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データマネジメントの最前線!Enterprise Data World(2024)参加レポート

久しぶりの投稿になります。
今回は、先月参加したEnterprise Data World(以下EDW)2024の感想や概要についてをご紹介します!
データマネジメントに興味がある方はぜひご一読いただければと考えています。


EDWとは?

概要 

EDWとはDataversityが主催する、データマネジメントのプロフェッショナル向けの国際的なカンファレンスです。このイベントは、データストラテジー、データガバナンス、データ品質、ビッグデータ、データアーキテクチャ、データセキュリティなど、データマネジメントのあらゆる側面に焦点を当てています。
EDWは1990年代後半から開催されており、毎年データマネジメントの専門家たちが集まり、最新のトレンド、ツール、技術について学び、情報交換を行います。カンファレンスでは、著名な専門家による基調講演や、ケーススタディ、ワークショップ、インタラクティブなパネルディスカッションが行われ、参加者は業界の最前線に触れる機会を得ます。
※Chat GPTにEDWの概要をまとめていただいています。ご承知おきください。

開催場所

毎年アメリカで開催されており、年によって開催地となる州が異なります。
昨今はコロナウイルスの影響もあり、オンライン開催となっておりましたが、今年は4年ぶりに現地での開催となり、アメリカのオーランド州で行われました。

参加者

一般にシステム開発者や、データアーキテクト、データエンジニア、データサイエンティスト、ビジネスアナリスト、など、データに関連する様々な役割を担うプロフェッショナルが参加しています。
日本で開催されるデータマネジメント系のイベントと異なる点は、ベンダ系企業(コンサルタントやツールベンダーなど)よりも、ユーザ系企業や政府機関の方々が多く参加されているという点です。
(アメリカは日本と違い、IT人材の多くを内部で抱えているという違いはあるものの)真にデータに関する悩みを抱えている方が多く参加されているという印象を受けました。
また、アメリカ出身の参加者が大多数を占めるものの、カナダやイギリス、ブラジルなどアメリカ以外の国から参加される方も多くいます。(ちなみに、現地で他の日本人の方もお見かけしました。)

今年度のEDW(EDW2024)について

開催地

前述の通り、今年はアメリカのオーランド州で開催されました。会場はディズニーワールド近くのホテルだったのですが、開催期間がイースターという祝日の直前だったため、EDW参加者以外にも多くの方がおられました。
(ちなみにディズニーワールドには行きたかったですが、行けてません・・・泣)

開催日程・開催プログラム

日程は、3/24(日)~3/29(金)までの6日間で、以下のように各日程でプログラムが異なります。

EDW2024プログラム
  • ※プログラム補足:
    3/24に行われた、Women in Data Management & Governanceは今年初めて実施されたプログラムで、データマネジメント業界で働く女性のキャリア形成などに関するディスカッションや、プレゼンがあったようです。(私は参加しておらず、伝聞です。)
    3/25のチュートリアルは、特定のデータマネジメント領域に関する講義を半日間みっちりと行います。スピーカーによって、スタイルは異なりますが(ディスカッション形式のものや、ワークショップを挟むものなど)、どの講義もデータマネジメントを深く学べる良い講義ばかりでした。
    3/26~27は、1時間ほどのキーノートのプレゼンがメインとなっており、各社の事例発表や、ツールベンダーの自社製品の解説など様々なプレゼンを聴講することができます。(ちなみに、このプレゼン枠は誰でも応募ができ、プレゼン内容が認めれスピーカーとして招待されれば、EDWの参加費も免除されるそうです。これを読まれている方も是非応募をご検討いただければと思います!笑)
    3/28~29は、2日間朝から夕方までみっちり1つの講義に参加するものと、1日のみ朝から夕方までみっちり1つの講義に参加するものに分かれます。これは、EDWの参加申し込み時にどちらにするかを選択できます。
    以上のように、約1週間データマネジメントにどっぷり浸れるイベントになっております。私は3/25から29まで参加しましたが、非常に有意義かつ充実した時間を過ごせました。

ちなみに会場の雰囲気(昼食時)はこんな感じでした!

