新川国語教室

自らも中学受験を経験し、都内国立中学・高校から東京大学経済学部へ進学。卒業後、ロンドン…

新川国語教室

自らも中学受験を経験し、都内国立中学・高校から東京大学経済学部へ進学。卒業後、ロンドン大学で経済学修士号を取得。「東京都中央区新川の国語教室です。小学生を対象に、完全マンツーマンで個別指導を行います。家庭教師により、ご家庭のニーズにマッチした教材・方法で指導します。」

最近の記事

【読書メモ】『アルプス席の母』早見和真

高校球児の母の視点で語られる高校野球ストーリー。 神奈川の中学生が、甲子園初出場を目指す関西の新興私立校(野球部)に特待生入学。 故障、ポジション変更、指導者との確執、保護者同士の不和、高校3年間のわが子の成長、苦楽を共にするママ友との出会い、職場の優しい仲間など、物語に入り込んで大いに楽しんだ。

    • 【読書メモ】『マジックに出会ってぼくは生まれた』涌井 学

      奈良県の山村で育った主人公が独学でマジックを習得してマジックの世界ジュニア大会で優勝する物語。 イリュージョニストHARAという人の半生を元に書き下ろした小説作品とのことで、ドラマのノベライズ本のような手軽な作品。

      • 中学受験マラソンを完走するコツ

        中学受験は「親が伴走するマラソン」に例えられます。低学年のウォーミングアップを経て、新4年生2月にスタートの号砲が鳴ります。4年生のうちはまだ余裕があるので、立ち位置(偏差値)を上げられる可能性も高いでしょう。 5年生になると、学習のギアがシフトアップし、徐々に集団から振り落とされます。国語では、直感で解いていた子供から脱落するように、テスト問題が作られるのです。そして、6年生はトップギアで1年間を駆け抜けるため、体力も求められます。 普通の子供ほど、スタートで出遅れない

        • 【読書メモ】『陰山英男の読書が好きになる名作 2年生』陰山英男

          2年生用の物語名作選。 読みやすい書体で、挿絵もたっぷりあって、音読にぴったり。 巻末の隂山先生オススメの本24冊も読みたくなった。

        【読書メモ】『アルプス席の母』早見和真

          【読書メモ】『クリームイエローの海と春キャベツのある家』せやま南天

          体調を崩して勤め先を退職した津麦は、社会復帰のために始めた家事代行で、5人の子どもを育てるシングルファザーの家庭に派遣される。 大人も子どもも、いろいろ経験して変化し成長する様子が軽いタッチで描かれていた。

          【読書メモ】『クリームイエローの海と春キャベツのある家』せやま南天

          「夏期講習の成果は9月にはでない」のか?

          「夏期講習の成果は9月にはでない」という記事がありました。6年生の夏期講習は弱点をあぶり出すためにあり、わかった弱点を秋以降に潰していく。夏期講習で偏差値がぐーんと上がることはなく、偏差値が横ばいでもきちんと伸びているので安心してください、とのことでした。 「偏差値横ばいというのは本来喜んで良い」という点は同感です。偏差値は相対位置ですから、前を走る集団に、それ以上のスピードを出して追いつく(偏差値を上げる)のは、想像以上に難しくなります。偏差値が変わらないのは実力が伸びて

          「夏期講習の成果は9月にはでない」のか?

          【読書メモ】『板上に咲く』原田マハ

          棟方志功の物語。 妻チヤさん、同郷の仲間、良き理解者となった文化人たちが、彼と出会い、彼の芸術が大きく花開いて、良かった。 極度の近視の棟方が一心に板を彫る姿が印象深く、青森の方言も良い。

          【読書メモ】『板上に咲く』原田マハ

          【読書メモ】『山ぎは少し明かりて』辻堂ゆめ

          母娘孫3代 佳代・雅代・都の物語。 都と雅代の物語は、愛する人との明るい将来が予感されるが、佳代はダム建設反対運動で最後まで戦い、不器用なゆえの結末に心が傷んだ。 佳代のように、ダムやら道路やら空港やらの建設のために、先祖伝来の家や土地を離れざるを得なかった人々がたくさんいることを改めて思った。

          【読書メモ】『山ぎは少し明かりて』辻堂ゆめ

          SAPIXテスト論説文「具体と抽象」は論理的思考力の中核

          6年生5月のSAPIXマンスリーの論説文は、大西寿男さんの『校正のこころ』でした。大西寿男さんは著名な校正者で、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」でも紹介されています。大学の講義テキストにも使われ、小学生にはハイレベルの内容です。 筆者は、校正は単なる間違いさがしではなく、誤解されるリスクを抑え、言葉に(読者に届く)力を与えるもの、と説きます。丁寧な説明はあるものの、マネジメント、エンパワメント、ベクトルなど、小学生に馴染みのないカタカナ語が並びます。概念がつかみづら

