えるの?」
自分「いや、教育学部だけど先生になるわけじゃないんだよね」
相手「へー。じゃあ何を勉強してるの?」
自分「副専攻は公共政策だから、教育行政とかかな」

これで終わればいい。でもこの前、「例えば?政策って?」って突っ込まれて苦しんだ。正直、「そう言われましても、、、」って感じで。

前提として、ICUを選んだことは大正解だったと思ってる。ICUに入ったおかげで、価値観・考え方が良い意味で変わって、英語もある程度使えるようになって、今こうして交換留学もできてる。なんかもう慣れすぎて何とも思わないけど、普通の純ジャパの高校生だった自分にとっては結構な大成長。

でも、入る前から分かってたけど、ICUの大きな欠点の1つが専門性の低さ。ごはんで例えるなら、バイキング形式で色んなとこから自分にとっておいしそうなものだけ取るから、最終的にお皿を見た時に、なんのまとまりもないものが敷き詰められてて「ナニコレ??」ってなる感じ。食べ合わせもくそもない。今まで教育と公共政策を中心に授業を取って、それなりに真面目に頑張ってきたけど、いざ「じゃあ具体的には何を勉強してるの?」「あなたの専門分野は?」「何についての知識があるの?」って聞かれると、回答につまる。

もちろん、その分興味関心に合わせてなんでも勉強できるからトレードオフではあるし、そもそもリベラルアーツカレッジだから専門性高めたいなら大学院行けばいいし、大学1年次の時間の多くを英語学習に使うからしょうがなくもあるし、卒論書き始めたら自分の専門も尖ってくるとは思うんだけど。

まあ良い悪いは置いといて、そりゃアメリカスタイルのカリキュラムだから日本でも香港でも浮くよね。

懐かしいICUのバカ山。
また友達と寝っ転がって無駄な時間を過ごしたい。

グローバルとは

これも別に特別今週感じたことじゃないんだけど、香港に来て改めて思うこと。

"グローバルってなんだろう?"

国際系の学生団体で活動してた時も何度もこの問いにぶちあったたけど、結局納得いく形で言語化できていない気がする。

具体例で考えてみて、まず「香港はグローバルか?」

個人的には、想像してたよりもグローバルではなかった。香港人はゴリゴリに広東語を使ってるし、英語が通じないことは割と日常茶飯事(これに関しては自分の英語力の問題もあるけど)。ローカルなお店に入ると、英語表記のメニューがないことなんてしょっちゅう。もちろん、日本に比べたらよっぽど英語は浸透しているけどね。

次に、「香港大学はグローバルか?」

これも、想像していたよりもグローバルではなかった。よく留学生と「思ってたよりグローバルじゃないよね」って話をする。っていうのも、みんな民族・国籍ごとに群がりがちで。寮でもキャンパスでも、香港人は広東語でわいわい騒いで、韓国人は韓国人同士で固まって、インド人も結構大きなコミュニティがあるっぽくてよく群がってる。インスタを見ると、ヨーロッパからの留学生たちは彼ら同士で遊びに行っていて、さらに面白いのがアジア系ヨーロッパ人、カリブ系ヨーロッパ人って感じでその中でも似た者同士で群がりがち。そして、例にもれず日本人も群がってる。自分は大人数苦手+狭く深くなタイプだから日本人との交流が多い方ではないけど、1番仲いいのはやっぱり日本人。もちろん、周りで民族・国籍を超えて親しくしてる人たちはいるし、自分も日本人以外の友達もいるけどね。

これについては、リーディングウィークに一緒にインターンをした韓国人の留学生が熱弁してくれた。彼は、この民族・国籍の壁がすごく嫌らしく「内向的とかそういう性格的な問題じゃなくて、ただ単にコンフォートゾーンから抜け出すの避けてるだけだよ。意思の問題だよ」って。ぎくり。「内向的だから」を理由に人間関係を広げないことを正当化しがちな自分にもだいぶこの言葉は刺さった。

おんなじことがICUにも言える。ICUってグローバルな大学として知られてるけど、それも自信を持って肯定はできない。もちろん、ほとんどの生徒・教員がレベルに差はあれど英語を使えるし、様々なバックグラウンドを持った人がたくさんいて多様性があるのは確か。でも、"英語が使える"のと"英語を使う"のは別問題だし、"多様性がある"のと"その多様な人間が交流する"のは別問題。実際、自分の場合授業外で英語を使う場面なんてほぼないし、日英バイリンガルの友達はたくさんいても(というかほぼみんなそう)日本語を全く使わない友人はいない。

結論、英語を使えるっていうスキル面の話は大前提で、それを満たしたうえで欠かせないのがグローバルなマインドだと思う。突き詰めていくと、たぶんグローバルとはそこまで関係ない「コンフォートゾーンから抜け出す勇気」「思いやり」「好奇心」とかになってくる気がする。

なんかグローバルを良いものって前提で書いてきちゃった気がするけど、学生団体でよく先輩に詰められてた「そもそもグローバルの何が良いの?」「グローバルが正しいの?」っていう問いも見落とされがちだけど考えるべきだよなあ。

全く関係ないけど、帰宅ラッシュ時の駅構内の様子。
混みすぎ。

なんか批判ばっかになっちゃったけど

なんか香港、香港大学、ICUの批判だらけになっちゃったけど、別にどれも嫌いなわけじゃない、ってか好きだし、特にICUは普通に大好きな母校。改めて自分の考えを言語化できて、今回のnoteは自分にとって結構有意義だった。

来週から4月ってやばいな。3月は本当に秒だった。

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