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混戦から一強へ。ヴィンテージイヤーのキズナ産駒がその積み重ねと厩舎力で頂点に向かう(第84回皐月賞・第29回アンタレスS・第33回アーリントンカップ回顧)

この記事は、競馬評論サークル芯力のスペース2024.04.07 16:30~からの文字起こしです。


第84回皐月賞

第84回皐月賞 出馬表

蒼山サグ(以下、蒼):G1皐月賞の回顧に。こちらは、まずゆたさんからお願いいたします。

くらみゆた(以下、ゆ):昨日の展望で話した通り、牝馬のレガレイラを中心として、牡馬のクラシック路線が語られてきたわけですが、終わってみると3戦3勝で無敗の皐月賞馬が誕生するという形で、今年の3歳牡馬クラシックの軸が決まった一戦だったと思います。

まずレース前のゲートに入る前のところですが、ダノンデサイルが競争除外という形になりました。これは横山典弘騎手の判断。横山典弘騎手であれば、とりあえず走らせらて後方からポツンと回ってくることもできるメンタルや技術の持ち主ですので、それすらできない状態だったという判断だと思います。無理をしないでよかったのかなと。ゲートでそういうところがありましたので、今回17頭という形になりました。スタートで目立ったのが、やはりジャンタルマンタルの川田将雅騎手ですね。距離不安がレース前から言われていただけに、もう少しソロッとしたスタートでも不思議ではなかったと思うのですが、しっかりポジションを取りにいくような競馬で出していきました。これでしっかり折り合えるわけですから、やはりこの辺が川田騎手の技術かなと思います。

そんな流れの中で、ハナを主張したのが、こちらは想定通りだと思いますが、メイショウタバルジャンタルマンタルが3番手、後ろにジャスティンミラノ。あとは外にシンエンペラー、内にミスタージーティーで、レガレイラは後方からという競馬になっています。向こう正面に入ったところでメイショウタバルがかなり飛ばす展開で馬群は縦長になっています。これ前半の1000mが57秒5というところで、2ハロン目が10秒5で、その後11秒5、11秒7、11秒6というところでも息をつくところのないような流れになりました。ちょっとさすがにこれはもう見てて止まるなという感じの流れでレースが進んでいます。4コーナー手前からですね、まず動いたのがジャンタルマンタル、その後ろから促しながらジャスティンミラノの後はシンエンペラー。この辺で遅れてしまったのはミスタージーティー。レガレイラはちょっと行く処がなくて、やっぱり進路なくして馬群に突っ込むような形で直線に入っています。直線に入ると早々に抜け出したジャンタルマンタルが先頭、一度は突き放しても川田将雅騎手が右鞭、右鞭、左鞭の叱咤で粘ったんですけれども、手応え悪そうに見えたジャスティンミラノは本当に一完歩一完歩伸びきてきて最後は1着。連れて伸びてきたコスモキュランダが2着、3着にジャンタルマンタルという結果になりました。

勝ったジャスティンミラノですね、これレガレイラと勝負付けがついてないという話は昨日もさせていただいておりまして、もし皐月賞頭まで突き抜けたらもう絶対ダービーは間違いなしだろうぐらいの感じだったんですけども、想像以上のポテンシャルがあったなという結果だったと思います。今回のレースでも+10kgというところで、明らかにダービーを見据えた仕上げ。本当に皐月賞ではちょい負けでダービーで一番人気みたいな形でも不思議ではなかったと思います。

ところが手応えが悪い中で坂を上がってからも一気の伸び。前走の共同通信杯はスローだったのでちょっと追走性能に未知数なところがありましたけれども、血統的にも十分こなせる下地はありました。その辺の能力が開花したなと思います。何より3戦3勝、3つ目のレースでこれだけのレースをしているわけですから、前走スローだったにも関わらずということを考えると、調教でしっかりとG1を勝ち切るだけのタフさを備えてきたというところ、クラシックの勝ち方を知っている友道厩舎の厩舎力というのが今回本当に見せられたなと。それだけに調教パートナーとしてこの馬を作るのに携わった藤岡康太騎手の功績というのが語り継がれるのは自然なことなのかなというふうに思います。