          SAPIXテスト論説文「具体と抽象」は論理的思考力の中核

          【読書メモ】『こまどりたちが歌うなら』寺地はるな

          主人公は、和菓子製造の吉成製菓で働く事務員27歳の茉子。 体質の古い職場での、優柔不断な若社長、ワンマン会長、パワハラ営業担当、短期で辞めた前任者などとの関わりは、読んでいてネガティブな気持ちになる。 印象に残ったのは、「だいじょうぶって訊く時は相手の返事をあんまり信用したらあかんし、だいじょうぶって答える時は、ほんまにだいじょうぶな時だけにせなあかん。」の一文。 「だいじょうぶ」という言葉は便利だから、つい気軽に使ってしまうけど、本当は、注意が必要な言葉なんですよね。

          【読書メモ】『こまどりたちが歌うなら』寺地はるな

          【読書メモ】『東京都同情塔』九段理江

          芥川賞受賞作品。 ザハ・ハディド案による新国立競技場が建設されている近未来の東京。 建築家の牧名沙羅が、ザハのスタジアムに呼応するような、タワー型刑務所「シンパシータワートーキョー」を設計する。 「シンパシータワートーキョー」の名前に違和感を感じて、コンペに後ろ向きだった沙羅が、拓人が不意に思いついた「東京都同情塔」という訳語(名前)を得たことで、一気に創作に向かうところに共感した。

          【読書メモ】『東京都同情塔』九段理江

          駿台数学の秋山師がNHK新番組に!

          元駿台数学科の秋山仁先生が、7月スタートのNHK Eテレ「3か月でマスターする 数学」に出演されるそうです。1980年代の予備校全盛期から、現在まで活躍されている唯一の方ではないでしょうか。当時のあの風貌・貫禄で40代だったとは、今さらながら驚きです。 当ブログでも、代ゼミ全盛期の東大現代文の堀木博禮先生を紹介しました。継続的に読まれている記事なので、根強いファンがいらっしゃるのかもしれません。当時の人気講師は、今となってはコンプライアンス違反の方も多く、そのままのスタイル

          駿台数学の秋山師がNHK新番組に!

          【読書メモ】『ワニのガルド』おーなり由子

          さびしい人にだけ見えるワニのおばけガルド。 転校して友だちのいないヒナちゃんの前に、ガルドが突然あらわれた。 さびしい人にだけ見えるはずのガルドだけど、教室内にはもう1人、ガルドが見える子がいた。 「おれが、見えなくなるのは、いいことさ……」というセリフを残して去っていくガルドが、かっこいい。

          【読書メモ】『ワニのガルド』おーなり由子

          【読書メモ】『マリはすてきじゃない魔女』柚木麻子

          主人公は11歳の魔女マリ。 人間と仲良く暮らすために、「魔女」は「すてき」じゃなければならないのに、マリは食いしん坊で、悪ふざけが大好きで、怠け者。 おばあさま魔女の「女の子たちが、もっと自由に、もっと気楽に生きられる世界になりますように。」というメッセージをしかと受け取った。 柚木麻子さん初の児童文学。

          【読書メモ】『マリはすてきじゃない魔女』柚木麻子

          国語を制するための3つの習慣?

          「国語を制するために必要なたった3つの習慣」という記事がありました。難化・長文化する中学入試への「効率のいい対策方法」として、次の3つが紹介されています。 ① 銀本(入試問題)を読書として読む ② 志望校の過去問で本文の長さを確認する ③ 記述問題で△を取る答え方を身につける 読書の効用は確かにありますが、点数アップを目的にすると、読書本来の楽しみが失われてしまいます。6年生ともなれば、休み時間もわずかになってしまうところ、銀本では「息抜き」にならないかもしれません。当ブロ

          国語を制するための3つの習慣?

          【読書メモ】『時ひらく』伊坂幸太郎 ほか

          創業350年の老舗デパート三越を舞台にした6つの物語。 仙台三越が舞台の「Have a nice day!」、主な登場人物は、女子中学生のフジサキとエンドウ、担任の若手数学教師の田中先生。 不思議な話に引き込まれ、楽しい読書時間だった。 日本橋三越が舞台の作品には、お馴染みのライオン像や天女像、パイプオルガン、アンモナイトの化石、特別食堂などが登場。

          【読書メモ】『時ひらく』伊坂幸太郎 ほか