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写真が上手になる 考え方編(1/2)

目次

1.あなたは「写真」が好きなのか、「カメラ」が好きなのか
2.
カメラは「鍋」、写真は「料理」
3.
みんな撮り方やコツを知らないだけのこと
4.
何回、シャッターを押しましたか?

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あなたは「写真」が好きなのか、「カメラ」が好きなのか

写真があまり上手にならない人に、「カメラ好き」な人が多い。

某価格比較サイトの掲示板などを見ていると、

「ニコンの〇〇とキヤノンの〇〇では、ISO6400での高感度だとニコンのほうが優れている」

とか、

「像面位相差AFだと、画像が劣化するから好ましくない」

みたいな「こだわり」を目にすることがある。

カメラの新製品が登場するたびに、そうした細かな点についてサンプル画像をあげて比較するサイトや記事があるけれど、ちょっと考えてみてほしい。

あなたは、その性能、その機能がなければいい写真は撮れないのか?

確かに、高感度撮影に強ければ、暗い室内とか夜景なども綺麗に撮れる可能性は高くなる。それに、像面位相差AFで画質が劣化するのは事実だ。

でも、少なくとも私は、そういった部分で「いい写真」が撮れなかった、ということは一度もない。

カメラ本体側でISO感度をあげたいときには、むしろレンズを明るいものにしたほうが効果が高い場合が多いし、像面位相差AFだからといって「普通に見てわかる」画像の劣化など今のカメラではありえない。

そういうことを熱く議論している人たちは、きっと「カメラが好き」なんだと思う。写真じゃなくて。

あくまでも「いい写真が撮りたい」というのが目的であれば、自分が「カメラ好き」なのか「写真好き」なのかを、よくよく考えておくといいかもしれない。

カメラは「鍋」、写真は「料理」

鍋がなければ料理は作れないけど、やっぱりいい鍋を吟味して手に入れても料理しなければ「鍋は鍋」でしかない。

料理がうまくなりたいなら、スーパーで今すぐにでも980円の土鍋を買ってきて料理を試行錯誤しながら作ったほうがいいに決まってる。これが、なぜか写真とかカメラのことになると、「もっといい鍋があれば料理がうまくなるはず」という風に考えてしまう人が多いんじゃないだろうか。

確かに、有名な撮影スポットなんかに行って、隣の人が高そうなカメラを持っていると「すごいなぁ、いいなぁ」なんて思うこともあるけれど、やっぱりそれは料理人が「いい鍋を持っている」ということと同じ。その鍋で旨い料理が作れるとは限らない。

料理も写真も、大切なのは鍋(カメラ)じゃない。

良い材料(被写体)を見る目があって、どう調理したら素材の良さが引き出せるか(上手な撮り方)を知っていて、絶妙な味の加減と火加減(撮影のコツ)が身についているかどうかが決定的に重要だということを知っておいてほしい。

みんな撮り方やコツを知らないだけのこと

カメラを売る側としては新しいカメラを買ってほしいから、どんどん性能を改善したものを開発し、宣伝し、販売しようとしている。

そうすると、分かりやすいカメラのアピールポイントとして、「ISO感度、ダイナミックレンジ、連続撮影枚数」のような部分に焦点が当てられて、新しいカメラを買えば、いい写真が撮れるじゃないかという気にさせられてしまう。

でも、本当に写真そのものに影響が大きいのは、「レンズ、構図、光」といったもの。

1年前でも5年前でも、プロのフォトグラファーが優れた写真を撮れていたのは、カメラの性能というより、やっぱりこうした部分の撮り方やコツを身につけているから。

「レンズ、構図、光」といったコツそのものは大して難しいことではないものの、多くのカメラ雑誌の広告主はカメラのメーカー(カメラを売りたい側)だから、紙面の大部分は「写真について」ではなくて「カメラについて」書かれている。

こういう状況もあって、カメラ選びこそが大事なんだろうという誤解が生まれやすいんだと思う。

だからこそ、逆に、撮り方とコツさえ身に付ければ、すぐにでもプロ並みになれる。

何回、シャッターを押しましたか?

写真は料理と同じ。

上手くなりたいんだったら、出来るだけ多くの回数を作る。作ったものを自分で味見する。誰かに食べもらう。批評してもらう。プロの作ったものを食べてみる。同じ料理であっても、材料を変えたり、調味料の加減を変えて何度も作ってみる。ただ、それだけのこと。

だから、写真が上手くなりたいのに、「今月は10枚くらいしか撮ってない」なんていうのは、絶対に上手くなるわけがない。

ご飯を作るように、毎日、必ず写真を撮ろう。

それに、昔と違って現像代がかからないのがデジタルカメラのいいところのひとつだから、1回の撮影で2000枚撮ったっていい。やみくもにシャッターを押すのが目的になっては意味がないけれど、被写体との距離を変えたり、角度を変えたり、レンズを変えたりしながら1つの(1人の)被写体で2000枚を撮影しようとすれば、そこには今までと違った被写体との向き合い方も見えてくる。

つまり、被写体を見る目が養われる。

最初の2000枚は、自分が今まで撮ってきたパターンの「よくある写真」だったり、「どこにでもありそうな写真」だったりすることがほとんどになるはず。女性のポートレート写真なら、「誰が撮っても同じ」というレベルのもの。そういうレベルの写真は2000枚までに撮り尽くしておいて、早く2001枚目を撮って欲しい。

まずは、たくさん撮ること。それによって、被写体を見る目が養われる。「カメラの知識」はあまり必要じゃない。

その上で「撮り方とコツ」を学ぶと、スポンジが水を吸い込むようにスーッと身に付いていく。


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以下、有料記事です

写真が上手になる 撮り方とコツ編(2/2)

目次
1.「単焦点レンズ」を使う
2.構図を意識して撮ってみる
3.「光」を考えて撮る

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