戸崎騎手の騎乗も見事だったと思います。ジャンタルマンタルが前に行ったあと、前半はしっかりとその後ろのポジションを確保できました。スタートからしっかり出してこのポジションを取れたというところが非常に大きかったと思います。向こう正面に入ってからはジャンタルマンタルの斜め後ろを追走する形で、4コーナーではちょっと手応えが怪しくて、この辺はやっぱり体調面というか太めの部分が出たのかなというふうに思ったんですけれども。本当に最後まで馬を動かし続けて気迫のこもった素晴らしい競馬での勝利になりました。

ダービーに向けては条件も体調も上積みしかないでしょう。どんな騎手も相当力が入っていて、勝ちに行くでしょうから、ダービーに向けては抜けた一番人気となっておかしくないと思います。キズナ産駒も今年来年と最高の繁殖が揃っているという話は何度もしているのですが、そんな中でしっかり3歳クラシックの勝ち馬を出したというのは今後に向けても楽しみな形になるかなと思いました。

2着のコスモキュランダですが、これもまたモレイラ騎手が本当にいつも通りロスのない競馬でした。ずっとインベタで脚を溜めて、4コーナーではシンエンペラーが動いた後ろを狙い澄まし、外に斜めに進出すると本当に相変わらず見事なコース取りで伸びてきました。3着のジャンタルマンタルですが、こちらもほぼ勝ったかのような競馬だったのですが、残り100mで力が尽きてしまいました。今日はかなりペースが流れて追走性能を問われるような競馬だったと思いますが、その中で前々で勝負しての3着ですから、このままのポテンシャルも十分に発揮できたのかなと思います。ただ本当にすごく絞り出すような競馬でしたので、反動が出ないかというのはちょっと心配なところですね。

最後に6着に敗れたレガレイラですが、これはちょっと2コーナーを回ったところで向こう正面に入ったところで、外に行くのか内に行くのか若干進路を見失っているような雰囲気で、結果的には勝負にならなかったウォーターリヒトあたりが邪魔になってしまって、結局は道中馬群の中、4コーナーでも前が壁になってしまいました。直線手前でサンライズアースが外に逃げるような形になって進路が開いてから伸びてきたのですが、時すでに遅しという形になりました。この辺は馬としての経験不足もあったかなと思います。正直、ルメール騎手だったらどう乗ったのかというのは見たかったという感想は否めないですね。上がりは33秒9というところで1位という形にはなるんですけれども、ジャスティンミラノが相当今回余裕残しの試合でこれだけの走りだったので、ちょっと逆転というのはなかなか大変なのかなとは思います。ただ、ダービーでは着順上げてくるかなと思いますので、後はルメール騎手が間に合うかというところかなと思います。以上になります。

蒼:続きまして、こひさんの方からもよろしくお願いいたします。

こひ(以下、こ):1分57秒1というレコードは本当に衝撃的なレースでした。昨日の展望の時にメイショウタバルがひょっとするかもというような話をしてたんですが、そこまでの怪物ではなかったなと。ただ今回のやはり隊列ですとかそういったところは多分それぞれの騎手がメイショウタバルを意識した隊列だったようにも見えていて、そういったところも非常に面白かったですね。多分ジャンタルマンタルの川田将雅騎手が前につけていったのも、やはりそういう形である程度メイショウタバルを中心に速めにレースが流れていって、差し追い込みでは届ききらないようなケースがあるだろうというところからの積極策だったようにも見えましたし、その後ろにジャスティンミラノとさっき言ったり、その後ろにシンエンペラーとかいろんな有力馬がつけていくような形で、かなりメイショウタバルを意識した形で有力馬の隊列ができていたところが見応えがあるケースだったなと思っています。見ごたえがあったのは特に2コーナーのところですね。

そこで若干ジャンタルマンタルの後ろをミスタージーティーが行くかジャスティンミラノが行くかみたいなところがあったんですけれど、そこは割ときっちりと主張して内側の利を生かしてミスタージーティーの藤岡佑介騎手がそこを取り切ったところには、今回結果にはつながっていませんが、彼のこのレースにかける想いというのが感じられる騎乗ぶりではありました。

