読書記録『成瀬は信じた道をいく』①(安定の、素晴らしい続篇!)
本屋大賞受賞の『成瀬は天下を取りにいく』の続編。また成瀬の物語を読める幸せを噛みしめながら。
前作が素晴らしすぎて、あまりにもドハマリしすぎて。続篇を早く読みたいという気持ちと、前作の素晴らしい世界観からズレてしまったらどうしようという不安があり、これはゴールデンウイークにゆっくり読もうと。
数ページ読み始めた段階で、上記の不安は全くの杞憂だと。
本作の成瀬初登場シーン「いかにも私が成瀬あかりだ」という、あまりにも成瀬すぎるセリフから。
主人公成瀬あかりの最高キャラそのままに、話の面白さも展開の予測不能さも、パワーアップしてました。メインの章では成瀬が書き置きを残して失踪するという、本屋さんのポップでその宣伝コピーを読んで、吹き出しました。
まずは全体のざっくりした感想を。
前作と同じく、成瀬あかりという最高の主人公を中心に、多視点(いろんな登場人物目線)での短篇集です。
中でも、クレーマー(をやめたい)主婦という設定。
作者目線で、成瀬という素晴らしく面白い主人公がいて、その面白さを際立たせようとしたときに、どんな登場人物を登場させて、その目線でどんなシチュエーションで成瀬を描くべきか。
毎日どうしても近所のスーパーにクレームの投書をしてしまい、それをやめたいと悩んでいる主婦。そこに、大学生になってそのスーパーでアルバイトをしている成瀬と出会わせる。
この入り組んだ設定とシチュエーションでの、化学反応が素晴らしいのです。
成瀬は本作でも我が道を突き進んでいて、周りの登場人物たちを巻き込み、意図せずその人たちを良い方向に向かわせます。
この作者の人は、物語に幸せパウダーみたいなものを絶妙なさじ加減で振りかけるのが本当に上手で。各話、物語の終わりが本当にフワッと幸せな気持ちになります。
やはり長くなりそうなので、各話のもう少し詳しい説明と感想は、次の記事にて。
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