今年度の講義について

EDWでは、様々なスピーカーにより多くの講義が実施されているため、個別の講義に関する説明はこの場では避けますが、ここでは取り扱われることが多かった講義のカテゴリーを簡単にご紹介します。
よく見かけたのが次の3つのカテゴリーです。
・データガバナンス
・生成AI・AI
・データストラテジー
データガバナンスは毎年取り扱われることが多いテーマのため、ここでは特に言及しませんが、それ以外の2つについては非常に興味深かったです。
まず、生成AIやAI関連の講義ですが、これは実際にいくつか聴講しました。
講義のパターンとしては、①生成AIのためのデータマネジメント、②データマネジメントのための生成AIという2つのパターンが多かった印象です。
①は生成AIに正しい答えを出してもらえるようデータ品質に取り組むとか、マスタデータを整備するといった内容の話が多く見られました。
②はAIを利用した、マスタデータの名寄せやメタデータの作成など、生成AIを利用し、データマネジメントを楽にするといった内容の話が多かったです。
とはいえ、どの講義も深い内容までは踏み込んでおらず、生成AIをどのようにデータマネジメントに活かしていくのか試行錯誤している段階かなと感じました。
続いて、データストラテジーですが、これはデータマネジメントをよりビジネス側にも認識してもらえるように、企業の経営戦略と整合性を合わせながら、データマネジメントやデータガバナンスの戦略を立てていくにはどうしたらいいか?といったテーマが多く見られました。
この背景としては、やはりどこもデータマネジメントとはIT側が実施する内容だと考えられており、ビジネス側まで巻き込むことができず、うまくデータマネジメントを進められないという現状を何とか打破しようとしているところにあると考えています。
どの講演でもツールを導入すればデータマネジメントがうまくいくわけではないデータを資産として捉えるように組織のマインドセットを変えていくこと、その上で資産を管理するための戦略を形にすることが大事だといった話をされていたのが印象的でした。

参加しての感想

参加の目的

そもそも、今回EDW2024に参加する上で、データマネジメントをどのように組織に定着させ、推進力を持たせるか?を知るという点を私個人の受講テーマにしていました。
というのも、私自身データマネジメントのコンサルティングを行う中で、データマネジメントに取り組んでみたはいいものの、経営層や、ビジネス側のサポートを得られずうまく進められない、もしくは頓挫してしまう。といった悩みをよくお聞きしており、これを解決するための答えも中々見つけられずにいたためです。
そんな中で、今回EDWに参加する機会をいただけたので、データマネジメントの最前線であるこの場であれば、何かヒントが見つかるのではと考え、こういったテーマを掲げ参加しました。

参加の感想

まずは、今回参加した目的を達成できたか?という点ですが、これは達成できたと考えています。
というのも、前述の「今年度の講義について」の中の、データストラテジーに関する講義で、これだ!というものが見つかったからです。
次回以降のブログで、その内容を少し紹介していこうと考えています。
その他今回参加してみての感想についてですが、一番感じた点は、どの国でもデータマネジメントに関して同じような悩みを抱えているのだなという点です。
スピーカーや参加者の方々と話す機会も多くあったのですが、どの方もデータ品質が上がらないとか、データウェアハウスの開発者が構造や配置の標準化を全然気にしてくれないとか、中々経営層まで巻き込めないからスケールを拡大できないなど日本の企業でも聞いたことがあるような悩みを他の国の方々も同じように持っていました。これは非常に親近感が湧きましたし、同じような問題に取り組む方が世界中にいるということを知れたのは非常に良かったです。
もちろん、講義の内容は業界の最前線というだけあり、日本で聴くものよりも1歩・2歩くらい先に進んでいる印象を受けました。
地理的にも気軽に参加できるものではありませんが、ぜひ一度参加されてみると良いのではないかなと考えています。

最後に

ここまで、長々と参加レポートを書かせていただきましたが、まとめると非常に有意義な時間を過ごすことができたに尽きるかなと考えています。
次回以降のブログでは、今回参加した講義の1つであるデータストラテジーについて少し深掘りしていこうかなと考えています。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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