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アメリカの社会問題〜ホームレス問題その③

アメリカの今を知る上で非常に重要なのが住宅問題です。
ホームレスの問題もこの延長線上にありますので、今日は住宅問題と絡めて書いたいと思います。

過去の記事はこちらです。



1.パンデミックの影響

アメリカではパンデミック後に全米で住宅価格や賃貸価格が上がり、ホームレス増加が急増しています。


こちら、シアトルの記事なので紹介させて頂きますね。

米国住宅都市開発省が金曜日に発表したデータによると、米国ではホームレスが増加傾向にあり、その増加率はかつてないほどだという。

2007年に連邦政府がこの情報の収集を開始して以来、ホームレス人口は過去最高を記録した。また、シェルターや仮設住宅、防水シートやテント、車のような人が住むことを目的としない場所で暮らすアメリカ人の数は、前年比で最も急増した。HUDによると、2021年以降、初めてホームレスになった人の数も急増している。

ワシントンのカウントも過去最高で、約11%という前代未聞のペースで増加している。

ワシントン大学准教授でホームレス研究者のグレッグ・コルバーン氏は、住宅費の上昇、パンデミック時代の援助プログラムの終了、都市にバスで運ばれシェルターサービスを必要とする移民や亡命希望者の急増などが、増加の一因であると説明している。

こんな感じで急増しているんですが、この理由は何かというとパンデミックの影響が指摘されています。



専門家の中には、パンデミックに焦点を当てた政策や資金援助が打ち切られたことが、急増している理由のひとつだと指摘する者もいる。
コルバーン研究員によれば、パンデミックは非常に破壊的で、米国のいくつかの都市で家賃が劇的に上昇し、多くの世帯に不安定さをもたらした。

これについては私の実際の経験を踏まえて説明したいと思います。

2.アメリカに不動産市場ならではの事情

私がアセットマネージメントをしていた、テキサス州ダラスのアパートの話です。

オリジナルの築年は1964年、何度か改修をしているものの、現在は約5年前に小修繕をしたものを購入してその後大きな修繕をしていませんでした。

実は元々はこの地域は開発が進んでいたので、プロジェクト的には2021年以降にテナントを立退させて大規模修繕をして、売却益を狙ったものでした。

これはアメリカではフリップと言う手法ですが、これはどこの州でもできるわけではありません。
(日本もなかなかむずかしいかもです)。

これが成り立つ要件は所有者とテナントとイーブンの立場である必要があります。

テナントの権利が強いと立ち退き交渉が難しいので。

これが、青い州=民主党が強い州ではむずかしいのですが、テキサス州のような共和党が強い州は、家賃を上げるのに制限もないし、賃料が未納なら、短い督促期間の後に立ち退き(エビクション)ができます。

我々の目論見としては、立ち退き後に工事をしてテナントを入れ替えて高値で売るつもり。
でも、その目論見がパンデミックによって大きく外れることになります。

何がどう変わって、それがホームレス増加とどう関連するかは、また書きますね。

今日はこの辺で。
では〜。





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