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電撃戦だからこそ残酷なまでに現れた騎手の差、騎乗技術の差が生んだアタマ差とは?(第54回高松宮記念・第31回マーチS・第72回日経賞・第71回毎日杯回顧)

この記事は、競馬評論サークル芯力のスペース2024.03.24 16:30~からの文字起こしです。


第54回高松宮記念

蒼山サグ(以下、蒼):本日中京11レースで行われました高松宮記念の回顧に移っていきましょう。こちらは、こひさんからもしっかり話を聞かなければいけないなと思うところが非常にあるんですが、まずはゆたさんから全体の感想をお願いできますでしょうか。

くらみゆた(以下、ゆ):今日の中京競馬場は、馬場状態にバイアスが結構あるなという状態で、内が使えるものの、一番良いのは内から5、6頭目あたりというところで、かつ後ろが全く伸びないというような状況でした。日曜のレースでは川田将雅騎手や武豊騎手の進路取りというのが目立った形になっていたんですけれども、今回本番の高松宮記念については、それをしっかり理解した坂井瑠星騎手の好プレーが光ったのかなというふうに思います。

レースの方なんですけれども、逃げると見られていたビクターザウィナー。こちらが当然のようにハナに立とうとしたところですが、内から坂井瑠星騎手とマッドクールが結構押してポジションを取りに行ったというのが、一つ今日の攻防のポイントだったと思います。ここで簡単に内に入りさせない意思をみせたことで、ビクターザウィナーとしてはハナに立つのに3コーナー手前ぐらいまで時間がかかったというところがありました。結果的にハナには立てたんですけれども、そこからさらにもっと速い流れを作り出すというのは、ちょっと騎手心理的にやっぱり難しくなってしまったのかなというふうに思います。結果としては前半の3ハロンが34秒9、中盤の400mから800mが12秒3、12秒2と推移しましたので、ややペースが緩んだ形。この結果として、馬場状態的に後方につく馬にとっては、さらに厳しい展開になってしまい、完全に前々の勝負で直線に入りました。

直線に入ると逃げたビクターザウィナーは、レース前に予想していた通り、今日のレースで一番伸びそうな進路を確保しました。一方でマッドクールの方は内側を選択し、ここでの追い比べとなりました。この争いはビクターザウィナーはペースが緩んだことで消耗戦に持ち込めなかったこともあり、マッドクールのあっさりと離す形に。ただそこからマッドクールが勝ち確かなと思ったところ、内から伸びてきたのがナムラクレアでした。一旦抜け出して緩みかけたマッドクールを再度追い詰めましたが、最後はなんとかマッドクールが押し切っての勝利となりました。

勝ったマッドクール。先ほども話した通り、最初のスタートでポジションを取り、ビクターザウィナーに気持ちよく逃げさせなかったことが大きな勝因だったと思います。もしビクターザウィナーにさっと行かせて後ろにつける形をとっていると、恐らく速い流れで気分良く行かれて、逆に最後は止まっていた可能性もあったと思います。今回の内枠を生かしてレースを支配できたことが大きかったと思います。あとは内ラチ沿いの馬場が死んでいなかったので、左に刺さってしまうこの馬としてはそこもラチに頼って走らせるのも良かったのかなと思います。

ただ最後、直線抜け出したナムラクレアに迫っているのを気づかなかったのか、1回緩めてしまっていました。どこまで影響があったかはさておき、スピードメーターを見ていると、最後緩めたのにあわせて失速しているのは間違いなかったので、今回結果的に差されなかったから良かったんですけど、差されていたら本当に、スプリンターズステークス以上に後悔の残るレースになってしまったのかなと思います。レース後のテレビでの坂井瑠星騎手のインタビュー、勝った割にはちょっと硬かったなというのはその辺が引っかかりがあったんだろうなと思います(苦笑)。その辺は本人認識されていると思うので、勝って良かったですけど、本当に気を付けた方がいいなと思いました。

2着のナムラクレア。これはちょっと私の想像以上に強い競馬をしたいと思います。ぶっちゃけ勝てた競馬だったんじゃないのかなという感じなんですが、こちらのコメントは、こひさんに譲りたいと思います。

