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不登校経験から何を得えたのか

夕食時、TVを観ていた息子が珍しく興奮した!

「オリヒメや!!」と。

TVに目をやると、分身ロボットORIHIMEがニュースで取り上げられていた。

息子が不登校だった昨年、私が分身ロボットOriHime開発のストーリーを息子に紹介したことを覚えてくれていたのだ。

嬉しい〜

昨年の今頃、我が家は出口のない、暗くて長ーいトンネルの中にいて、もがき孤立していた。

息子は暴れるし、夫はモラハラするし、娘は精神的不安定になるし、私も魂が生きているのか死んでいるのか訳がわからない状態。

家庭内だけで解決することはもはや無理だ…
家庭に誰か第三者が入って欲しい…

追い詰められていた。

外部にヘルプするのは勇気がいったけど、もうそんな体裁を気にしている場合じゃない、、、

児童精神科や保健師や学校の先生や職場の同僚につながり、とにかく自己開示してSOSをだした。

そして依存先が増えていくと少しずつ新しい価値観が我が家に舞い込んできた。

親の価値観が変わると息子の心も緩んだように思う。

私は安心して学校を休んでよいことを伝えたり、ちょっと回復してきた頃は、何が楽しいことを一緒に始めたいなぁって考えるようになっていた。

「ASDだから社会性を身に付かせた方がいい。だから学校に行かせたい」とか

「社会から孤立してしまうのでは。だから学校に行かせたい」というような一方的な親の考えは一旦脇に置き、息子の気力を回復するためにはどうしたらいいんだろうと息子の立場にたって考えられるようになっていった。

つまり、長い人生を考えた時、学校に行かないということよりも、「学校にすらいけない自分はダメな人間なんだ」という考えやそれに伴い「自尊感情が低下する」ことの方が最大のリスクなんだと気づいたからだ。

自責感、自罰感をなんとかしたい…

だから、不登校にも意味を持たせたかった…

その時に出会ったのが分身ロボットOriHimeの開発者 吉藤オリィ氏だ。

かつて強烈な孤独を経験した元不登校児。
その孤独があったからこそ生まれた彼の価値観に私は共感した。

孤独を解消するにはどうすればよいか。
辛い経験があったからこそ、彼は人生をかけてその問題に取り組むようになった。

「逆境を乗り越えてこそ立派になれるんだ」とか「不登校でも未来は明るいぞ!」
そういう一方的な共感や励ましではなく、、、

不登校は果たして失敗体験なのか?

その葛藤には意味や価値があるのではないか?

そんなことを私は息子と一緒に考えたいなと思った。

今、私の目の前に、まだ不安がありながらも美術の道に進みたいと主体的に自分の人生を歩き出し、そしてOriHimeの番組を釘いるようにみている息子がいる。

不登校経験を通じて、きっと息子は何かを得たんじゃないかと思っている。

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