小林いさむ@公認心理師

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小林いさむ@公認心理師

公認心理師 心理支援の仕事をしています。 心理学の知見や臨床経験から得たことなどを文章にしています。心理学を活かしてより良く生きたいという人に届けたいです。 Webサイト https://www.shinrishi-k.com/

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「0-100思考」になりやすい人の特徴

今回は、「0か100か」の思考になりやすい人の特徴についての話です。 中間がなくて物事を0か100かの状態で考えてしまう思考をこのように「0か100か思考」とか、あるいは「全か無か思考(all-or-nothing thinking)」などと呼びます。 この思考があると、「完璧主義」に陥りやすくなります。 小さな失敗やミスも過大に受け止めてしまい、必要以上に挫折体験を味わったり、挫折したくないために行動自体をしなかったりします。 この「0か100か思考」になりや

    • 「ほどよい母親」になるために大切なこと

      過去の記事『完璧じゃなく「ほどよい」存在でいてあげるということ』で、精神分析家で小児科医であったドナルド・ウィニコットの「ほどよい母親 good enough mother」をについて書きました。 その記事へ、子育て中の母親の方から、「ほどよい母親」について具体的にどうしたら良いのかもう少し詳しく知りたい、というコメントがありましたので今回お答えします。 まず簡単に前述の記事のおさらいから。 子どもにとっての養育者である母親には、 「対象としての母親」と「環境

      • あがらない話し方―文節を意識する―

        今回も、「あがり」の原因の一つと、その対処法について。 人と話すと緊張する、人前でプレゼンをするとすごくあがる、という方は少なくないのではないでしょうか。 緊張せずになるべくリラックスできる話し方を研究していますが、その一つを紹介します。 まず「あがり」の原因の一つは、「交感神経優位」の緊張状態です。 自律神経の副交感神経が優位になるとリラックスした状態になり、交感神経が優位になると緊張状態になります。 緊張すると、心臓がバクバクしたり、呼吸が早くなったり

        • 「あがり」対策―注意を自分から外へシフト―

          今回も、「あがり」の原因の一つと、その対処法について。 これから人前で話さなければいけない、あるいは試合や発表会の直前。 緊張してあがりますよね。 手や声が震えたり、心臓がバクバクしたり、呼吸が早くなったり。 適度な緊張はパフォーマンスを上げますが、緊張が強すぎると自分の力をうまく発揮できなくなります。 なんとかこの「あがり」を対処したいものです。 「あがり」の原因についてと、そのためのエクササイズを一つ紹介します。 「あがり」の原因の一つは、「他者から

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          「あがり」は慣れ親しんだ領域の外で起こる

          今回は、「あがり」の原因と対処法について。 急に話を振られたり、ここぞという正念場に立ったりすると、「あがる」ことってありますよね。 顔が赤くなる 汗をかく 手や声が震える 心臓がバクバクする 頭が真っ白になる そのような反応の頻度が多いと、「あがり症」とも表現もします。 適度な緊張はパフォーマンスを上げますが、緊張が強すぎると自分の力をうまく発揮できなくなります。 なんとかこの「あがり」を克服したいものです。 そこで「あがり」の原因の一つと、その対処

          「あがり」は慣れ親しんだ領域の外で起こる

          うまくいかない時に自分に掛ける言葉「常に平静を保つ」

          今回は、うまくいかない時に自分に掛けている言葉を紹介します。 私の好きな言葉でもあります。 「常に平静を保つ」 という言葉です。 人生がうまくいっていないな、冷静さを失っているな、と思う時にこの言葉を掛けます。 詳しく説明していきます。 医師の日野原重明先生の本に書かれていたと記憶しています。 私がその本を読んだのがずいぶん昔になるので、言葉が正確に合っているかどうか不確かなのですが。 ググってみても日野原先生と紐づいて「常に平静を保つ」という言葉が

          うまくいかない時に自分に掛ける言葉「常に平静を保つ」

          謝り癖は自分の価値を下げてしまう

          今回は、人から見下されてしまう行動についてです。 人から見下されるというのは、当然良い気分ではありませんし、それが続くとメンタルにも悪影響します。 自分が癖のようにてしまうことで、結果として相手から見下されてしまう行動があります。 せめてそのような癖だけでもやめたいところ。 自分の価値を下げてしまう癖の一つと、その理由について説明します。 「謝り癖」 これは自分の価値を下げてしまいます。 明らかに自分に非がある場合は、潔く謝るべきです。 しかし、何か

          謝り癖は自分の価値を下げてしまう

          感情労働とは?ストレスを抱えやすい理由

          今回は、感情労働についてです。 近年注目されている働き方の概念です。 ストレスを抱えやすい労働の仕方とも言われています。 感情労働とは何か、またストレスを抱えやすい理由について説明していきます。 感情労働とは、アメリカの社会学者アーリー・ラッセル・ホックシールド氏によって提唱された概念です。 「肉体労働」や「頭脳労働」と並ぶ第三の労働のあり方です。 それぞれの労働の違いは、何を主に使って報酬を得るかということになります。 「肉体労働」…身体を使って報酬を

