岩井圭也

小説家。このnoteでは「活字ラジオ」と題して、音声入力で作成したコラムを2023/6…

岩井圭也

小説家。このnoteでは「活字ラジオ」と題して、音声入力で作成したコラムを2023/6/17から毎日投稿しています。毎朝7時更新。5/15新刊『われは熊楠』刊行。

マガジン

  • 活字ラジオ 2024年5月

    2024年5月分の活字ラジオです。

  • 活字ラジオ 2023年9月

    2023年9月分の活字ラジオです。

  • 活字ラジオ 2023年8月

    2023年8月分の活字ラジオです。

  • 活字ラジオ 2023年10月

    2023年10月分の活字ラジオです。

  • 活字ラジオ 2023年11月

    2023年11月分の活字ラジオです。

最近の記事

  • 固定された記事

このnoteについて

小説家の岩井圭也といいます。 このnoteでは「活字ラジオ」と題し、音声入力によって作成した1000字前後のコラムを2023年6月17日から毎日更新しています。 岩井圭也について 作家。1987年生まれ。大阪府出身。 2018年、『永遠についての証明』で第9回野性時代フロンティア文学賞を受賞しデビュー。2023年、『最後の鑑定人』で第76回日本推理作家協会賞(長編および短編集部門)候補、『完全なる白銀』で第36回山本周五郎賞候補、『文身』でKaBoSコレクション2024金

    • 仕事は思いもよらないところから舞い込んでくる

      こちらの亜紀書房の連載で話しているんですが、過去に一度だけスランプっぽい状態になったことがありまして。ここでスランプと書かないのは、「その程度のつまずき、スランプとは呼べない!」というお叱りの声が幻聴として聞こえているためです。 詳しくはここに書いてある通りなんですが、専業作家になった年=2年前の秋に、張り切って原稿を書きすぎた反動なのか、小説を書くのが楽しくなくなってしまったんですよね。僕は基本的に原稿を書くのが好きな人間で、そこが原動力になっている面もあるんですが、面白

      • アボカドへの信頼

        アボカドってあるじゃないですか。僕はアボカドに対して、少し前まであんまり信頼を置いてなかったんですよね。だいたい、サイコロ状に切ってサラダに入れるとかって食べ方をしてたんですけど。なんか、今ひとつ腑に落ちないというか。「本当に食べ方あってるのかな?」っていう感じが拭えなかったんですよね。 アボカドって熟し具合によって食べ心地も全然違うじゃないですか。未熟だと硬くて青い味がするし、熟しすぎてるグジュグジュになって食感が悪いし。熟し具合の見極めが難しい、ちょっと気難しい野菜なの

        • 書店がなければ作家は成り立たない

          祥伝社文庫から出ている『文身』の重版が決定いたしました。3刷です。この小説は昨年11月、KaBoSコレクション2024という勝木書店グループ主催の賞で金賞をいただいたんですけれども、その受賞以来、勝木書店グループでの『文身』の売り上げが2000冊を突破いたしました。 勝木書店さんにはずっとお世話になりっぱなしで、今年に入ってからもサイン会をやらせていただいたり、本当に暖かく応援していただいてます。その結果としての売り上げ2000冊達成ということで、とても感動してます。 書

        • 固定された記事

        このnoteについて

        マガジン

        • 活字ラジオ 2024年5月
          31本
          ¥500
        • 活字ラジオ 2023年9月
          30本
          ¥500
        • 活字ラジオ 2023年8月
          31本
          ¥500
        • 活字ラジオ 2023年10月
          31本
          ¥500
        • 活字ラジオ 2023年11月
          30本
          ¥500
        • 活字ラジオ 2023年12月
          31本
          ¥500

        記事

          全体小説へのあこがれ

          最近よく、単一の主題で社会や人間を描くことの限界について考えます。 僕が今まで書いてきた小説は、基本的に単一の主題(テーマ)について、エピソードを書き連ねていくやり方なんですね。デビュー作の『永遠についての証明』であれば、熊沢と瞭司という2人の登場人物がいて、その2人の視点を通して身辺の出来事を描いていく。そこで扱われているテーマは「研究の喜びと苦悩」という単一のテーマです。おそらく、現代小説の大半は同じく単一テーマに沿って書かれていると思うんですけれども。 過去作のなか

