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タイのプー(ニムニム)パッポンガリー

 現地の料理を楽しみたいなら”そこの駐在員に聞け”とはよく言われる事。自身が堪能するのは勿論、来訪者を連れて行ける安くて美味しい店を確保するのも業務の一つ、中には代々の駐在員間で引き継がれている処もある。

 前回まで取り上げて来たポルトガルとは少々異なり、タイの店のレベルはピンキリなので、先ずはちょっと小ぎれいな店のお話から・・・

 バンコクで日本人がたくさん住んでいるスクムビット通りのSoi23の奥にあるバーンカニタ、ここは現地の人や観光客も訪れる有名店。蚊が苦手な人は冷房の効いた店内が無難だが、なま暖かい夜風に吹かれながら素敵な庭園でゆったりと食事するのもまた一興。

 ここのお勧めは、まずソムオーのサラダ。ソムオーは表皮が緑色の大きめの夏ミカンって感じ、厚い皮をむいて甘酸っぱい中身をほぐして野菜と混ぜ合わせたとても上品なサラダで絶品。

 もうひとつは、脱皮したばかりの蟹を使ったプーニムニム(柔らかい蟹の意)のパッポンガリーで、通常の硬い殻がないのでカオソアエ(タイの香り米)とカレー風味の蟹の身や野菜を一緒にパクパク食べられる。辛さとコクが絶妙で現地のビールともよく合い、食べ始めると会話が途切れる。

 勢いで、値段の表示されていない海老を注文したことがある。出て来たのはプーケットで獲れたという大きなロブスター。ちょっと焦げたホワイトソースが香ばしくてとても美味しかった。が、いざ支払いとなり目が点になった記憶があるので、時価には要注意❢❢

 二軒目は、同じくスクムビット通りSoi23の入口近くにあるプアンゲーオ。駐在員御用達とも言える店で、いつ行っても日本人の客がほかにもいるって感じがするが、とても落ち着いた安心できるお店。

 タイの定番料理、パックブーンファイデーン(空心菜の炒め物)やヤムウンセン(春雨サラダ)など何を食べてもとっても美味しい。ただし、後者は慣れない出張者にとってはちょっと危険な食べ物。

ヤムウンセン

 プリックという名の細長い緑色の唐辛子が細かく刻まれて入っているので、気付かずに口に入れて噛むとピリッときて暫く辛い。これを”地雷を踏む”と呼んで、出張者の表情の変化を楽しんでいた駐在員もいたとか・・・

 食事後は生ぬるい空気の中を歩いて数分のところにあるソイカーボーイ(通り)へ訪問者を連れて行くのがお定まりのコース。バンコク中心部にある有名なパッポンほどの規模ではないが、近場で十二分に同様な異国情緒と喧騒を楽しめる歓楽街である。

 こうしてバンコクの夜は静かに更けてゆくのであった。因みにどの店もカタカナ入力で検索できるので、興味があればご確認ください。


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