終わってみて思うのが、昨日の展望の時に少し触れましたが、ジャスティンミラノという馬のレースの受け幅の広さというところですね。やはりこれまでのキャリアの中では、いわゆる32秒台ですとか、瞬発力を極限まで追求し、どちらかというとキレるレースで結果を出してきた馬なんですよね。ただそこに対して父キズナであるというバックボーンがあれば、こういった形での完全なロンスパ戦。レースの上がりとしましては、34秒台になってしまうようなレースであっても勝ち切るようなことができるというところを見せました。今年キズナがヴィンテージイヤーだという話がありましたが、そういった中で瞬発力に長けた牡馬のキズナ産駒が現れ始めてきています。そういったグループが消耗戦でもパフォーマンスが落ちないとなると、これはなかなかすごい資質の馬だなというところを改めて思わされる、そういった競馬だったかなと思います。

また今回の皐月賞はキャリアが浅い馬がいっぱいいるレースでした。やはり今後のクラシックというのは、ずっとこういった傾向になってくるかなというふうに思います。そういった中でレースで見せたパフォーマンスというところはもちろん一つあるんですが、そこに加えて血統であったり他のファクターであったりというところで、違う条件になった時にどんなパフォーマンスを出せるかというところを想像する楽しみというところは、今回の結果を見ていて、すごく面白いなというふうに思ったところです。

あとは負け組のところを触れていければと思いますが、4着のアーバンシックですね。いかにもダービー向きな感じの皐月賞の負け方ではあったかなと思います。レガレイラと似たような競馬の方、似たような血統など、似たような競馬をしていたような形ではありますが、この馬は賞金的に若干心もとないところがありました。ここで4着になって権利を取って、ダービー1本で調整ができるというところですので、直前の武井調教師が何を吹いてくれるかというところも含めまして、個人的にはダービーで期待したいなと思っている1頭です。

あとはシンエンペラーですね。5着に負けました。やはりこの馬にとっては、今回多分時計が速すぎたんだろうなというところで、同じぐらいの位置にいたジャンタルマンタルジャスティンミラノといったところとほぼ同じ程度の脚を使えなかったというところで、完全な瞬発力勝負になっても切れ負けするし、こういう消耗戦になってもこれだけ時計が早くなるとちょっと手がないというところで、なかなか大きいところをつかみきるための条件が揃ったらいいのかというところが難しい馬だなというような印象を改めて受けました。持っている能力の絶対値が高いのはわかるんですが、この馬がハマりきって良さが出し切れるとなると、ひょっとしたら海外のレースだったりするのかなというようなところも思ったところです。

以上で、先ほど言ったように今回人気馬が割と上位をきっちり占める中ではありましたが、それなりにこのペースなどを含めた新しい適性が見えたというところで非常に面白かったなと思います。この皐月賞の上位組がダービーの中心にはなっていくと自然に考えて良いレースで、一冠目の内容としては、非常に濃い皐月賞だったかなと思います。

蒼:ありがとうございました。お互いの話を聞いて付け足しなどはございますでしょうか。

ゆ:この後の日本ダービーを考えると、アーバンシックレガレイラのウインドインハーヘア牝系の2頭は上がり目もあると思うので、ジャスティンミラノとこの2頭あたりが馬券の軸になってくるのかなと今の時点では思いました。

こ:レガレイラ日本ダービーに行くのかという点が気になるところです。今回の負け方、鞍上の問題も含めると、この馬がオークスに向かうという選択肢もなきにしもあらずかなという印象を持ちました。そこも含めたレース選択はすごく注目したいと思います。あとはコスモキュランダは強かったですね。モレイラ騎手が上手かったのはもちろんですが、この中で34秒2という上がりで、一瞬ほぼ勝ちそうに見えた瞬間もあったぐらいのパフォーマンスだったと思います。

ビッグレッドファームはクラシックを勝ちたいということを昔からずっと言ってきていた中で、自家生産馬のこういったアルアイン産駒で、堂々とチャレンジができる馬が出てきたというのは、よかったなと。今回しっかり結果を残せたので、間違いなくモレイラ騎手をキープして本番に迎えそうだというのは、すごく大きなポイントだと思います。岡田総帥の夢が叶う瞬間が見れることになれば、岡田信者としてはこれ以上ないダービーになるかもしれません。そういう期待感は今日感じました。

蒼:個人的にコスモキュランダはなんとなくコスモオオゾラを思い出しました。

こ:コスモオオゾラは弥生賞がピークになってしまいましたが、コスモキュランダにはさらなる飛躍を期待したいところです。

第29回アンタレスS

阪神11R アンタレスステークスの回顧

こ:阪神の今年の最後の開催で、最終重賞となりましたアンタレスステークスの方を回顧させていただきます。私は今日阪神競馬場に行ってきたのですが、なぜ今日がフリーパスの日なのかと思っていたのですが、この阪神開催が今年最後というのが理由だと後になってようやく分かりました。

