William Eggleston: Los Alamosの全部
ウィリアム・エグルストンが1966年から1974年の計を8年かけてアメリカ南部を撮り歩いた記録をまとめた写真集「ロスアラモス」。
撮影時期はエグルストンのMoMAでの初カラー個展「William Eggleston Color Photographs 1976」が開催されるより前だけど、これは2003年にドイツのルートヴィヒ美術館で開催された「Los Alamos」展で初公開されたプロジェクト。
今まで刊行された写真集「ロスアラモス」は、この三冊、この全部。
上:William Eggleston: Los Alamos, Scalo, 2003, 初版
2003年のLos Alamos展の際に刊行された原書写真集。これは初版。翌2004年に再版second ediitonが出てる。エグルストンの一冊を選ぶなら迷い迷いっても最後にはこれを選ぶかな。とにかく色が良い。とくに竹やぶがいい。
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こういうことをちょいちょい書くから、海外の方から「自動翻訳して読んでるんだけど、なんで急に竹やぶが出てくるんだ?なんでチャールズ・ブロンソンがマンダムって言うんだ?おちゃがこわいってどゆことよ??」と苦情のメッセが届く。まぁだから英語でインタビュー答えるのが嫌いなの。わかるかなぁ。。って所に向けて言葉を発せられないのは苦しすぎる。
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左下:William Eggleston: Los Alamos, Gagosian Gallery, 2012
約10年後、ニューヨークのガゴシアンギャラリーで開催された展覧会の際に刊行された限定版。オリジナルのネガから大判インクジェットプリント展示されたものをそのまま縮小版として収録した装丁。カバーが掛かってないから綴じの部分をバラせばA4プリントととして額装してマンダムれる。
右下:William Eggleston: Los Alamos Revisited, 3冊組, Steidl, 2012
この旅に同行したキュレーターのウォルター・ホップスが2005年に亡くなる。その遺品整理から大量のロスアラモスのネガの入った箱を奥様が発見、それをエグルストンの息子らがまとめてSteidlから3冊ボックスセットで刊行したのがこれ。
でも、「でもなぁ」となる。シュタイデルはこの「お腹一杯シリーズ」出し過ぎだよね。別の見せ方ができる強みなのはわかるけど。なんていうか、ソーシャルメディアで淡々と流れる画像たち、それを単に紙の上でやってる感じがする。見直す回数がまぁ少ない。未発表写真が見れる喜びがあるんだけど、それと同時に「なんか違うんだよな感」がページをめくる手を止めてしまう。
まさにこれ、ジャズ盤と全く同じ。「あのスタジオでの別録音を発見!全てまとめて豪華三枚組に!!」を買っても、結局オリジナル盤に針を落とす、というやつ。
それでも2003年のオリジナルの“ロスアラ”に収録されていなかった写真、どこにも発表されてなかった初見の写真達が見れるのは本当に嬉しいこと。こういう他の楽しみ方を発見して縁側でニヤニヤする時間が、まぁ至福。
上が2003年のオリジナルの“ロスアラ”に収録されたダイナーで駄弁る婦人達。そして下が再版で初公開された婦人達の別カット。エグルストンは最終的には原書に収録しなかった方を選んでるみたい。
当初は「プクいちする二人」という主題を採用したんだろうな。そしてそれから10年後に改めて見直したときには、それよりも構図を優先した、という感じに見える。みなさんはどっちがお好き?
自分は初版の色とトーン。
こればっか。。
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