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【時代はKOLからKOCへ】コミュニティマーケに重要なKOCって何?

こんにちは!コミュ売れ総研 主任研究員のSHINです!

このコミュ売れ総研ではコミュニティを”科学”することによって、データに基づく再現性の高い手法で、企業や団体のマーケティングやコミュニティ運営の成果に繋げる方法を模索しています。

前回は「コミュニティマーケティングがこれからの時代に重要」というお話をしました。

しかし、コミュニティを立ち上げれば成功する、というほど簡単なものではありません。 そこで今回は、コミュニティマーケティングを成功させるための鍵となる存在、「KOC(Key Opinion Consumer)」に焦点を当てて解説していきます。

例えば、あなたが新しいパソコンを購入しようと考えている場合、友人や家族など「身近な信頼できる人」の意見を参考にしますよね? KOCとは、まさにこういう存在です。多くのユーザーにとって重要な情報源となる「信頼できる人」です。

コミュニティマーケティングを成功させるためには、このKOCの存在が不可欠です。 KOCを理解し、彼らの活動を促進することで、コミュニティを活性化し、そこからの商品購買行動を生み出すことができます。

では、KOCとは具体的にどんな人で、コミュニティマーケティングにおいてどんな役割を果たすのでしょうか?


KOCとはどんな存在のこと?

KOCの定義

KOCは、「自身も消費者でありながら、商品の良し悪しを的確に伝えて、周りの消費者に影響を与える人」です。
ポイントは「消費者であること」「コミュニティ内で会話できる少し影響力のある人」だということです。自分と同じ消費者ではあるものの、商品やそのコミュニティに関して非常に精通していて、その人の発信が他の人の購買行動に影響を与える存在です。

KOCは例えるなら「スポーツチームの熱狂的なサポーター」

スポーツチームにおける熱狂的なサポーターは、KOCに近い存在だと言えます。

・試合会場に足を運び、チームを大声で応援する
・チームに関する情報に詳しく、他のサポーターに情報を提供する
・チームの勝利のために、積極的に活動する

このように、熱狂的なサポーターは、チームにとってなくてはならない存在です。 彼らは、チームの士気を高め、ファンを増やし、チームを勝利へと導く力を持っています。

コミュニティの中で積極的に情報を発信し、他のユーザーから信頼されるKOC。なんとなくイメージはついたでしょうか?

前回ご説明したバズマーケティングはインフルエンサーを中心としたKOL(Key-Opinion-Leader)によってバズを生みます。そんなバズを生むKOLとKOCの違いとはどのような点にあるのでしょうか。

KOCとKOLの違い

KOLは「特定の分野において高い専門性や影響力を持つ存在」と前回説明しました。要するに、SNSで活動するインフルエンサーだと思ってもらえれば分かりやすいです。

特定の分野の最新情報や商品の特徴などを詳しく発信してくれるKOLは、消費者からすると専門家であり、フォロワーの多い有名人なので自分とは「遠い」存在だと感じられます。そのため、有用な情報ではあるのですが、家族や友人からの情報とは異なって、あくまで「赤の他人からの情報」と認識されがちです。

一方で、KOCはあくまで自分と同じ消費者であり、コミュニティ内で日常的にやり取りをしているため、KOLと比べて身近な存在です。身近で信頼できるからこそ、他の消費者の心理的安全性が高まります。そんなKOCからの情報は、家族や友人からの情報と同じように「身内からの情報」と認識されやすく、他の消費者の購買行動に継続的に影響を与えることができます。

KOCがコミュニティマーケティングに重要な理由とは?

では、KOCはコミュニティマーケティングにとってなぜ重要なのでしょうか?
3つの観点から、より詳しく見ていきましょう。

①ユーザーであること [クチコミのリアルさ]

KOCは、専門家や著名人とは異なり、一般のユーザーです。そのため、その意見は非常にリアルです。

例えば、あなたが新しい洗濯機を購入しようと考えている場合、専門家のレビューよりも、実際にその洗濯機を使っている人の口コミの方が重要な情報になっていませんか?

SNSでその洗濯機の欠点を書いている人を見つけて、購入をやめた、というような経験はないでしょうか?ユーザーの「リアルな声」は信頼度が高いのです。

下記の図に記載している通り、口コミの信頼度は非常に高く、購買行動へ強い影響があります。だからこそ、商品やサービスの良い点だけでなく、悪い点も含めてリアルに伝えるKOCの意見は、マーケティングにとって非常に重要なのです。

② 心理的安全性 [日々のコミュニケーションによる安心感]

さらに、KOCはただユーザー目線であるだけでなく、コミュニティで普段からやりとりしている相手です。日々の交流を通じて信頼関係を築いているため、ユーザーはより安心してKOCに相談することができます。

