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暗君か名君か、矛盾だらけのシャルル七世:膨大な研究と残された仕事

カクヨムにて『歴史家たちのポジショントーク:暗君か名君か、矛盾だらけのシャルル七世』を新規投稿しました。

あらすじ:各時代の歴史書に書かれている「フランス王シャルル七世」の評価が乱高下しすぎで面白かったので、歴史家たちのポジショントークの移り変わりをまとめました。

noteでは紹介を兼ねて、今日の更新分から一部引用します。

 ヴァレ・ド・ヴィリヴィルは、辛抱強い調査と豊富な資料によって、シャルル七世に関する最後の情報を与えてくれたように思う。

 それなのに、この不格好な著書は何なんだ!
 いくつかの評価は、ほとんどファンタジーだ!
 何よりも、プランとメソッドが欠如している!

 実際、この膨大な研究は、一般大衆よりも研究者を対象にしたレパートリーと見るべきだろう。ヴィリヴィルの仕事は、シャルル七世のすべてを知る上で、大きな助けになった。

------(中略)------

彼が取り組んだ「シャルル七世」というテーマは、著書三冊では十分に扱い切れていない。真のシャルル七世の歴史はまだ書かれていない、これからやる仕事が残っているのだと認識せざるを得ないのも事実である。

 それでは、ヴァレ・ド・ヴィリヴィルが長年研究し尽くした国王とその治世をどのように評価したかを見てみよう。

 シャルル七世は最初、ヴィリヴィルの前に「狂気の子」として現れた。生まれつき「お人好しで臆病な気性」を持っていたが、彼の能力の発達はさまざまな原因によって遅れていた……。

19世紀後半:ヴァレ・ド・ヴィリヴィルの膨大な研究と残された仕事 - 歴史家たちのポジショントーク:暗君か名君か、矛盾だらけのシャルル七世(しんの(C.Clarté)) - カクヨム


カクヨムでここまでの話を書くにあたって、大いに頼っているガストン・ボークールが「この不格好な著書は何なんだ!」と叫び散らかしているのがおもしろすぎたw

ヴィリヴィル(名前の語感がおもしろい)の語り口と、締めくくりがとてもいい。

 おそらく、厳しい審判の天秤にかければ、シャルル七世の欠点や過ちは、善行や称賛に値する資質を上回るだろう。結局、彼は「平凡な人物」という評価になる。

 道徳的な問題が何であれ、王の「私的な人格」は「公的な人格」の陰に隠れてある程度は消えてしまう。君主を批評するとき、第一に考えなければならないのは「王室の顔」としての評価である。

------(中略)------

 人と行動は過ぎ去ってゆくが、王と制度は残り続ける……。

19世紀後半:ヴァレ・ド・ヴィリヴィルの膨大な研究と残された仕事 - 歴史家たちのポジショントーク:暗君か名君か、矛盾だらけのシャルル七世(しんの(C.Clarté)) - カクヨム


いい最終回になった! うそです、もう少し続くんじゃよ…😊


続きはカクヨムにて。

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自著の紹介

既刊:デュマ・フィスの未邦訳小説『トリスタン・ル・ルー』

2022年10月21日、シャルル七世即位600周年記念にリリースしました。
Kindle版(電子書籍)とペーパーバック版があります。

新刊:『十九世紀の異端科学者はかく語る』

ジョン・ラボック著『The Pleasures of Life』第一部を翻訳・書籍化しました。訳者・序文で「ダーウィンとラボックの師弟関係」を書き下ろし。

web小説『7番目のシャルル』シリーズ

シャルル七世が主人公の小説(少年期編青年期編)連載中。


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