          感情労働とは?ストレスを抱えやすい理由

          6分間の読書でストレスが軽減

          今回は、ストレスの解消方法を一つ紹介します。 ストレスの発散方法、解消方法のレパートリーがあると、対策しやすいとされています。 その人に合った解消法をいくつか持ち、その時にできるものをするのが望ましいのです。 今回紹介する解消法が合う人は、ぜひご自身のストレス解消法のレパートリーに入れてみてください。 紹介したいストレス解消法は、読書です。 言わずもがな・・・ 読書がストレス解消になりそうなことくらい、なんとなく想像できますよ、って思われたかもしれません。

          6分間の読書でストレスが軽減

          悪循環から抜け出す「例外探し」

          今回は、うまくいっていない状況を変えるために「例外」を探しましょうという話。 自分の状況はうまくいっていない、悪い状況が続いている。 そんなふうに思って、問題を解決できないときはありませんか。 ブリーフセラピーという心理療法の考え方が、そのような状況から抜け出せるヒントになればと紹介します。 ブリーフセラピーという心理療法に解決志向アプローチという手法があります。 その中に「例外探し」というものがあります。 うまくいかない状況の中にも、小さくても一度でも

          悪循環から抜け出す「例外探し」

          一週間を乗り切るコツ「平日に遊びの予定を入れる」

          今回は、一週間を乗り切るコツについて。 今日は5月6日、連休の最終日です。 カレンダー通りに休めない人もいらっしゃると思いますが、明日から仕事が始まる人は多いのではないでしょうか。 連休明けの仕事は気持ちの切り替えがうまくいかず、ちょっと憂鬱。 もうちょっと休みたいなと思いつつも、次の休みまで乗り切らなければいけません。 そのためのコツを紹介します。 次の週末の予定を入れてしまうことで、その楽しみに向けて気持ちを保たせるという方法もあります。 それで頑張れる

          一週間を乗り切るコツ「平日に遊びの予定を入れる」

          偽解決―対処行動が問題を維持させる―

          対処行動が問題を維持させることがありますよ、という話です。 前回の記事では、家族療法におけるシステムの考え方について書きました。 引き続き今回もシステムについてです。 簡単に前回のおさらいです。 家族療法では、家族全体を一つのシステムとして考えます。 家族を単にそれぞれの家族成員の集まりとは捉えません。 相互に作用し合って、数の総和以上の機能を持つと考えるのです。 家族内で問題があるとされる人をIPと呼んで、その人の問題の改善に注力するのではなく、家族シス

          偽解決―対処行動が問題を維持させる―

          問題をシステムで捉える家族療法の考え方

          今回は家族療法のシステムの考え方について。 私たちは何かの組織などに属していますと、そのシステムの一部になっています。 何か問題が発生している時に個人に矛先を向けるのではなく、システムに問題があるという考え方があります。 家族を対象とした心理療法、家族療法でもそのようにシステムの問題として捉えます。 その家族療法におけるシステムの考え方を紹介します。 所属している組織やチームなどに当てはめて考えても良いかもしれません。 家族療法では、家族全体を一つのシステム

          問題をシステムで捉える家族療法の考え方

          行動指針はシンプルがいい~ブリーフセラピーからの学び~

          自分自身の行動指針ってありますか? 迷った時や問題に直面した時、このような行動を取ろうという自分のルール。 私たちは生きていますと、うまくいかないことや問題にぶち当たることがあります。 そのような時に自分の行動指針を持っていると、解決に向けて進むことができます。 人生哲学と言うと大げさですが、自分のルール。 そのような行動指針は、複雑なものよりもシンプルな方が良いです。 この世界は、実はシンプルだけど自分でそれを複雑に考えて、問題解決を難しくしてしまいがちで

          行動指針はシンプルがいい~ブリーフセラピーからの学び~

          やる気スイッチの「アンカリング」について

          今回は、アンカリングについて。 アンカリングという言葉は、初めて聞くかもしれませんし、聞いたことならあるかもしれません。 自分にスイッチを入れることで、ある特定の気持ちや身体の状態にさせるテクニックです。 よくアスリートの人たちがピークパフォーマンスの状態にするために行なっています。 ・野球のイチローさんの打席前の一連の儀式。 ・ラグビーの五郎丸さんのキック前のポーズ。 ・オリンピック選手の競技前の勝負曲。 ここぞという勝負所でスイッチを入れて、気持ち

          やる気スイッチの「アンカリング」について

          怒りを抑えるために相手の事情を想像する

          今回は、「怒り」を抑える方法を一つ紹介します。 私たちは生きていますと、人との関わりは必須になります。 (言うまでもないですね) そうすると、当然人との間での嫌な思いもします。 自分に非はないのに責められたり、怒られたり、傷つけられたり。 私たちは感情のある生き物ですから、先ずは心が傷つき、反応として怒りが湧きます。 しかしながら、いつまでも自分が怒り続けていても物事は解決もスッキリもしないことがあります。 そのような時は、自分で自分の怒りを抑えることがで

          怒りを抑えるために相手の事情を想像する