3着のビクターザウィナーですね。これは個人的には昨日も話した通り狙っていた通りの走りでした。レースそのものとはちょっと離れちゃうんですけど、今日のレース、単勝を見ていると結構メイケイエールに票が入ったので、オッズが歪んでいるように見えました。それを踏まえるとこのレースは単複で勝負だろうなと思いまして、最終的にはビクターザウィナーの単複とマッドクールの単勝で勝負したので、これが3着に残ってくれたのは私情ですが良かったです(笑)。本当にもっとハナに立って、速いペースで最後まで引っ張れれば面白かったのかなと思うんですけれども、能力通りには走っているのかなと思います。香港の一線級と勝負できているスプリンターがいたら、無条件で馬券に入れていかないといけないのかなというのは、今回改めて思ったところではありますね。

4着のウインカーネリアンは三浦皇成騎手が良い騎乗しているとは思うのですが、鞍上はG1が遠いというか、勝ち運はなさそうな競馬でした。5着のロータスランドは、本当にスタートした瞬間に岩田康誠騎手が内に切り込んで、ナムラクレアの後ろを通るという、ロータスランドを本命にしている全員が期待している展開で、最後に力強く伸びていくというレースでしたので、これは文句なしだったのかなと思います。

トウシンマカオビッグシーザーが仲良く並んで6着、7着という形になりました。去年もちょっと触れたのですが、ビッグアーサー産駒は重馬場は今ひとつなのかなというところもあるので、高松宮記念は1200m得意のビッグアーサー産駒にしてもちょっと苦労しそう。勝つならスプリンターズステークスなのかなというイメージですね。例年と違ってドバイと1週ずれたので、騎手が揃った今年の高松宮記念。結構馬場のバイアスが強いレースだったので、しっかりと生かせた騎手の腕というのが光ったレース結果になったと思います。以上になります。ありがとうございました。

蒼:では続きまして、こひさんから今回は補足というか、ナムラクレアについて。重点的によろしくお願いします(苦笑)。

こひ(以下、こ):ナムラクレアについて。とにかく勝てる条件でしたね。昨日の展望でも、現役の間にもう一回G1を勝てる条件、天候や枠という意味では巡ってきていたなという話をしていたんですが、まさにその通りで巡っていたんです。しかし、同じように巡ってきていたマッドクールの方が上手くなったなというところでの今回の結果だったかなと思います。

ポイントは2つあると思います。まずは序盤のポジション争いで引いてしまったことですね。先ほどゆたさんからの回顧でもありましたが、結果的にはペースがあまり上がらなかったというところもあります。2枠から隣を先行していくマッドクールの後ろを取りに行こうという意思を見せずに、内側にいたビッグシーザーにすんなりと渡してしまい、マッドクールから見ると2つ後ろのポジションになってしまったところです。浜中騎手はある程度前に行く競馬をこれまでしてきた経験値もありますので、そこに関してはもう少し今回与えられた枠順の利を生かすような競馬ができていればなというところは非常に思わされましたね。多分そういった位置取りですと、直線で一番内の一列のところを通らなくて済んだかなと思いますし、もうちょっとスムーズな形で突き抜けていておかしくなかった印象です。

とはいえ今回一番良くなかったのは、直線での右鞭二発で内によれたところです。私自身もこの馬に集中してレースを見ていたのですが、直線で入ってすぐのところで右鞭を入れてちょっと内に刺さるところはありました。これは仕方ないところで、そこから再度立て直して、外にも出てマッドクールに並ぼうというところまできたのはよかったのですが、そこでまた右鞭を浜中騎手が打ってしまったんですよね。そこでまた改めて内に刺さりまして、せっかくマッドクールの外に行けそうだったのに、改めてマッドクールの真後ろに自ら入っていってしまったと。そこから改めてもう一回外に出して追い詰めたところで、ゴールというような形になりました。

この2回目の右鞭ですね。並びかけてきっちり馬体を合わせた後まで我慢ができれば、あるいは鞭を持ち替えて左から打てるテクニックがあればというようなところの両面がすごく感じられる直線ではありまして、このあたりが騎手の技量で勝てなかったというところが、今回かなり明確に見えてきてしまうパトロールフィルムだったかなと思います。非常に残念ですし、浜中騎手は何度も漢になれと言っているんですが、これではなかなか漢になれないなというところは、すごく思ってしまうレースではありました。やはり枠順と天候と勝てる条件は準備されたのに勝てなかったというのは、たぶんスプリンターズステークスに続けてかなと思います。

今回このレースが引退レースの3頭いましたが、6歳春に引退するという常識的な流れで考えると、あとは今年のスプリンターズステークスと来年の高松宮記念の2回しかG1チャンスはないです。改めてその2回のうちにこんな機会が巡ってくれるのかなというところに思いを馳せ始めてしまう、残り1年の現役生活というような印象です。