このダート重賞のアンタレスステークスですが、今年から川崎記念のダートグレードのスケジュールが動いたというところもあり、その裏番組のような位置づけになってしまったという印象です。期間的にもドバイにも間に合わないということで、やや寂しいメンバー構成になってきたかなと思います。トップホースの次のグループというところに位置するハギノアレグリアスを筆頭に、ヴィクティファルスらオープン路線で勝ち負けをしている馬が中心というような構成でのレースになったかなと思います。

このレースですが、逃げるとしぶといテーオードレフォンがスタートからスッと行こうとしていたのですが、大外の方からスレイマン鞍上の斎藤新騎手が斜めに切り込みながら番手を確保し、その後ろに人気を二分したハギノアレグリアスヴィクティファルスがその直後につけるというような体勢になりました。この時点では実績馬がそのまま結果を残すレースになるのかなと思ったのですが、ここから意外にペースが落ち着かずに4ハロン目から12秒2、12秒1、12秒1というような形でかなり休まるところなく向こう正面を流れていく展開になったところが大きなポイントかなと思いました。

特に番手から前にプレッシャーをかけながら、こういう流れを作っていきました。スレイマンの斎藤新騎手の意志を感じる展開だったと思います。こういった形でちょっとタフにペースが流れていく中で、人気の一角でしたヴィクティファルスですね。この流れの中で、ちょっと内か外かを悩んでいった中で、コーナーを早めに外に出していくという形で、自ら距離ロスが多い競馬を選んでしまったところがありまして、この時点で脱落をしたような状態でした。直線ではそういった積極策をしていました。スレイマンが抜け出そうとするところに、外からハギノアレグリアスが能力通りに迫ってきたものの、さらに外から道中ずっと良い手応えでしたミッキーヌチバナが、一気に突き抜けて1着という形になりまして、太宰啓介騎手が久しぶりの重賞勝利を果たしました。

このミッキーヌチバナですが、初の重賞挑戦でした。前走の東海ステークスではやや重賞の壁に跳ね返されるような形の競馬にはなっていましたが、前走は湿ったダートでしたが、今回はパサパサのダートで、周りの馬が最後止まってしまうような展開になったというところもあって、鮮やかな差し切り勝ちだったと思います。道中も手ごたえの良さは目立ちました。特に今日の阪神のダート自体も力のいる馬場だったと見ておりまして、こういったところでこのようなパフォーマンスを出せますと、地方交流戦ですね、ここで賞金をしっかり積みましたので、選択肢に入ってくるかと思います。そこでも一定のパフォーマンスが出せるタイプの馬なのではないかと思いました。

攻める騎乗で終始ハイペースの番手だったスレイマンも粘り込んでいるというところで、スムーズにレースが運べるかというところでパフォーマンスに影響がある印象ですが、そういったところも含めていい騎乗だったのではないかなと思います。最近、斎藤新騎手の思い切りのいい競馬が目立ってきたなという印象ですね。あとは、人気を裏切りましたハギノアレグリアスですね。この馬はもうちょっと走れる条件設定、展開だったかなというところは思いますが、内で非常に動きにくく、道中は人気の相手のヴィクティファルスからかなり隣にいてプレッシャーを受け続けたという影響はあったのかもしれないなと思いました。以上、アンタレスステークスの回顧でした。ありがとうございました。

第33回アーリントンカップ

蒼:阪神11レースに行われましたアーリントンカップの回顧をよろしくお願いいたします。

こ:NHKマイルカップに向けました関西のトライアルとして定着しつつあるこのレースですが、今回は重賞そしてマイル戦とは思えないような衝撃的なスローペースが広げられまして、上がり3ハロンが32秒台で競い合うという究極の瞬発力戦という形になりました。

