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第12回 華の為に、林檎は齧られる

こんにちは、株式会社ビブレンスでIT &クリエイティブ部門を担当するSTです。
ここのところ、ずっと音楽やどうでもいい話が続いたので、そろそろ真面目にITやテクノロジーの話を(笑)

さて、中国ではここ数年伸びていたiPhoneの売り上げが落ち込み(最新のiPhone15も売上ダウン)、それに変わってファーウェイのMate 60 Proがバカ売れしてますね。ファーウェイのお膝元である中国国内とはいえ、Mate 60 Proの人気とコストパフォーマンスは圧倒的です。
ここ2年ほどファーウェイはアメリカ主導のチップ使用の制裁に苦しんだわけです。
また、それに伴ってアメリカは中国のメーカーには7ナノのチップでさえ作れないと踏んでいたわけですが、実際には今回のファーウェイMate 60 Proでは7ナノのチップを搭載。
どうやってチップとその製造方法を入手したのかは分かりませんが、もちろん自力で技術力を高めたのかもしれません。いずれにしろ、高を括っていたアメリカは驚くとともにショックを受けたと思います。

いま思えば去年の夏には中国の半導体メーカーSMICがインテルすら苦戦した7nmチップを大量生産し世界第3位相当のファウンドリへ急成長している実態が判明していました。

また、もともとファーウェイはアメリカの制裁を受ける前から、すばらしいスマートフォンを製造していましたね。ライカとコラボして魅力的なカメラを搭載したり、オーディオにこだわったり。

現在、世界で最先端のチップはiPhone15 Proなどが搭載する3ナノのチップになります。製造しているのは台湾のメーカーである台湾積体電路製造(TSMC)です。
日本では、40ナノ未満を作ることはできず、世界から10年遅れているとされています。
ちなみのこのTSMCは熊本に今年から稼働する半導体工場を建設中ですね。
熊本で製造されるのは最先端の3ナノではなく、また、現在圧倒的な世界シェアとなっている5ナノや7ナノでもありません。製造するのは22~28nmプロセス。そこらへんの裏事情はまた別でお話ししたいと思います。

さて、話をファーウェイに戻します。
ファーウェイ製のルーターは日本や欧米をはじめ世界中で使われていましたが、数年前にアメリカが規制や圧力をかけて、使用が減りました。
理由はファーウェイ製のルーターを使うことでいろんな情報が中国へ流れていくから、というものです。

まさにハイテク戦争、IT戦争の時代ならではのことですね。
ご存知の通り、いまやアメリカvs中国という構図なわけです。

ここからは個人的な見解になりますが、バックドアからの個人情報や機密情報の把握に関しては、中国のみならずアメリカも同様、もしくはそれ以上のことをしてきているのが現実だと思います。
エドワード・スノーデンの暴露然り、ずっとこの何十年も世界のあらゆる公的情報も個人情報も牛耳ってきたのはアメリカです。
そこに中国が技術と力を持って台頭してきて、いよいよそれを恐れるようになったアメリカがファーウェイなどへの制裁を始めたということだと思います。

さて、この情報戦争、IT戦争に最終的に勝つのはアメリカなのか中国なのか、はたまた別の国なのか?!
もちろんGAFAMであれ(いまやMATANA)、すべてアメリカの企業になりますが、今回のファーウェイのように中国メーカーには作れないだろうと思っていたものが、気がつけばハイクオリティーに製造できるようになるなんてのはこれからたくさん出てくると思います。
この数十年、何から何まで世界の工場として鍛えられてきた中国のスピード感と底力は半端ないですから、アメリカは油断できないでしょう。

いずれにしろアメリカの中国に対する半導体規制によって中国は自国で優れたチップを製造せざるをえなくなったわけで、それが今回のような状況になりましたね。なるべくしてなった結果。
アメリカ依存することなく、中国がもう自国でチップ製造ができるとなると、、アメリカ、、焦ってるのではないでしょうか。

僕は、アメリカと中国や各国が競い合ってこそ、世の中におもしろい物や状況が生まれるのではないかと期待しています。
武力戦争はウンザリですし論外ですが、ハイテク戦争はガンガンやってほしいですね。
ただ、ハイテク技術というのは総じて軍事のために開発されるというのが常でもありますが、、

そして、もう完全に日本は遅れに遅れてしまって蚊帳の外というのが残念でなりません。
IT、ハイテク後進国となってしまった日本の未来に可能性はあるのでしょうか?
日本発で世界を席巻するガジェットが出てきたりしてくれるとワクワクするんですけどね。もうそれは難しいのか?!

ちなみに売れに売れているファーウェイMate 60 には独自のHarmonyOSが載っています。
当初はAndroidベースだったHarmonyOSも、2.0からはLinuxベースのカーネルに差し替えられ、アップルがAirDropやAirPlay、ユニバーサルコントロールで目指している世界観が、HarmonyOSでは同じことを、より洗練された操作で、幅広いデバイスで可能な世界をすでに実現しています。

最後に、調査会社BCIがこのほど発表した2023年11月(W44〜48)の中国ハイエンドスマートフォン市場のメーカー別シェアでは、米アップルの「iPhone」シリーズは、前年同期比で21%の減少で、辛くも50%強を守っていますが、昨年23年1〜6月のシェアは67%に達していました。
また、中国スマホ市場全体でもアップルはシェアを減らす一方で、国内メーカーの小米(シャオミ)、栄耀(Honor)、華為技術(ファーウェイ)の3社が着実にシェアを伸ばしています。
23年12月4〜10日(W49)は、シャオミが16.3%で首位に立ち、アップルは15.9%で2位、Honorとファーウェイはいずれも15.8%とアップルに肩を並べています。

そして、アップル製品に関して詳しく有名なアナリストであるあのミンチー・クオは、24年のファーウェイのスマホ出荷台数は23年の2倍近く!に増加し、少なくとも6000万台になるとの予測してますね。

いやー、技適OKならばファーウェイMate 60 Proも使ってみたい!

とまぁここまで書いて、なんですが、ファーウェイのスマホが中国国内でバカ売れってのも若干といいますか一種の情報操作なのかな?!とも疑ってしまいますけどね(笑)

それではまた来週! Just Rock It !

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