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令和トラベル NEWTでシリーズA 48億円の資金調達をしたので、資料を全公開します。

シリーズAファイナンスを記念しまして、アドベントカレンダーを開催中です🎉ぜひぜひ、他の記事もご覧ください!

昨日、シリーズAファイナンスにて48億円の資金調達の発表をさせていただきました!シードラウンドの22.5億円に続く2回目のファイナンスで、NEWT(ニュート)のローンチから2年半、累計調達額は約70億円になりました🎉

せっかくのタイミングでのnote、新たな経営戦略とか、意思表明とか、資金調達で気をつけるべきこととか、色々と内容を悩んでいたのですが、どうしても自己(会社)中心的な内容になりそうだったので、思い切って一番価値のありそうなファイナンス資料やそのプロセスをもうオープンにしちゃおうと思いました!(半年ぶり、2度目) 前回公開した時も特に誰にも怒られなかったので、多分大丈夫なはずですが、近く消すかもしれないので期間限定ぽくしておきます。

なお、もしもこのnoteが好評でしたら、第二弾は「どうやって、NEWT(ニュート)をGeneration Z / U29 の間で流行していったのか?」という社内の戦略資料を公開しちゃいます。

もし面白かったら是非シェアしてくれたら嬉しいです👏


今回はさらに、会社サイトやコーポレートデックもフルリニューアル、NEWTや令和トラベルの社名ロゴも刷新したので、ぜひご覧ください! コーポレートサイトは高木新平さん率いるNEWPEACEさんチームに、ロゴデザインは引き続きPARKの佐々木さんに担っていただきました🎉 大感謝です!

謝辞:ありがとうございました!

今回のラウンドではとてもありがたいことに、既存VCによるリード+全ての既存VCからの追加の大きな出資(プロラタ以上に)と、さらには様々な事業会社さんや新規VCの皆さまにも非常に大きく出資いただけたことでなんとかクローズすることができました。今回のラウンドは我々はまだリスクを取っておらず、すべて投資家の皆さまのリスクです。この難しいマーケット環境にもかかわらずリスクオンしてくださったこと、心から感謝をしたいと思っております。

ありがとうございます!

はじめに:大変だったファイナンス・・・

資金調達はとにかく時間がかかりますが、これまでのスタートアップ人生の中でもっともハードで、時間を要しました・・・。振り返ってみたところ、2023年9月からファイナンスに関するミーティングをじわじわとは進めており、まさかの1年近くかかったことになります。本当に困難なマーケット環境であり、また海外旅行の不確実性(戦争、為替、治安、天災など)、途中でも容赦なく起こる事件、そして新しく聞いたこともない各国法律の登場やらハードシングスなどもあり、本当にいろいろと大変なファイナンスでした。すべてのファイナンスに物語ありです。

教訓:ファイナンスは半歩早く動くに越したことはない。

今回シリーズAも、ファイナンスオペレーションはシードラウンドと同様にやっていきました。細かくは以下のNoteをご覧頂きたいのですが、Notionに上場企業で言うIRページのようなものを策定し、公開。特定の権限をお渡ししてすべての資料を閲覧できるようにし、アップデートがあればそこをどんどん更新する。という効率的なスタイルを意識しました。
(本件、以下のNoteの1番と2番が参考になると思います)


ではでは、徐々に本題に入っていきたいと思います!


情報整理プロセス

シリーズA以降のラウンドとはどういうものか、まず私の中で定義をしたことがあります。それは、「(私の場合)シードラウンドはビジョンの高さを示して、信頼残高から引き落としをすること。シリーズAはビジョンの実現可能性を、今日までの成果で証明すること」であるという点です。全然様相が違います。

我々のシードラウンドでは、プロダクトも、採用も、お金もないわけですし、コロナ禍でマーケットが全滅していたため、ビジョンを語るしかできなかったため、私自身の信頼残高を切り崩すしかありませんでした。しかし、今回のような規模のシリーズAではビジョンの高さだけではもちろん調達ができず、マーケット環境もよろしくありません。ゆえに、ローンチからの2年半でいかにカスタマーが熱中してくれているかという熱中性を示すKPI。いかにサステナブルな経営構造なのかということの財務健全性を示すKPIといったファクト(=過去)。そして、我々が実現したいビジョンに対してこういった戦略ならば実現できるだろうという実現可能性の明示。(=未来)

この過去と未来をしっかりとプレゼンする必要性を感じていました。

そこで、まずは自らも数字を疑いながら、私たちのサービスは本当にサステナブルなのか?財務的にも問題がないのか?熱中してくれるカスタマーはいるのか? そんな観点から、徹底・多面的にデータ分析をしていきました。

