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中央競馬レース回顧

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毎週日曜メインレース直後の回顧RTAを文字起こし。レース終了後1時間で勝ち馬の走り、展開、パトロールビデオ、次走への期待などを語ります。
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人気馬決着で決まるも、ルメール騎手の巧さがチェルビニアを樫の女王に(第85回優駿牝馬・第31回平安S回顧)

人気馬決着で決まるも、ルメール騎手の巧さがチェルビニアを樫の女王に(第85回優駿牝馬・第31回平安S回顧)


第85回優駿牝馬蒼山サグ(以下、蒼):オークスの回顧、ゆたさんからお願いします。

くらみゆた(以下、ゆ):結果的には上位人気3頭で決まった今年のオークス。正直ここまで前のペースが流れるとは思わなかったのですが、離れた馬群は末脚をしっかり出し切れるミドルからスローに収まりました。結果的にオークス向きの末脚・能力上位の馬が順当に走れたのかなと。そしてチェルビニアの勝利で、ボンドガール組が最後の最後

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ルメールは何故内を選んでしまったのか?川田の圧倒的オーラに想いを馳せる3歳マイル王決定戦(第29回NHKマイルカップ・第72回京都新聞杯・第46回新潟大賞典・かしわ記念回顧)

ルメールは何故内を選んでしまったのか?川田の圧倒的オーラに想いを馳せる3歳マイル王決定戦(第29回NHKマイルカップ・第72回京都新聞杯・第46回新潟大賞典・かしわ記念回顧)


第29回NHKマイルカップ蒼山サグ(以下、蒼):東京で行われましたNHKマイルカップのレース回顧をゆたさんからお願いいたします。

くらみゆた(以下、ゆ):昨日の展望でも触れた通り、実力馬が揃った今年のNHKマイルカップ。終わってみれば2歳王者2頭の強さが目立ったレースとなりました。レーティングも結構つくんじゃないかなというレースだったと思います。

レースを振り返りますと、まずスタートですね。

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リニューアル元年・3歳ダート路線の幕開けを振り返る(羽田盃、ユニコーンS、兵庫CS)

リニューアル元年・3歳ダート路線の幕開けを振り返る(羽田盃、ユニコーンS、兵庫CS)


第69回 羽田盃(Jpn1)

 ダート三冠路線の一冠目という立ち位置になった羽田盃ですが、地方のサントノーレを筆頭とする有力馬の故障が相次いだこともあり、JRA勢と地方勢それぞれ4頭の8頭立てというやや寂しいメンバーに。中央馬の枠が4枠、かつ京浜盃、雲取賞の上位2頭という制限されたステップと設定したこともあり、一定の地方馬の出走を見込んでいたでしょうが、こればっかりは馬は難しいところです。来年

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スタミナと耐暑性能が問われた真夏日の過酷なステイヤー頂上決戦を振り返り(第169回天皇賞春・青葉賞・香港チャンピオンズデー)

スタミナと耐暑性能が問われた真夏日の過酷なステイヤー頂上決戦を振り返り(第169回天皇賞春・青葉賞・香港チャンピオンズデー)


第169回天皇賞春蒼山サグ(以下、蒼):京都11レース、天皇賞(春)の回顧をやっていきましょう。こちら、ゆたさんの方から、まずはよろしくお願いします。

くらみゆた(以下、ゆ):4歳世代のダービー馬が勝負、それからG1にここまで手の届かなかった古馬との一戦という形になりました。マテンロウレオ横山典弘騎手の刻んだラップがステイヤー戦らしい消耗戦を呼び込みました。そういう中でスタミナに秀でたテーオー

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馬場状態を読み解けたかで勝負の決まった3重賞の振り返り(第59回フローラS・第55回マイラーズC・第21回福島牝馬S回顧)

馬場状態を読み解けたかで勝負の決まった3重賞の振り返り(第59回フローラS・第55回マイラーズC・第21回福島牝馬S回顧)


第59回フローラS蒼山サグ(以下、蒼):東京メインのフローラステークスの回顧をしていきましょう。こちらはゆたさんからよろしくお願いします。

くらみゆた(以下、ゆ):3歳牝馬で初めての2000m重賞という形になりまして、今後はレガレイラみたいなパターンも増えるのかもしれませんが、やはりこの距離に慣れていない中で、いかにスムーズに競馬ができるかというところが試されるレースだと思います。特に府中の開

