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和歌風の定型詩

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和歌の定型を使った五七調の詩です。今様や新体詩などの特殊な歌謡調定型は含まれていません。主に長歌や問答歌、連歌などの形式を持った和歌風の現代詩を入れてあります。一般に和歌と呼ばれ… もっと読む
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記事一覧

風の陰翳/長歌【詩】

風の陰翳/長歌【詩】

苟も
弥が上にも刺草と
硝子の猫の爪痕を金色の風が吹き撫でて行く



苟も硝子の猫の陰翳を揺らす心象と刺草の影

(20230829/私之若夜=しのわかや)
※写真はCanvaからいただきました。

雛祭り/長歌【詩】

雛祭り/長歌【詩】

ああ今日は
桃の節句よ 雛祭り
春の弥生の始まりに
ひな壇 人形 吊し雛
白酒 菱餅 雛あられ
飾って部屋を華やかに

桃の節句の お祝いに
何やらゆかしき願い事
こめて飾るは 雛人形
まこと華やか 雅やか
ああ めでたきよ 雛祭りかな



娘子の無事を願うは親心
知らず育つは世の常なるか

(20220303/私之若夜=しのわかや)
※これは1年前に投稿した記事の再掲です。
 写真はCanv

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過渡期/長歌【詩】

過渡期/長歌【詩】

日は暮れて 空色は褪せて
嗚呼 今日も 一日が終わる
何事も いつもと変わらず
平穏な ただの休日

ほぼ何も 変わりは なくて
淡々と 時間が過ぎて
気がつけば 午後五時の空

日は暮れて 心は萎えて
嗚呼 どうも 何かが違う
目的も 標(しるべ)もなくて
平坦な 道を真っ直ぐ 進んで行くだけ



不満などあるはずもなく
余裕さえあるのに何かが違う気がする

(20220221/私之若夜=し

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大雪を憂う/長歌【詩】

大雪を憂う/長歌【詩】

初雪を見ずに年越ししたものの
寒さばかりが厳しくて
他所では既に降っている
けれども木枯らしばかり吹き
まだしばらくは降りそうもない



軒下の小さな氷柱も見ないまま
年越しをして未だ雪を見ず

晴れ続き意表をつかれ大雪に
見舞われないかと憂うこの頃

(20220107/私之若夜=しのわかや)
※これは1年前に投稿した記事の再掲です。
 写真はCanvaからいただきました。

厳寒/長歌【詩】

厳寒/長歌【詩】

野も山も
容赦なく霜が広がった
白く冷たい朝の中
吸った空気は喉までも
凍らせるような鋭さで
乾いた痛みを肺に伝える



むせ返るほどの冷気が
喉や肺に突き刺さる朝を
呑み込み勇む

(20220106/私之若夜=しのわかや)
※これは1年前に投稿した記事の再掲です。
 写真はCanvaからいただきました。

貼り絵/長歌【詩】

貼り絵/長歌【詩】

寒い夜
ひとり小部屋で 眠れずに
灯りを付けて

恋模様に 淡く染まった水色の
小さく切った千代紙を
指で抑えて するすると
台紙の上を 繰り返し滑らせながら
はらはらと 移ろう心を
はんなりと 短か歌として詠ってる

もの想いながら 詠ってる

切り貼りした絵は 未完成

今頃どうして いるのやら

冬の最中に 想いやる
寒さに凍えて いはしまいかと



未完成の 貼り絵は今も そのままで

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よいクリスマスを/長歌【詩】

よいクリスマスを/長歌【詩】

街中が 赤と緑と 白と銀
それらの色で あふれてる
聖歌の声は
基督の 礼拝堂から 響いてくる

そうだ今夜は
クリスマス・イブのお祝いだ

ごちそうを さあ用意して
楽しく過ごそう



新しい年がもうすぐやってくる
メリークリスマス よい週末を

(20211224/私之若夜=しのわかや)
※これは1年前に投稿した記事の再掲です。
 写真はcanvaからいただきました。

ある旧友の詩/長歌【詩】

ある旧友の詩/長歌【詩】

性格は 生まれついての 天然色
緊張感は まるで無く     
暢気なことを言っている    

みんなが走れば ゆっくりと  
のんびり構えて 座り込み   
歌など詠って 茶を飲んで   
忘れた頃に 立ち上がり    
何を思ったか 走り出す    

ネジが一本 足りないか    
歯車が一個 落ちてるか    
何か他とは 異なって     
緩急自在に ずれていて    
肝心なことは

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冷たい霧雨/長歌【詩】

冷たい霧雨/長歌【詩】

霧雨や 冷たい雨が 降りかかる
木々の枝葉や 草の葉に
小さな水の 粒粒が
纏わりついて 包み込み
冬の時間へ 拐おうとする



時雨などではない冷たい雨が降る
寒気の霧で世界を包む

(20211216/私之若夜=しのわかや)
※この詩は、2021年12月6日に詠んだ長歌を編集して掲載しています。
 ですので、天候気候も、その日のものです。
 写真はCanvaからいただきました。

雨のち晴れでよし/長歌【詩】

雨のち晴れでよし/長歌【詩】

明け方には すっかり雨が 止んでいて
七時頃には
青空も 所々に 見えてきて
西の空から
お天気の 回復するのも 見えてきて

やっぱり今から 出掛けます
そんな事情で では 行ってきます



いつだって外に出るとき
晴れならば晴れてるだけで気は楽になる

(20211211/私之若夜=しのわかや)
※これは1年前に投稿した記事の再掲です。
 写真はCanvaからいただきました。

紅葉も終わる/長歌【詩】

紅葉も終わる/長歌【詩】

敷石の 上に紅葉が
ひしひしと それを覆うように
降り積もり 降り積もっては
ひらひらと また舞い落ちる
赤、紫、 橙、黄色と 色も鮮やかに



門前の落ち葉を掃いた冬の日に
寒さ厳しく 紅葉も終わる

(20211206/私之若夜=しのわかや)
※これは1年前に投稿した記事の再掲です。
 写真はCanvaからいただきました。

湯たんぽ讃歌/長歌【詩】

湯たんぽ讃歌/長歌【詩】

焼けるほど 熱くなりすぎず
温くなく 冷たくもなく
心地よい 温度を保つ
快適な 夜の眠りへ いざなう湯たんぽ



冬の日の寒い夜には
湯たんぽが快適な夜の眠りへ誘う

(20211205/私之若夜=しのわかや)
※これは1年前に投稿した記事の再掲です。
 写真はCanvaからいただきました。

夜は冬のごとし/長歌【詩】

夜は冬のごとし/長歌【詩】

誰でもいい
話を聞かせてくれればいい
そしたら僕は 何も言わず
黙って笑顔で 聞いていよう

話が嫌なら 何も言わず
黙ってそばに いればいい
そしたら二人で 夜明けまで
明るくなるまで そうしていよう



孤独でも
誰だっていい
そばにいてくれさえすれば
夜は凌げる

(20211111/私之若夜=しのわかや)
※これは1年前に投稿した記事の再掲です。
 写真はcanvaからいただきました。

揺れてみる/長歌【詩】

揺れてみる/長歌【詩】

揺れている 感じは多分
揺らしてる 寝ぼけた自分
さもなくば 貧乏ゆすり?
でもなぜか
心地よいのは 不思議な感じ



揺れてみる
自分で揺れているだけで
心地よいのは 不思議な感じ

(20211109/私之若夜=しのわかや)
※これは1年前に投稿した記事の再掲です。
 写真はCanvaからいただきました。