情報があふれ、ステルスマーケティングなども増えている中で、日常的にやり取りをしない他人からの情報はどうしても疑ってしまいます。そんな中でもKOCはリアルな情報を共有する仲間としてコミュニティにいるため、彼らから得た情報には自然と安心感が生まれるのです。

③KOCからKOCが生まれる

KOCの活動は、他のユーザーに刺激を与え、新たなKOCを生み出す可能性があります。つまり、KOCの活動を見て、自分もKOCになりたいと思うユーザーが出てくるのです。

例えば、あるコスメコミュニティで有名なKOCであるAさんがいたとします。彼女は、自身のブログやSNSで、様々なコスメ商品のレビューを投稿しています。Aさんのレビューは、非常に丁寧で分かりやすく、多くのユーザーから支持されています。

Aさんのレビューを読んで、実際にその商品を購入したユーザーの中には、自身もブログやSNSでレビューを投稿するようになる人が出てきました。このように、Aさんの活動によって、新たなKOCが生まれているのです。

インフルエンサーがそうした発信をしていても遠い存在ですが、身近なAさんがやっているからこそ、自分もやってみようという気になるのです。

KOCが増えることで、コミュニティはさらに活性化していきます。その中には多くの人の意見を収集、分析する人も現れ、消費者が自らデータを扱うようになります。その結果を企業にフィードバックしてくれることで、企業はリアルな意見を容易に収集できる可能性があり、効果的なマーケティングに繋がります。

コミュニティのおけるKOCの具体例

もう少しKOCという存在のイメージを膨らませるために、ここでは「釣り」を始めようとする人を例に具体的に考えてみましょう。

少し想像をしてみてください。

あなたはYouTubeで釣り動画を見て釣りをはじめたくなり、一通り道具を集めようと思いました。まずは初心者におすすめの釣具ブランドなどをSNSやメディアを見ながらリサーチをすると思います。

それと同時に「何を買えばいいのかわからない」「アフィリエイト広告やPRというハッシュタグのついたインフルエンサーのコンテンツは少し信用できない」といった悩みにぶつかるのではないでしょうか。

そんな中、たまに釣りに行っている友人から、釣り好きの集まるオンラインコミュニティを紹介してもらい、入ったとします。そこにはSNSのフォロワーは少ない、もしくはSNSなんてやってないけど、釣具にすごくこだわりをもっていて、毎日海に出ている人たちがいます。

あなたがコミュニティに入ると、そんな先輩たちがあたたかく出迎えてくれ、日々釣りに関する雑談などをする中で、初心者向けの釣具セットを教えてくれたり、知る人ぞ知るブランドや釣り場を教えてくれたりと、親身になってサポートしてくれました。

その結果、あなたは釣りを始めるのに最適な道具を自信を持って買うことができました。さらに、一緒に釣りにいく仲間もたくさんできました。

ここで登場する「先輩たち」が、まさにKOCなのです。彼らがいることでコミュニティが初心者でもより学びやすく、居心地の良い場所になります。
SNSでは知り得なかったリアルな口コミや偶然の出会い、「自分のため」に伝えてくれる情報は非常に信頼度が高く、自分もあとからコミュニティに入ってくるメンバーに伝えてあげようという気持ちにしてくれるでしょう。

愛のあるKOCとコミュニティを生み出す

KOCは、コミュニティにおいて重要な存在だということを説明してきました。彼らは、企業と顧客をつなぐ架け橋となり、コミュニティを活性化し、ビジネスの成長を促進します。

ここで大事なことは、KOCはあくまで「ユーザーの1人」だということです。ビジネスライクな冷たい関係ではなく、共通の趣味や価値観を持ったコミュニティにおける、愛ある人間なのです。
だからこそ、企業側はそうしたKOCたちがのびのびと活躍できる環境を作っていく必要があるのです。

KOCがいるコミュニティでは、「普段から関わることによる信頼」「同じものが好きという共感」「積極的なコミュニケーションによるエンゲージメント」など、普通のインフルエンサーマーケティングでは生まれづらい様々な価値が生まれます。

これらの価値こそが、ポストコロナの時代における「寄り添い続ける」マーケティングの本質だと言えるでしょう。KOCが活躍できる環境を整備し、消費者が消費者を支援するサイクルを作ることで、企業は持続的な成長を実現することがでるのです。

コミュニティマーケティングに KOCは不可欠!

このように、KOCとは消費者でありながら、他の消費者にとっても、企業にとっても非常に重要な存在でもあり、コミュニティマーケティングにおいて大きな役割を果たします。

ただし、コミュニティを作ったからと言ってKOCが自然と生まれるわけではありません。KOCを生み出すためにも、コミュニティの作り方や施策が重要です。

そこで、次回は KOCを生み出すためにも重要なコミュニティそのものの考え方である「コミュニティファネル」というものを紹介したいと思います。

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