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混戦から一強へ。ヴィンテージイヤーのキズナ産駒がその積み重ねと厩舎力で頂点に向かう(第84回皐月賞・第29回アンタレスS・第33回アーリントンカップ回顧)

混戦から一強へ。ヴィンテージイヤーのキズナ産駒がその積み重ねと厩舎力で頂点に向かう(第84回皐月賞・第29回アンタレスS・第33回アーリントンカップ回顧)


第84回皐月賞蒼山サグ(以下、蒼):G1皐月賞の回顧に。こちらは、まずゆたさんからお願いいたします。

くらみゆた(以下、ゆ):昨日の展望で話した通り、牝馬のレガレイラを中心として、牡馬のクラシック路線が語られてきたわけですが、終わってみると3戦3勝で無敗の皐月賞馬が誕生するという形で、今年の3歳牡馬クラシックの軸が決まった一戦だったと思います。

まずレース前のゲートに入る前のところですが、ダ

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混戦桜花賞で1,2着、3,4着の着順を決めた見応えのある騎手の攻防を振り返る(第84回桜花賞・第67回阪神牝馬S・第42回NZT回顧)

混戦桜花賞で1,2着、3,4着の着順を決めた見応えのある騎手の攻防を振り返る(第84回桜花賞・第67回阪神牝馬S・第42回NZT回顧)


第84回桜花賞くらみゆた(以下、ゆ):久々の満開の桜の下で行われた、3歳牝馬クラシック第一弾の桜花賞。レース前はちょっと混戦ムードかなというところもありましたが、終わってみたら2歳女王路線の強さと、騎手の腕というのが際立ったレースだったのかなと思います。特に昨日話した、来年の短期免許をがかかっているモレイラ騎手の勝負強さというのが目立ったレースだったと思いました。

では、レースを振り返ります。

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一貫して評価してきたベラジオオペラが勝利!その勝因と今後の期待を振り返り(第68回大阪杯・第56回ダービー卿CT回顧・2024ドバイ雑感)

一貫して評価してきたベラジオオペラが勝利!その勝因と今後の期待を振り返り(第68回大阪杯・第56回ダービー卿CT回顧・2024ドバイ雑感)


第68回大阪杯蒼山サグ(以下、蒼):大阪杯の回顧をゆたさんからお願いします。

くらみゆた(以下、ゆ):昨日のこひさんの展望でもあった通り、ドバイで人馬が抜けている中で行われた大阪杯。4歳馬の世代レベルが疑われる中で、ダービー以降じっくり育てられたベラジオオペラが今回快勝するという結果になりました。

レースを振り返りますと、キラーアビリティのスタートがちょっと良くなくて外に寄れる形になってしま

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電撃戦だからこそ残酷なまでに現れた騎手の差、騎乗技術の差が生んだアタマ差とは?(第54回高松宮記念・第31回マーチS・第72回日経賞・第71回毎日杯回顧)

電撃戦だからこそ残酷なまでに現れた騎手の差、騎乗技術の差が生んだアタマ差とは?(第54回高松宮記念・第31回マーチS・第72回日経賞・第71回毎日杯回顧)


第54回高松宮記念蒼山サグ(以下、蒼):本日中京11レースで行われました高松宮記念の回顧に移っていきましょう。こちらは、こひさんからもしっかり話を聞かなければいけないなと思うところが非常にあるんですが、まずはゆたさんから全体の感想をお願いできますでしょうか。

くらみゆた(以下、ゆ):今日の中京競馬場は、馬場状態にバイアスが結構あるなという状態で、内が使えるものの、一番良いのは内から5、6頭目あ

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今年のキズナ産駒はひと味違う?共同通信杯に続けて見せた瞬発力は本物か?(第72回阪神大賞典・第73回スプリングS・第38回フラワーカップ・第38回ファルコンS回顧)

今年のキズナ産駒はひと味違う?共同通信杯に続けて見せた瞬発力は本物か?(第72回阪神大賞典・第73回スプリングS・第38回フラワーカップ・第38回ファルコンS回顧)


