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自分の今後が不安なあなたへ。「死なないノウハウー独り身の「金欠」から「散骨」まで(雨宮処凛:著)

土曜日の早朝、母が救急搬送された。子宮体がんで子宮を全摘出後、尿管にステントを入れていたのだが、ステントが詰まり、膀胱に尿が溜まって苦しんでいたのを父が見つけ、救急車を呼んだ。午前6時。近くの病院でステントを抜き取る手術をした後、近くの泌尿器科に応急処置をしてもらい、現在、バルーンカテーテルで対応している。次は月曜日にかかりつけの病院で診てもらう予定がある。

その日は一日、母がぐったりと疲れほぼ寝たきり、夕食を私が作った。たまたま弟が実家に帰って来たので、弟と話し合いをした。

弟曰く、現在は遠方で一人暮らしをしているが、いずれ地元に戻る予定。仕事のあても探している。若い頃は女に溺れて借金を作っては父に立て替えて貰っていたが、今は落ち着いて独身を貫いている。元々、家族の中で一番地頭が良く、要領も良いしっかり者なので、いざという時は必ず役に立つ。ぜひとも帰ってきて欲しいと私も思う。家族の中で唯一自動車免許を持っていない私は、いざという時、何の役にも立たないからだ。

もし母が健在で、弟が帰ってくるめどが立てば、私が家を出ることになる。私が決めた。生活保護を受けてアパートを借りるなり、障害者用のグループホームに頼るなり、どうとでもするつもりである。

世の中、私のように帰る実家はあれど部屋を弟に譲る為、いずれ自分から家を出る低収入の障害者もいれば、毒親から逃げ続け、ネカフェ生活を強いられたり、経済的困難からホームレスとなった人がたくさんいる。そんな人たちがどうやって生きていけるようにするか。その為の生活保護があるのだが、実際にどうやって申請すればいいのか分からない人も多いだろう。そんなあなたにお勧めしたい本がある。



死なないノウハウ ー独り身の「金欠」から「散骨」まで 雨宮処凛:著(光文社新書)

死なないノウハウ 雨宮処凛 | 光文社新書 | 光文社 (kobunsha.com)

実は生活保護対象者なのに、知識が無く誰も助けてくれなかった為、命を落とすケースが結構な数で実在する。今私がこうしてノートPCに文を書き込んでる間にも、飢えに耐えている人が存在するのだ。この先進国と言われる日本で。

知識も当てもなく、経済的困難やシングルマザー、DVや毒親から逃げて彷徨う人々の為にあらゆるNPO団体がある。雨宮自身も貧困の末、NPO団体に助けられ、自身も執筆の傍ら「反貧困ネットワーク」団体で活動をしている。

役所に行けば何とかなるっしょ、と気軽に考えてはいけない。こちらから、こういったサービスがあると聞いたのですが、と問いださなければ、向こうから言ってくれることは無い。聞かれてから初めてサービスの案内をするという何とも意地の悪い仕組みなのだが、役所側も日々の対応に追われ、役所側から提案するのが難しいのかも知れない。

「役所に行って、何て言って申請すればいいの?」「どんなサービスがあるの?」「家賃が払えない」「医療費が払えない」といったさまざまな疑問と解決法を出来る限り記載されたのがこの本だ。ハードカバーでなく新書なのもいい。1000円超えしない価格で購入できるからだ。

この書では、経済的困難に陥った人に積極的に生活保護を受けるよう勧めている。そこから生活を立て直し、就職して生活保護なしでやっていけるようになったケースも存在している。

生きていくうえで切っても切れないのが、お金・仕事・親の介護・健康・トラブル、そして死。これらについての「生きていくためのノウハウ」がここには書かれている。

何でもかんでも書いたら営利妨害になるので、ここでは、DV男や毒親に居場所がバレずにサービスを受けたい人に向けて取り上げる。

まず、配偶者や恋人がDVだった場合、性別問わず「配偶者暴力相談支援センター」に相談できる。暴力から逃れるための住まいや経済的な支援制度の利用などについてサポ-トを受けることができる。
全国共通ダイヤル「#8008(ハレレバ)」に電話を掛けると24時間受付で、最寄りの配偶者暴力相談支援センターに繋がるようになっている。

毒親から逃げたい場合はこちらのサイトを参考にしても良いと思う。これは私が検索して見つけたサイトである。

毒親に関する悩みを相談できる窓口・サービス。対応している相談内容やよくある質問も解説|GARDEN (sendai-counseling.com)

その中から一つ
児童相談所虐待対応ダイヤル「189」
「189」にかけると発信者が住んでいる地域の児童相談所に転送される。匿名で相談・通告できるため、親や周りの人に知られることはない。なお、児童相談所には、相談専用ダイヤル「0120-789-783」からも無料相談できる。

どちらも配偶者や親にバレることなくサービスを受けられる。そして、配偶者や親が戸籍や住民票で自分を探そうとするための対策として、役所に申請すれば戸籍や住民票の閲覧交付を制限する措置を取ることもできる。
役所の住民課で「支援措置をかけたいです」と言えばOK。家族に住民票を見られたくない手続きをしたいと言ってもいい。

DVやストーカー、児童虐待に関係する法律相談が無料、または安く受けられる「DV等被害者法律相談援助制度」もある。


Twitterでは今日も毒親に苛まれ居場所を求めて繁華街を彷徨ったり、ODやリストカットに走ったりする若者がいる。暴力に日々怯えている子供もいる。そんな子たちが少しでも助かりますように、と無力な私は願うしかないが、頼りになるNPO団体がいるという事だけでも覚えていればいいと思う。本当に頼りになるNPO団体は、団体を立ち上げた人が当時被害者だった、というケースが多い。信用できない大人もいるが、信用できる大人もいるんだという事実をどうか知って欲しい。

助けてあげたくても自分のことで精一杯で助けれ上げられない、という良識のある大人の方が多いと私は信じたい。そして、本気で助けたくてNPO団体を作り活動してる大人が世の中には探せばたくさんあることも。

差し伸べる手もなく、自分も生きるのに必死なあなた、今後が不安なあなた、この本を読んで一緒に勉強して、この世を生き抜いてやりましょうよ!
では。




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