基本的な方向性は以下の図と、以下のNoteの通りです。

KPIを統合・多面的に分解、良いシグナルを徹底的に探した

そして、だんだんと数字が見えてきました。その結果、これはもしかすると調達がうまくいきさらに投資をすれば、とんでもないサービスになるかもしれない。と自分たち自身も感じられるようになってきました。

教訓:シリーズA以降。顧客が熱中しているぞというKPI、健全たる成長・財務モデルであることを示し(ファクト・過去)、これからの戦略がなぜ実現できるのか(未来)をきちんと伝える必要がある。

設計プロセス

ここからは資料にしていくわけですが、設計書をつくっていきます。前述の通り、「シリーズAは、ビジョンの実現可能性を今日までの成果で証明すること」に尽きる。と思っていたので、この文章を因数分解してみると、

1. 私たちは、何を実現したいのか。ミッション・ビジョン。
2. ビジョンのサイズはどれくらいなのか。(市場規模)
3. 今日までどういうKPIを達成しているのか(過去の証明
4. どうやってビジョンを実現できるのか(未来の戦略
5. いくらの資金が必要なのか。(投資の計画
6. それをどんなチームで実現するのか。(仲間の厚さ

公式=
1+2=ビジョン
3=成果の証明
4+5+6=実現可能性


という要素が良いなと考えました。
その結果、以下のアジェンダでまとめることにしました。

これで漏れはなく、「シリーズAはビジョンの実現可能性を今日までの成果で証明すること」ができる設計になっていると思います。

建築プロセス

ここからは資料をどかどかと貼っていきます!

1+2:私たちは、何を実現したいのか。ビジョンと市場規模

冒頭の自己紹介・挨拶を、プレゼンでも結構ちゃんとするようにしました。挨拶大事。

こんにちは!

ここ10年、様々な業界ですでに1,000億円を超えるようなユニコーンスタートアップは大量に産まれており、こういうゾーンをちゃんと目指すんだという意思を共有。

旅行業界のここだよ、と相対的にわかりやすくした。

日本一のXXを目指す、を正確に定義。経営戦略のテーマとも整える。

まずは絶対に日本一を目指す、という意気込み。

そして市場規模。まだコロナ禍以前のサイズに戻っていないので、2019年をサンプルとしながら今日までの状態を説明した。市場規模が小さいとユニコーンにはなれないです。

3:今日までどういうKPIを達成しているのか(過去の証明

続いては、KPIの話しへ。まずはごく簡単なサマリとしてどんな感じで駆け上がっているかを記載してみる。

重要なKPIである流通額がどれくらい伸びているか。前年7月もかなり規模は大きかったのが、更にうまく伸びたこと。(そしてファイナンスの話はじめから、3〜5倍近く成長していたためKPIのアップデートや時価総額の説明がコロコロ移動し大変だった。良い悩みではある。

以下の通り、成長が財務的にヘルシーであり、サステナブルに伸ばせることを証明、営業赤字は一定水準を維持しながら経営していた。
※注意:これはAppendix資料で、24年3月までのデータ。上記の流通額は7月。今はもうちょい踏んでます。

会員数やDL数などの成長も共有、急激に傾きが変わっている。前期のみで売上は数十億円に達しており、今期も月次で3〜5倍伸ばせているのでそこそこの規模感にはなれてきた。

あまり重視している数字ではないのですが、参考にとシェア

重視していたのは、1会員あたり+1DLあたりの予約流通額。このKPIこそ、カスタマーの熱中性を証明できる指標の1つであり、水漏れがいかに少ないかを示すことができるため非常に優れた指標だと思っている。さらに超大手Eコマースや、旅行サービスと同じ土俵で比較することができ、どれくらいズレがあるのか、サービスの成績表はどんなものなのか分かるのだ。そして結果、1単元あたりでみたら遜色ないレベルまで成長することができていることがわかった。

📕 ポイント:1単元にKPIを戻すと、どれほど大きなプレイヤーであろうが比較可能になる。

満足度はすでに日本トップになっており、高い評価をいただけていることを共有した。ちなみに現在では3,000件以上のレビューとなりわずか数ヶ月で激増、しかしApp Storeの点数は4.6点に"今は" 下がってしまっていることを素直にここには書いておきます😂 上がってください。

その他にも売上、粗利、営利といった重要指標とプロダクトKPIとの関連性や、どのような改善をしてきたかといった、過去のKPIをひたすら説明していった。PLやBSはシェアしづらいので割愛。

4:どうやってビジョンを実現できるのか(未来の戦略

ここからは未来について。
僕たちは「スマートに海外旅行」というコピーをNEWTローンチ以来、一貫してつかってきました。そして、それはなんなのかと、これからどうやってそれを実現していくのか。ということを説明していくことにしました。

