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医療崩壊しても困るのは病院だけ~夕張の奇跡から

団塊の世代がすべて後期高齢者となり医療崩壊があちこちで起きるかもしれない2025年問題を前に、「日本の医療は真っ当」という幻想を打ち破ることが必要です。
日本の医療は真っ当ではありません。医療崩壊しても困るのは病院だけです。
 
何度も取り上げてきた「真実のアンソニー・ファウチ」(ロバート・ケネディ・ジュニア著、2021年)では、エイズパンデミック以来、感染症もまたアメリカの規制当局を含めたワクチンカルテルによってつくり出され、世界中に輸出されている実態がわかってきました。
前回まで4回紹介した「うつに非ず」(野田正彰著、2013年講談社)で、わが国でもうつ病、発達障害、高血圧などさまざまな病気が国や病院の共謀で新たにつくられていることがわかりました。
 
自民党に一番寄付している団体はどこですか?
 

自民党との癒着ナンバー1業界日本医師連盟


自民党の業界寄付窓口は、国民政治協会です。総務省政治資金収支報告書によれば、令和2年(2020)分から令和4年(2022年)分までの3年間の業界寄付トップは年2回で合計2億から2億5000万円寄付した日本医師連盟でした。
興味深いことに2~4回目の緊急事態宣言が発出され、各メーカーのワクチン接種が始まった後の2021年の9月に、例年なら12月に1億円の寄付のところが、1億5000万円寄付されています。合計77兆円に達したコロナ補正予算の第3次が通ったのも2021年1月でした。いくら感謝しても足りなくて寄付金を増額したのでは、と疑ってしまいます。
この密な癒着の見返りとし与党は「病気をつくり」、医療需要を絶やさないのだと考えています。裏返せば業界の寄付がなければ、新たな病気は生まれないかもしれません。
人口減などで病院がなくなるとなるとその地域は上へ下への大騒ぎになり、首長選挙の最大争点となることが多いですが、本当に病院がなくなると、病気を放置される患者が増えて死亡率が上がるのでしょうか。
 
OECD加盟37か国中の人口1000人あたりを比較し、「日本の病床数は世界一、外来受診数は世界二位、医師数は下から六番目」かつ、「コロナ対策病床は全病床のわずか1.9%」という極めていびつな日本の医療の実態を明らかにしたのが「日本の医療の不都合な真実」(森田洋之著、2020年幻冬舎)です。
 

病床数10分の1、医師数半減⇒死亡率変化なし、医療費減


筆者の森田さんは夕張市立診療所長を務めた医師です。そして医療経済をテーマにした医療ジャーナリストでもあります。
日本のある場所で病床数が一割にまで減ったのに医療崩壊しなかった実例が取り上げられています。
これは、病床数は多いが医師数は少ない日本の国民が幅広く共有すべき情報です。
 
<2007年北海道の夕張市は財政破綻し、日本中の大ニュースとなりました。
財政破綻に伴い、市内に一つしかなかった病院である「夕張市立総合病院」が閉院となりました。…171床を持つ市立総合病院が、19床の有床診療所と老健(介護老人保健施設)に縮小されました。…市内の病床数がいきなり10分の1に減ったのです。…外科や小児科、透析医療などはすべてなくなりました。…破綻前には病院に5~10人いた医師が、診療所となってからは半分以下です。>
 
さて、万人は例外なく医療崩壊を予想するでしょう。
しかし、崩壊後に夕張で起きたことは、
<死亡率は…ほぼ変わりありません。死亡者数を見ても、ほぼ横ばいです。死因1位の心疾患と3位の肺炎が下がって2位のがんは変化なしで、何による死亡率が増えたかと言うと、それは「老衰」です。>
<財政破綻で病院がなくなって検査が行き届かないからきちんとした診断ができずに「老衰」が増えたのでは?と訝る人もいるようです。…家庭医や、患者の生活にしっかり寄り添う医師でないと、実際に老衰という診断は付けにくいのです。>
変化したことを項目別にすると、死亡率は変わらないのに医療費が減りました。
さらに、▽老衰死亡率激増▽訪問診療患者数激増▽救急車出動件数激減▽特養での看取り率激増です。
老衰が激増し(※崩壊前は高齢者のまちなのに異常に少なかった)、訪問診療数が増えて、救急車の出動が減り、特養での看取りが増えたのは、特養老人ホームから救急搬送されるようなことがなくなったことを意味します。
<医療側と高齢者の信頼関係がないと起こらない劇的な変化が起きたのだ>と言います。
 
夕張の医療崩壊時の村上智彦院長の方針「訪問診療や訪問看護を増やす」が功を奏したものです。病床数の激減を補うための苦肉の策ですが、できるものなら病院に入院するより家にいられる方が高齢者にはいいわけです。
世界の先進各国は病床を減らしながら平均寿命を延ばしてきました。高齢者の生活習慣病がメインターゲットとなるなら、当然医療側の供給も減ってよかったのです。
特養老人ホームから発熱で救急搬送される終末医療が、本当に必要な医療とは到底思えません。
夕張では、本当に必要な医療だけが施されたのです。
 
※ちょっと冷静に考えれば、自分の人生でわずかな入院体験だけでも、一日中家に帰りたいとばかり考えていたものですし、病院で亡くなった身内からもその言葉ばかり聞かれたような気がします。
「体温何度以上は関連病院に入院させること」といった職員マニュアルを持つ特養老人ホームもあると聞きます。あの超高感度検査法、率直言えば安易な診断方法であるPCR検査で新型コロナウイルス陽性と出ただけなのに、老衰で亡くなれないのはあまりにも理不尽です。そもそも医師は老衰という死因を付けたくないとは、一般庶民感覚では到底理解できません。終末期医療でさまざまなチューブをつなぐ無用な延命医療を、家なら決してできないし望みもしないのに、病院ではなぜか望んでしまう家族がいるのかもしれません。
 

「いい子いい子」してもらい、「ありがとう」をいっぱい言う


在宅緩和ケア医の萬田緑平さんのX(@ryokuhei、旧ツイッター)の動画<2022年8月24日 宿題とは、3人の娘がお母さんに「いい子いい子」(頭を撫でて)して貰う事。「お母さんありがとう」と泣きながらいっぱい言ってあげる事。それが出来てると、看取りの雰囲気はこんな感じなんです。>は1分もない動画ですが、慈愛に満ちていて涙で心が洗われます。
古き良き日本には、ありふれていた最愛の家族との最後の別れを私たちは取り戻さなければなりません。
 
夕張市では公立図書館もなくなったと聞きますし、媚中の現北海道知事が夕張市長時代に市の財産を中国系企業に叩き売って、その後高額で転売されたとも聞きます。もちろん彼らに何ら功績はなく、ただただ医療においてのみ不幸中の幸いが起きたことは忘れてはいけません。しかし、人道上は実験しようもないことが図らずも立証された夕張モデルを全国で実践すべきではないでしょうか。

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