そろそろ鞍上を含めた判断があったのではないか。特に今回高松宮記念はドバイの裏ではなくなったということがありまして、結構騎手が入れ替わる形で望んでいる陣営ですとかもいた印象ですので、そういったところも含めてどうすれば彼女のG1制覇にたどり着けるかというところは、また陣営にも大きな宿題が残されたかなというような印象です。とにかくあと2回のチャンスでどちらかで巡ってくれることを期待して見守りたいなと思います。

あとはレースの全体的なところで思いましたが、ビクターザウィナーですね。これたまにあります。逃げ馬が馬場のいいところを通りに外に行くというような、まさにその動きをしていたんですが、分かりやすいので言うとママコチャの川田騎手なんですが、その後ろにいた馬は外の勝負圏外に飛ばされるというところですね。今回ですと、先頭に行っていたビクターザウィナーとその後ろについていたウインカーネリアンまでは勝ち筋に残れたんですが、それより外に送られてしまった馬は、そういった動きを逃げ馬がした時点で完全に終了というような状態でした。次走以降狙うのはそういったところから見ていけたらなと思います。

マッドクールの坂井騎手はレース後のインタビューでも言ってましたが、内ラチを頼りたい馬なので、それを信じて待つというようなところで、こういうところの動きになるというところも見据えての序盤の駆け引きだと考えますと、なかなか素晴らしい騎乗をしたなというような印象です。以上になります。

蒼:ゆたさんから改めてありますか?

ゆ:改めて見ると、ナムラクレアはこの馬だけ上がり0.5秒違って33秒2で上がってますからね。ちょっともったいなさすぎるレースだったなというふうには思いますし、私の思っている強い馬なので、この馬がG1未勝利で終わってしまうと、本当に陣営のジャッジミスというのは問われてしまうのかなというふうに思いました。

蒼:こひさん、最後に何かございますか。

こ:勝ち馬ですね。マッドクールが、いわゆる横文字が並んでいるタイプのサンデーレーシング、ノーザンファームが買ってきた馬というところで、こういったスプリント路線のG1馬を自分たちのところで持ってというところはあまりない形ではありますので、将来的なところで種牡馬入りしたあとも非常に楽しみな牡馬がG1を勝ったなというような印象です。シュネルマイスターもうかうかしてられないですね。

蒼:血統的なアドバンテージがこの馬に対してはあまりないので、マッドクール種牡馬入りする前に良い産駒が出るなノーザンファームの人に思ってもらえないとですね。

ゆ:ブリーダースタリオンステーションがね。もうどちらかほしいでしょうからね(笑)。

こ:血統表見ても面白いですね。Dark Angel、こちらの父系のほうをさかのぼっていくのは、Try My Bestとか。日本でいまいちそこまでパッとしなくて、どちらかというとダビスタとかで触れてきたりした種牡馬が並んでいて。すごく不思議な気分になる血統表ですね

蒼:ちょっと一昔前ですよね、全体的な血統表が。KlaironとかAhonooraとか。Ahonooraの4×3とか。

こ:そうなんですよね。今後のタイトルの上積みですとかで、多分相手の繁殖牝馬の質とかが変わっていくと思いますが、ちょっと日本の中でどういう存在感を発揮するか楽しみな血統だなというところは付け加えさせていただきます。

第31回マーチS

蒼:マーチSの回顧をこひさんからお願いします。

こ:川崎記念が4月に移って、フェブラリーと挟まれる形になったドバイの裏番組、ハンデG3らしい、リステッドの延長戦というような位置づけに今後もなっていくそうなレースかなと思います。今年は実際集まったメンバーの結果もまさにそんな感じになったかなという印象でした。

今回もレースの方でハナを切っていったのがミトノオー。高松宮記念の裏というところもありまして、、久しぶりに鞍上が木幡巧也騎手の方に戻ってきた形になりました。この鞍上が速いラップでの逃げを打ったのが大きなポイントだったかなと思いまして、後続をかなり離す形の逃げで、直線の入り口でも押し切りが決まったかというふうに思わせる瞬間もありました。ただそこに対して飛んできたのが勝ちましたヴァルツァーシャルというような形。みるみる差を詰めていきまして、ゴールでは鞍上の斎藤新騎手のややフライング気味なガッツポーズを飛び出すこととなりました。