          全体小説へのあこがれ

          新人時代に考えていたこと

          昨日公開されましたけれども、今村翔吾さんのYouTubeチャンネルに出演させてもらいました。何回かに分けて公開されるようで、今回のテーマが「新人の時に考えた方がいいこと」。20分くらいの動画ですので、よかったらご覧ください。 この動画を見ながら、改めて新人時代のことを思い出していたんですが。当時心がけていたことをひとつ思い出して。「声をかけてくれた編集者を絶対に逃がさない」っていう心構えでやってはいましたね。 どういうことかというと。デビューした時、編集者がものすごく多忙

          新人時代に考えていたこと

          時間という資源のつかいかた

          西村佳哲『自分の仕事をつくる』(ちくま文庫)という本に、次のような一節がありました。 この言葉を読んだ時、最初に思い出したのは「就職活動」のことで。就活というのは、まさに「仕事を買う」ための行為です。学生だった頃のぼくは、就活で失敗すると仕事が手に入れられなくなるという意識がありました。だからこそ必死でエントリーシートを書いたし、札幌から何度も東京に通って説明会に参加したり、面接を受けたりしていました。 その時に差し出しているものは、学生時代という貴重な時間の一部でした。

          時間という資源のつかいかた

          歴史小説と場面の選択

          昨日は朝9時から「渋谷のラジオ」に出演させていただきました。パーソナリティは双子のライオン堂の店主・竹田信弥さんでした。最新刊『われは熊楠』のことであったり、私が小説を書き始めた経緯であったり、50分にわたって色々とお話をさせてもらいました。その様子はこちらのnote記事から全部聞くことができますんで、よろしければお聞きください。 竹田さんとお話をさせてもらいながら色々と考えたんですけれども。『われは熊楠』という小説で一番大変だったのは、「何を切り捨てるか」だったな という

          歴史小説と場面の選択

          小説を書くことは実験である

          この記事はマガジンを購入した人だけが読めます

          小説を書くことは実験である

          マガジン限定

          思いつきと帳尻合わせ

          学生時代は「計画性や実行力のあるちゃんとした大人が社会を回していて、学生生活とはかけ離れている」と思っていました。けれど、実際に社会に出てみるとそうでもなかったです。サラリーマンとして10年、作家としても6年仕事してきましたが、社会はほとんど「思いつきと帳尻合わせ」で回っているんだなということがよくわかりました。

          有料
          100

          思いつきと帳尻合わせ

          ぼくが好きな「笑い」の作品

          本日はいただいた質問にお答えしていきたいと思います。なお岩井へのご質問はこちらから、いつでも、どなたでも、どんな内容でも投稿できます。(質問の採否は岩井にお任せください) 今日お答えする質問はこちらです。

          有料
          100

          ぼくが好きな「笑い」の作品

          建築家と小説家の共通項

          先日『負ける建築』を読んだのがきっかけで、隈研吾さんの文章をまとめて読んでいまして。今読んでいるのは『建築家、走る』(新潮文庫)という本です。

          有料
          100

          建築家と小説家の共通項

          小説家という泥臭い仕事

          全ての仕事がそうだと思うんですが、小説家もやはり泥臭い作業がつきもので。というか、仕事のうち99%は泥臭い作業だと思います。ぼくらの主な仕事は原稿を書くことなわけで、一人きりになってひたすらパソコンを叩いたり、原稿用紙を埋めることによってしかできないので、非常に地味な日常ですし、華やかさとは程遠い毎日です。

          有料
          100

          小説家という泥臭い仕事

          SNSとの距離感

          ただの偶然だと思うんですが、最近Twitter(現・X)で見かける投稿が殺伐としてることが多いなと感じます。Twitterの治安が良くないのは今に始まったことではないんですけどね。あと最初に断っておきますが、それぞれの投稿内容について何か語るつもりはありません。

          有料
          100

          SNSとの距離感

          ブランクーシ展に行きました

          先日、東京駅のアーティゾン美術館でブランクーシ展に行ってきました。

          有料
          100

          ブランクーシ展に行きました

          37歳という年齢

          今日5月24日は僕の誕生日でして、37歳になりました。こんなおじさんの誕生日を公表してもしょうがないんですけれど、これも一つのエッセイネタということで、勘弁していただければと思います。

          有料
          100

          37歳という年齢