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矛盾するコミュニケーション

「言われたとおりやったのに怒られた」「求められたことをしたつもりだったが、何が正しいのかわからなくなった」


職員が上司から依頼されて行ったことに対して、歓迎されなかったり注意されたと感じることがあるようです。


そんなとき、職員の頭は混乱してしまい思考停止状態になり、精神的ストレスを感じてしまっています。


なぜそのようなことが起きてしまうのでしょうか?
それにはどんな弊害があるのでしょうか?


ここでは、部下や後輩、生徒、子供を持つ、相手よりも強い立場にいる人が気を付けるべき、「矛盾するコミュニケーション」について考察します。

ダブルバインド


アメリカの精神科医グレゴリー・ベイトソンが唱えた理論に「ダブルバインド理論」があります。

ダブルバインドとは、心理的二重拘束を意味します。


1つのメッセージの中に複数の異なるメッセージが含まれている状態であり、ダブルバインド状態が続くとメッセージの受け手に次のような悪影響を及ぼす可能性があります。


・自分の感情を抑え込むようになる

・自信が持てなくなり、自己肯定感を下げる

・意思決定ができなくなる

・統合失調症になる


これは職員の成長を抑制するどころか、精神的ストレスから体調を壊してしまうこともある重大な問題です。


また、「より良い仕事をしよう」という気持ちよりも「問題を起こさないようにしよう」という気持ちが強くなり、仕事のパフォーマンスが低下してしまいます。


ダブルバインド状態は日常の様々な場面で起こりうることで、職場の上司と部下のコミュニケーションだけでなく、学校の先生と生徒、家庭の親と子の間のコミュニケーションにおいても生じる場合があります。


どのようなケースがあるのか、ここからはダブルバインドの具体例について挙げていきます。

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