こちら勝ちましたヴァルツァーシャルですね。縦長になった速い流れというところに対する適性がすごくあった印象です。道中は枠が内だったこともありまして、内を回りつつ、馬群が縦長になっていますので、3コーナーから外に出して非常にロスなく行けまして、4コーナーのところを見直してますと、本当に凄い手応えで回ってきているような状態でした。前方にいた馬の数も多くないので、持ち出すロスも大きくなくて、全てがうまくはまったレースだったと思います。鞍上の斎藤新騎手は、こういった派手なガッツポーズが時折目につくところがありますが、このレースを改めてリプレイを見ると、今日はさぞかし気持ちよかっただろうなと、こういうのが出る気持ちもわからんでもないというようなレースでした。このレースで一番人気のブライアンセンスですね。これが父親の所属の馬でしたので、その馬を尻目に快勝というところで、本人的には気持ちよかったのではないかと思います。

昨日堀調教師がしっかり勝たせるという話をしていたのですが、今日はダートの高木登調教師。高木調教師の使い方のうまさというのが非常に光るレースだったと思いますね。特にやはり所属する馬それぞれの適性を見ながら、うまく東京、中山を使い分けながらダート馬を育成する調教師だという印象ですし、こういったところを狙ってタイトルを勝たせるというところが素晴らしい手腕だと思います。

2着のミトノオーですが、この馬にとっては中央場所の方がいいのではないかというぐらい気持ちのいい脚を刻んで、自分の能力をきっちり出し切るという、非常に収穫の多いレースだったのかなと思います。鞍上も含めて、今後また地方交流に行くのか、あえてJRAのレースを選んでいくのかというようなところの今後の選択が気になると思いますが、自分が飛ばしていってレースを作れるということを考えますと、頭数が多くてもあまりやることは変わらないので、地方競馬でもうちょっと見てみたいという印象です。

3着は前で粘ったペイシャエスという形になりました。全体的に速いラップでの消耗戦に対する適性というところが着順に出たというようなレースだったと思います。

第72回日経賞

蒼:続きまして、日経賞の回顧に移りましょう。こちらは、まずこひさんからよろしくお願いします。

こ:日経賞ですが、超一流のメンバーはドバイへ行き、一流組は大阪杯へ向かいます。それ以外の路線組も、大体は別のトライアルから春の天皇賞へ進むという感じで、登録の時点で日経賞??というような手薄なメンバーとなってしまいました。そんな中で、今日は騎手の方がレースを面白くしてくれたという印象です。

レースについてですが、いつも何をするかわからないところがありますマテンロウレオと鞍上横山典弘のコンビが、スタートから明確に先頭を目指してハナを叩いた形。どんなペースを刻むのかなと思いましたが、1本目あたりから結構外に膨れるなど、意図しているというよりは気難しい面を見せたこともあり、ラップが少し早まったと感じました600-1000m前後のところでラップが早まり、結果的には11秒5、11秒6というラップを挟む形で、比較的序盤が早めに流れる展開になり、馬群の見た目も大逃げのような形になりました。ただそこからペースを12秒台半ばに落としていく様子はさすがの横山典弘騎手の技術といったところ。ただ今回のような手薄なメンバー構成では、このまま逃がすのは他の騎手も流石に不味いときづいたか、今回はアドマイヤハレーに乗る丹内祐次騎手が追い掛けたのがレースの綾になりました。加えてボッケリーニの鞍上である浜中俊騎手が追いかけてしまったのですよね。結果として、マテンロウレオに早めにプレッシャーをかける展開となり、後続も追随した動きに。直線では馬群が凝縮される形になりましたが、それでもマテンロウレオは4着。その中でシュトルーヴェが鮮やかに抜け出す展開となりました。

道中のシュトルーヴェの走りを見直すと、一番仕掛けは遅かったかなと思います。前にマイネルウィルトスがいて、外にクロミナンスがいて、あまり動きやすい状況ではなかったという側面はありましたが、慌てる素振りを見せず、それでも外に出していこうとせずに、内で馬の間が空くのを待って捌けるというところにかけました。そういった鮫島克駿騎手は、非常に良い機会だったと思います。騎手が腹を決めてそのような選択をしたことが、結果に結びついたレースだったと思います。この馬についてですが、改めて見て思うのが、堀調教師の手腕ですよね。G1まではちょっとといった馬に適切なレースを選び、勝ち切らせるというマネジメント力特に今年は、チャックネイトサクラトゥジュールのような馬をきちんと勝ち切らせるところが、春の関東重賞で続いていると思い、非常に高いマネジメント力を感じます。

2着のクロミナンス。これも一時期から立て直してきた印象があり、非常に成長していると感じます。そういったところを見ると、展開次第でどこかでタイトルを掴める可能性があると思います。最後にボッケリーニです。これに関しては、単純に動きが早すぎた、浜中騎手の失敗ではないかと思います。これを反省して明日はしっかり結果を残してもらいたいと思います(苦笑)。以上です。ありがとうございました。