「戦略とは順番である」と師匠であり技術顧問の竹内さんはいつも口酸っぱくおっしゃられます。順番さえ間違えなければ、絶対に成長するに決まってるのだと。順番を間違えるから失敗するんじゃ。と言います。だから、私たちのプロダクト開発の順番を示しました。

NEWT Air(フライト予約)、NEWT Group(団体)はまだやっていません。やっていきます。そして、国内旅行への対応をやっていきます。

📕 学び:「戦略」とは順番のデザインである。

その次が右側です。この順番は、グローバル戦略を遂行すると言いながら、日本だけ取り扱いがない。というのは圧倒的に違和感があり、「私たちは世界中の旅行を取り扱っています、ただし日本は予約できません🥰」なんていうのは意味がよくわかりません。笑

さらに、基幹システムの紹介です。NeMS(Newt Management System)です。これが私たちの最大の強みの源泉であり、オートメーションを実現できる基盤になっています。表で見えているNEWTとはあくまで一部であり、表裏一体の開発体制を構築しているのです。

5+6:投資の計画と、経営チームや仲間

ここは比較的シンプルです。いくらどう使うか、なにに使うか、事業計画は。そして、どういう人員なのか。です。

これはサマリーVerですが、ざっくりこういう領域にこういうお金の使い方がしたいです。のまとめです。(40億円のファイナンスラウンドを計画していました)

各部門担当のケイパビリティをまとめたもの。

おまけ: ファイナンスMTGの戦績

ここまで偉そうに書いてしまったのですが・・・

私なりにはちゃんと戦略を考え、圧倒的に準備をし、MTGにも大切に臨み、過去にどんな投資先に投資しているのかも調べあげて、1試合1試合、本気で取り組んできました。頑張りました。

その結果、「勝」は定義がややこしいので割愛いたしますが、20敗超は軽くいたしました。笑 特に最初の3〜4ヶ月目あたりは心が折れそうになるほど、すべてがお見送りでした。競合が強すぎる、仕入れ力がない、海外旅行は戻らない、時価総額が高い、KPIがまだ弱い、などなど。何度もMTGを重ねたあとに、「すみません、検討したのですが・・・」という連絡を何度も何度も頂きなかなかつらかったです。

でも、毎回本当に熱のこもったフィードバック・アドバイスをいただけたこと、なぜお見送りになったのか、こうなったらまた検討したいよ、など率直なご意見をいただけたことは宝であり、そのお蔭もあって最後にこうして着地できたとも素直に思っています。時間をかけて検討いただいたすべてのVC様にも心から感謝をしたいと思いました、ありがとうございました!

まとめ:やっていくぞ💪

これにておしまい!です。ここまでお読みいただきありがとうございました。最後にちょっとだけファイナンスで何をするのという戦略をぜひ共有させてください。

1:機械学習の戦略を強化する

旅行業って意外とシンプルに見えるんですけど、裏側はとんでもなくややこしくて、複数の変数が多レイヤーで絡み合っていてPdMやエンジニアの皆さまにとっては解きがいがあるテーマだと思っているんです。ゆえに、旅行業 x 機械学習は圧倒的な開拓余地があり、市場規模も十分にあり、面白いのです。

昨日の発表の通り、パークシャテクノロジー社様と資本業務提携を締結させていただくことができました。10月から一気にやっていきます。MLエンジニアの皆様、またはML領域は結局すべての開発に影響しますのでモダンテックに興味あるPdMやエンジニアの皆様、お待ち申しております。

2:グローバル戦略も強化する

日本国内の旅行事業展開、ソウルやシンガポールなどアジア拠点の設立、そしてグローバルカスタマーへの対応などを着実に進めていくこととします。前述の通りですが、グローバルに仕事をしたいみたいな方も大募集です。


3:創業メンバー、社員番号100まで募集!

そう、あと20人少々でついに100人になります🎉ちょっと読んでいてワクワクしたな、もっと知りたいな、などあればぜひぜひお気軽にアクセスしてみてください。

コーポレートサイトやデック資料をフルリニューアルして、めちゃくちゃ格好良く・見やすくなりました🎉 本当に幅広く、様々な職種を募集しています。

ぜひぜひご覧ください!


ここまでお読み頂いた皆さま、ありがとうございました👏
旅行はNEWT(ニュート)で、ぜひ。


再掲:
もしこのnoteが好評でしたら、第二弾は「なぜ、NEWT(ニュート)がGeneration Z / U29 の間で大流行しているのか?」というnote(か、満を持してYouTube?)を公開します。笑

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