第73回スプリングS蒼山サグ(以下、蒼):それではスプリングステークスの回顧に移りましょう。ゆたさん、よろしくお願いいたします。

くらみゆた(以下、ゆ):皐月賞トライアルのスプリングステークスですが、レース後の感想としては、共同通信杯と同じような印象を受けました。かなりのスローペースで、皐月賞には繋がらない内容だったと思います。しかし、最後の2ハロンでシックスペンスが素晴らしい斬れ味。このキズ

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直線で内外離れたルメールと川田の明暗を分けた動きとは?(第58回フィリーズレビュー・第60回金鯱賞・第42回中山牝馬S回顧)

直線で内外離れたルメールと川田の明暗を分けた動きとは?(第58回フィリーズレビュー・第60回金鯱賞・第42回中山牝馬S回顧)


第60回金鯱賞蒼山サグ(以下、蒼):金鯱賞の回顧をゆたさん、よろしくお願いします。

くらみゆた(以下、ゆ):ちょっと世代レベルが疑われてしまっている4歳牡馬路線ですが、最後の希望、哺乳類最強の座をかけて、ドゥレッツァ対プログノーシス戦という形になりました。

蒼:なぜ哺乳類最強かに関しては、芯力の過去アーカイブをご参照ください(笑)。

ゆ:一応確認したんですけど、元ネタの尾関調教師の菊花賞週

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新星誕生もクラシック本番には課題あり?クラシック前哨戦と序列の見えたスプリント路線の振り返り(第61回弥生賞・第31回チューリップ賞・第19回オーシャンS回顧)

新星誕生もクラシック本番には課題あり?クラシック前哨戦と序列の見えたスプリント路線の振り返り(第61回弥生賞・第31回チューリップ賞・第19回オーシャンS回顧)


第61回弥生賞ディープインパクト記念蒼山サグ(以下、蒼):日曜中山第11Rの報知杯弥生賞ディープインパクト記念の回顧に移っていきたいと思います。

くらみゆた(以下、ゆ):シンエンペラーを物差しに、春のクラシックを占う一戦となったと思います。結果を見ると、シンエンペラーは能力通り走ったものの、個人的に期待していて、単勝勝負もしていたダノンエアズロックが沈むと、そしてミルコの奇襲のような捲りが決ま

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惜しくも連覇を逃したサウジカップの結果から導かれるアメリカダートG1の勝ち筋とは?(2024年サウジカップ、第98回中山記念・第68回阪急杯回顧)

惜しくも連覇を逃したサウジカップの結果から導かれるアメリカダートG1の勝ち筋とは?(2024年サウジカップ、第98回中山記念・第68回阪急杯回顧)


2024年サウジカップを中心にサウジデー蒼山サグ(以下、蒼):サウジの方の回顧をやっていきましょうか。こちらはこひさんからお願いします。

こひ(以下、こ):はい、サウジカップですが、アメリカのガチ勢がここまでまとめて参戦してワンターンの1800mという舞台設定だと、こんな競馬になってしまうんだなという驚きがあったレースだったかなと思います。アメリカの競馬でも、引き込み線から長く出脚が取れるコー

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ペース経験とスタート直後の各馬の動きが波乱を生んだ砂G1を振り返る(第41回フェブラリーS・第58回小倉大賞典・第74回ダイヤモンドS・第59回京都牝馬S回顧)

ペース経験とスタート直後の各馬の動きが波乱を生んだ砂G1を振り返る(第41回フェブラリーS・第58回小倉大賞典・第74回ダイヤモンドS・第59回京都牝馬S回顧)


第41回フェブラリーS蒼山サグ(以下、蒼):東京の今年最初のG1となりましたフェブラリーSの回顧に移りたいと思います。こちらはこひさんの方から、まずはよろしくお願いします。

こひ(以下、こ):ペプチドナイルが勝ったということで、藤岡佑介騎手、久しぶりのG1勝ち、しかも大混戦と言われていた中で勝ったんですが、内容的には完勝と言えるような内容で、なかなかびっくりしたレースだったなと思います。やはり

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