蒼:ゆたさんからのお話がありましたら、よろしくお願いします。

ゆ:このメンバー構成を見て、関東の長距離線で、これは追走義務違反が出るのかなと思って、笛を鳴らす準備していたのですが、丹内祐次騎手がちゃんと潰したというのは、ちょっと良かったところだと思います。一方で、ボッケリーニが動いた理由も本当になかった気がしますね(苦笑)。まあそれがなくとも勝ち味の遅い馬を1番人気というのは難しいと改めて思いました。

第71回毎日杯

蒼:毎日杯の回顧、ゆたさんからまずはよろしくお願いします。

ゆ:このレースで中心視されたのは、新馬、新馬戦と連勝したノーブルロジャーとなっておりました。こちらが距離延長をこなせるかというところと、それに対して新馬、一勝クラスの勝ち馬がどう対抗するかというポイントでしたが、終わってみると、まさかのメイショウタバルの圧勝というところでした。これは本当に春だけじゃなくて、秋以降が楽しみになるパフォーマンスだったと思います。

レースの方なんですけれども、ノーブルロジャーが好スタートを決めるも、外からメイショウタバルがハナを主張してくるという展開で、2番手の内に収まったのがノーブルロジャー、外からナイトスラッガーと、サトノシュトラーセニュージーズという人気馬が後ろからという隊列になりました。前半の3ハロンが35秒2というところで、馬場を考えるとミドルから少し早めといったところだったんですけれども、600から1200mのところで12秒1、12秒3、12秒0と、少し緩んだところもありましたので、直線に入ると馬群は一団になった形で、最後の直線を迎えました。こういう展開だったので、末脚勝負になるかと思ったのですけれども、内からハナを譲らなかったメイショウタバルは本当にみるみる後続を突き放して、逃げ切るような競馬で圧勝しました。2着には2番手からノーブルロジャーが入るという形。

勝ったメイショウタバルは、まずはこの馬場が非常に合っていたというところがあると思います。鞍上の坂井瑠星騎手も、父ゴールドシップという血統背景を意識して、長く良い脚を使わせるような競馬をするという騎乗が光ったと思います。ただ、逃げて上がりも1位という競馬ですので、適性だけでは片付けられない、結構インパクトがある勝ち方だったと思います。父ゴールドシップ譲りで、フレンチデピュティという血統からは、ダービーだと少し斬れ負けのイメージが出てきてしまうというのと、皐月は間隔が詰まっているのでどうなるかというところはあるのですが、やはり秋に向けて、特に菊花賞が楽しみになる競馬だと思います。本当にゴールドシップの正当後継としての活躍を期待したくなる競馬だったと思います。

石橋守調教師も、これが重賞初勝利だったのですが、こちら母親のメイショウツバクロが石橋守調教師の騎手としての最後の勝利の馬だったということで、ドラマのある結果となりました。父も人気がありますから、今後走っていくと人気が出てくるのではないでしょうか。長距離路線の人気馬が減ってきてしまったので、この馬にも期待したいと思います。

2着のノーブルロジャーですが、こちらは後続とを押さえ込んだいうところは立派だと思います。ただ、1着馬とは馬場と距離適性の差があったのかなという印象はあります。やはりマイルがベストというイメージがありますので、NHKマイルカップに向かうのであれば、新馬戦で東京のマイルで勝っていますので、当然無視できない存在だと思います。以上になります。

蒼:ありがとうございました。こひさんからの補足はございますでしょうか。

こ:私も、メイショウタバルには驚きました。久しぶりに毎日杯から皐月賞へ行ってほしいと思いますね。ただ鞍上が皐月賞日本ダービーになると、坂井瑠星騎手は、シンエンペラーに乗ると出ていますので、鞍上を含めてどうなるのかというところですね。先週のスプリングステークスを見送ったり、それ以前の若駒Sを取り消したりと、ちょっと不安なところがあるのかなというのは見て取れる馬なので、レース選びは難しいですが、個人的な感覚としては皐月賞菊花賞でどういう競馬をしてくれるのかを見たいという気持ちが非常に強いです。あとは、3着のベラジオボンドですね。この馬はもともと気になっていましたし、共同通信杯組がどんな競馬をするのかという点も含めて見ていましたが、なかなか見どころのある競馬で最後までノーブルロジャーを苦しめていたので、共同通信杯というレースは評価に値するのではないかという印象も持ちました。以上になります。はい、ありがとうございました。

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