スタートから隊列はスムーズに固まりまして、逃げたのがポッドテオという形で、2番手にタイキヴァンクールがつけたところで、ほぼ馬群の体制隊列が固まるような展開になりましたね。今回ですが、3ハロン目で早くも12秒台にペースを落としていまして、そこからの4ハロン目ですね。3ハロン目のタイム表示データだけでも遅いなと思っていたんですが、その次の4ハロン目が衝撃的な13秒0というラップで、56km台の中長距離戦のようなスピードメーターがマイル戦でありながら表示されるという展開となりました。これで人気の一角でしたジュンヴァンケットが一番分かりやすかったかと思いますが、スタートからずっと引っ張り気味で、本当にどうやって折り合わせるか、行きたがるところとどう折り合いをつけるかというところで苦労している場面が多く見られるという展開になったかなと思います。

そういった展開でもありましたので、ラスト3ハロンは11秒1、10秒7、11秒4という形で究極的な切れ味勝負に突入しまして、インを完璧に立ち回りまして道中3番手のインにいましたアレンジャーの横山典弘騎手が勝ったと思ったところに、なんと外からディスペランツァが突っ込んできまして、こういった瞬発力勝負の中ではかなりしっかりとした着差をつけて突き抜けたという印象です。道中はインにいたはずのディスペランツァが、いつの間にか外に持ち出されて直線で突っ込んできたことに驚かされました。モレイラ騎手の騎乗も含めて、瞬発力の発揮は見事であり、このメンバーでは1枚上だったのかなという印象を受けました。

勝利したディスペランツァは、ファントムシーフの弟で、もともとホープフルステークスにも出走していたりと期待されていました。これまで2000mを使ってきましたが、どうも今一つ弾けない競馬が続いていました。しかし、前走の初マイルで上がり33秒1の素晴らしい末脚を使い、最後方から1着という形で覚醒しました。このレースでも極限の瞬発力戦を制しました。もっと流れた展開での適性にはまだ懸念があるかもしれませんが、このように脚をしっかり溜めて、使いたいときに使うことができるようです。鞍上のモレイラ騎手と本番に挑めるのはプラスだと思います。展開次第では、NHKマイルカップでも豪快なスパートで突き抜ける可能性はありそうです。東京の馬場でもケースバイケースではありますが、そうなってくると必然的に浮上してくるのではないでしょうか。母のルパンⅡの産駒も早くも名繁殖として活躍しそうな雰囲気ですし、いろんな牧場が海外で繁殖牝馬を購入することで、このように各牧場の基幹牝馬になるような馬が連れてこられるのかもしれません。

2着のアレンジャーは、スローペースのインの2番手という絶好の位置取りで権利をしっかり掴んだ勝利でした。3着に突っ込んだチャンネルトンネルも、道中は内から2列目を丁寧に回っていて、ロスなく立ち回り何とか権利を獲得。これで福永厩舎もG1出走権を手にすることになりました。

その後ろですね、4着のワールズエンドや逃げて5着のポッドテオ。どちらも先行する立ち回りをしていた馬が上位を占めているという形になりましたので、必然的に見直すべきなのは道中外を回った組かなと思います。特に、ポケットからインに行けるシーンも全然なかったものの、着差はわずかな6着まで足を伸ばしてきましたオフトレイルですね。このあたりは覚えておきたい馬かなと思います。あとは、このスローペースで抑え込むだけで終わってしまった組というのも、もうちょっと能力が発揮できる舞台というのはいろいろあるのではないかなと思います。

以上、アーリントンカップの回顧の方でございますが、このレースについてはぜひサグ先生の方の感想をお聞きしたいなと思っておりまして、いかがでしょうか?

蒼:ディスペランツァ、一応ちょこっとだけ出資しておりますので、長く見てた馬でもあり、この後無事であればNHKマイルCにコマは進められるのかなという感じで、楽しみがあふれているんですけれども。一言喋るとするならば、この馬の馬体がかなり特徴的というか、ぶっちゃけっていってしまうと肉団子みたいに丸々とした馬体で、それがいつもマイル戦で弾けてくるのが不思議でならないんですが。多分これもフォトパドックに乗るようなことになったら、Xとかでどんな酷評がされるのか、今から楽しむしかないですね(笑)。とりあえずこの馬体は前からなんだよってことを、とりあえず芯力リスナーには覚えておいていただければ、スポットパドックの口コミは惑わされずに済むかなというところをお伝えしておきたいですね。

あともう一個、今日阪神で行われたレースの特別勝ち馬、全部がルーク・モリス騎乗経験ありらしくて。やっぱり乗り馬ちゃんと白鳥だったのでは…という疑念を残した結果だったみたいですね(苦笑)。

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