ちえりとチェリー2

【右脳めし】幼い頃に誰もが持っていたチカラを思い出す|ちえりとチェリー(映画)

『ちえりとチェリー』は、長編パペットアニメーション映画です。
2016年2月から始まったスローシネマ(※)での上映で高い評価を得て、2019年2月15日から全国のイオンシネマ(一部を除く)で二週間限定上映されています。

※「スローシネマ」とは、ひとつひとつの市・町・村その他の地域などで実行委員会を立ち上げ、丁寧に時間をかけながら全国各地のホールや公共施設で上映会を行い、その上映を通じて「地域コミュニティの再生」を願おうとする上映運動です。
共同組合 ジャパン・スローシネマ・ネットワークのHPより】

原作・監督・脚本を手がけた中村誠氏をはじめとする日本人スタッフを中心に、一部のキャラクターデザインをロシアのレオニード・シュワルツマン氏(代表作:チェブラーシカ)、アニメーション制作を韓国の「COMMA STUDIO」が手がけました。

制作スタッフは多国籍ですが、国内製作の長編パペットアニメーション映画はとても珍しいです。

人形(パペット)アニメーションとは

人形アニメ(にんぎょうアニメ)、あるいは人形アニメーションは、ストップモーション・アニメーションの一種で、人形やぬいぐるみを主な被写体とするものを指す。パペット・アニメーションとも呼ばれる。全編を通じてコマ撮りにより撮影される点で人形劇とは区別される(映画人形劇やテレビ人形劇の場合、手法として部分的にコマ撮りが用いられる場合はある)。また、人形などの材料に粘土を使い、さらに変形の自由度を高めたものはクレイアニメと呼ばれ、やはり区別される。
Wikipedia より】

コマ撮りの様子は『ちえりとチェリー』のメイキング映像で見ることができます。
(このメイキングにネタバレはありません)

ストーリー

ちえりは小学6年生の女の子。幼い頃に父を亡くし、母親と二人暮らし。
母親は仕事に忙しく、ちえりの話し相手をしてくれない。
そんなちえりの唯一の友人が、父の葬儀の時に蔵で見つけたぬいぐるみの“チェリー”だった。
チェリーはちえりの空想の中では父親の代わりにちえりと話し、遊び、助言し、守ってきた。
ある日ちえりは、父親の法事のため、久しぶりに祖母の家にやってくる。
そこでちえりを待ち受けるものとは…… 空想と現実の狭間で、不思議な冒険が始まる!
映画『ちえりとチェリー』公式サイトより】

この映画の見所

ストーリーを一言で述べるなら「父親を亡くした女の子の成長物語」です。
当然、エンディングでは、彼女の成長が感じられる終わり方になっていますし、観終えた後の満足感も十分得られます。

が、見所はどちらかというと、主人公の成長過程で描かれる「想像力」です。

幼い頃、誰もが持っていたであろう想像力が、映像で表現されます。
例えば、地面を「海」、玄関アプローチの飛び石を「島」と見立ててて、海に落ちないように気をつけながら、(子供にとっては距離のある)飛び石を懸命に飛び歩くところとか。

しかも、映像がパペットアニメーションという点で、子供の想像力にピッタリな表現方法になっています。

忘れかけた子供心を取り戻す

日常に忙殺されていると、ついつい「子供心」を忘れてしまいがちです。
ここで言う「子供心」とは、なんでもない日常を無条件に楽しめる気持ちであったり、どんな状況下でも楽しさを最大限にする工夫を指します。

『ちえりとチェリー』には、次のようなキャッチコピーが使われていました。

誰もが忘れられない宝物を胸にしまって大人になる

ぼくたちクリエイターは、その宝物を胸から出して形にしています。
しかし、何かに忙殺されていると、その宝物をどこかに置き去りにしたり、胸にしまっていることを平気で忘れたりします。

もしも、あなたが、何かに忙殺されて子供心を失いかけていると感じたから、ぜひこの映画を観て下さい。何よりも効く清涼剤になるはずです。

上映劇場はコチラで調べることができます。

右脳めしとは?
右脳が司る「感性」や「創造力」の栄養源となるコンテンツのことです。
東雲創作堂ではクリエイターの力となる様々な右脳めしを紹介しています。

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