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人生の刺繍

 人生とは、美しい刺繍を裏から見ているようなもの。
 この名言の存在は知っていたのですが、誰の言葉なのかは存じ上げていませんでした。
 それが偶然、最近読んでいた本に引用が出てきて、ピエール・テイヤール・ド・シャルダンの言葉だったと知りました。

 読んでいたのは、小澤竹俊『「死ぬとき幸福な人」に共通する7つのこと』(アスコム)。
 著者はホスピス医です。

 シャルダンの言葉が出てきたくだりを引用します。

「人生とは、美しい刺繍を裏から見ているようなものだ」
 これは、フランスの古生物学者であり、カトリック司祭者でもある、ティヤール・ド・シャルダンの言葉です。
 刺繍を裏から見ているときは、一つひとつの縫い目が何を意味しているか、まったくわかりませんが、それを表から見られるようになったとき、初めてその意味や美しさがわかります。

小澤竹俊『「死ぬとき幸福な人」に共通する7つのこと』


 そのときは苦しかったり、悲しかったりする出来事も、いつかその刺繍を表から見られるようになったとき、美しい模様のひと針、ひと針をなしていたことに気づくはず。

 むしろ、そう思えるように生きていく、ということが大切だと思いました。

 苦しみや悲しみはできれば避けて通りたいものですが、もしそれらに見舞われてしまったら、そのなかで自分なりに最善の道を選択していく。ゆっくりでもいいし、休み休みでもいいから、あきらめずに次のひと針を進めていくことが、自分らしい美しい模様につながっていくのかもしれません。



◇見出しのイラストは、みんなのフォトギャラリーから
lisa500mlさんの作品を使わせていただきました。
ありがとうございます。

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