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ユーティルは中小企業のDXを実現できる?岩田とリードVC渡邉氏で戦略設計を話しました

2030年までに日本の中小企業をデジタル化する
これはユーティルが掲げる大きなミッションです。

決して易しい道ではないですが、実現への燃料として総額5.4億円の資金調達を実施しました。その影響もあり、「ユーティルが実現できる可能性はどれくらいなのか?」と、多くの皆さんに気にしていただけるようになり、経営者としては嬉しい限りです。

しかし、その疑問に対しては、僕の口からだけ説明しても納得感を得づらいでしょう。そこで今回は、第三者の社外インタビュアーに入ってもらい、ユーティルのリード投資家である「KUSABI」代表パートナーである渡邉 佑規氏と対談する形で答えていきたいと思います。

 写真左から:ユーティル代表 岩田 真、KUSABI代表パートナー 渡邉佑規 氏
©︎撮影:泉田真人 インタビュアー:前田絵理     

日本の中小企業400万社の生産性を上げる、目指す事業の価値は1,000億円以上

── 渡邉さんはVCとしてユーティルへ投資し、事業へも積極的にコミットされていると聞きました。一体、ユーティルのどこへ期待して投資を決めたのでしょうか?

渡邉:僕が投資を決める基準は3つあるんですが、ユーティルはその全てを満たしているから投資しました。

  1. 事業価値1,000億円以上を期待できるビジネステーマであること

  2. 競争戦略で合意できること

  3. 経営陣が優秀かつ魅力的であること

ユーティルが目指す中小企業のDXは、10-20年後も消えないビッグなビジネステーマです。今後の日本は労働力が不足していく中で、中小企業もデジタル化して生産性を上げていかないといけません。日本はDXに遅れをとってきましたが、ここ数年は多くの中小企業で経営者の世代交代が起きている。これからはデジタル化が進みそうな絶好のタイミングだとも感じました。

競争戦略という点においても、ユーティルは明確なユニークネスがあります。多くの競合・代替競合が、顧客の課題解決に対してシステマチックにプロダクト・ソリューションを提供する〝効率重視型〟なのに対して、ユーティルはヒューマンタッチで顧客の課題に向き合う〝課題解決型〟。この差別化の結果、顧客満足度が高まり、相場の2倍近くの成約率を叩き出しています。

── 経営陣の優秀さも感じたのでしょうか?

渡邉:経営陣…というか、まず岩田さんに大きな魅力を感じました。確固たる芯を持ちながら、より良い方向性が見つかれば事業計画もサクサクと軌道修正する…、そんな柔軟性があるしなやかな経営者は、実はめずらしい。伴走するやりがいがある起業家だと感じました。また、ソフトな印象だけど、内には大きな野心を秘めている。
この背景には、岩田さんがVC出身で投資家目線を併せ持っていることも大きいかなーと。岩田さんの真骨頂はシードの0→1(ゼロイチ)以上に、企業を大きくするフェーズ、、すなわち、これからの更なる伸びしろ・進化に期待できます。

岩田:そんなに褒められると照れるんですが(笑)。逆に、不安はなかったんですか?

渡邉:ないですよ。これから新しい経営陣や、幹部候補の方がジョインされ、組織の文化や空気が変化していく際に社内でハレーションは起こるかもしれませんが。バックグラウンドの違う一騎当千な優秀な人たちが加わっていく拡大フェーズではよくあること。不安要素を絞り出すとしたら、そこくらいでしょうか。

── まさに拡大フェーズへ突入するユーティルが目指す〝中小企業のDX〟って、どれくらい大規模なビジネスなんでしょうか?

岩田:マーケットは、今後どんどん大きくなります。と言うのも、約400万社ある日本の中小企業がITに対して使っている支出金額は4兆円ほどなんですが、これは売上に対して、まだたった1%くらいなんです。

渡邉:デジタル先進国ランキング7位のアメリカでも、3〜4%は使われていますね。
(注:第18回早稲田大学世界デジタル政府総合ランキング2023より。ちなみに日本は11位)

岩田:そう。つまり、アメリカと同レベルまで引き上げるだけでも、日本のIT支出金額は12〜16兆円にもなるんです。DXはこれから加速するフェーズなので、かなり大規模なビジネスになるでしょう。ユーティルは、その巨大マーケットの中枢に参入していきます。

── しかし、中小企業のDXはビッグテーマだけに抽象的になりがちです。岩田さんの考えるDXの定義とは何でしょうか?

岩田:シンプルに言うと「生産性を上げること」。売上の向上や業務効率化、採用といった業務を、デジタル化によって生産性高く進められる状態になることがDXだと、僕は考えています。本来の定義である「デジタルでビジネスモデルを変革する」とかは、中小企業には難しすぎると思います。

渡邉:わかりやすい。政府が目指す方向性とも一致していますね。

岩田:ええ。日本でもDX意識は高まっています。400万社ある中小企業のうちDX推進済みなのはまだ2割と言われていますが、残り8割のDXも進めば中小企業全体で生産性(=経営効率)が上がるでしょうね。

渡邉:それに伴い利益が上がれば、従業員の賃上げも叶うでしょう。多くの企業は、既存事業で停滞すると新規事業を開発しようと模索しますが、実際そううまくいかないじゃないですか。新たなヒットが出るまでは、DXによって既存事業の生産性を上げることが利益確保の有効な手段になるはずです。

DX支援企業の第一想起をどうとる?

── なるほど市場の大きさはわかりました。しかし、そのぶん競合も多そうです。その中で、ユーティルはどう闘っていくのでしょうか?

岩田:まず、特定のプロダクトを持たないという弊社の立場は少し異質だと思います。

多くの企業はDX市場において、ERPの分野をおさえようとしているSaaS企業です。会計とか人事業務、顧客管理…etc.。そのあたりのデータは経営を取り巻く重要な情報、デジタル化によって経営効率が上がることは、どの企業も分かっているんですよね。だから、効率化できるツールなどのSaaSは爆発的に増えた。それらはエンプラ企業を中心に活用されてきましたが、今後は中小企業への導入も全国的に進んでいくでしょう。

しかし、そうなると中小企業内にIT資産(SaaSのアカウントなど)が増えてゆく。将来的にはそれを管理する必要性が出てくるんです。僕は、そのIT資産の管理を支援することこそが重要だと考えているので、ユーティルはあえてプロダクトをもたず、中小企業のIT資産のマネジメントをすることでDXを支援していこうと考えているんです。

渡邉:各SaaSとは一線を画す戦略ですよね。一部のエンプラなら自社内でIT資産を管理できるでしょうが、中小企業では難しいから外注になるでしょうね。

岩田:ユーティルが狙うのは、そこです。ただ、現状はSaaSを使いこなすほど中小企業のITリテラシーが追いついていません。そもそもSaaSをはじめとするデジタルのツールが導入されていません。もっというとホームページすらまともに作れない。

それって、すごくもったいないから、ユーティルはIT資産をつくるところから少しずつデジタル化を支援している感じですね。

── 今後も、ユーティルはプロダクトをもたないのですか?

岩田:将来的には持つ可能性もゼロではないですけど。特定のプロダクトをもつよりも、「どのSaaSを導入するべきか」「どのITベンダーに依頼するべきか」差配するポジションになったほうが良いと思っています。

渡邉:そのポジションを確立できたら最強ですよ。どのSaaSとも組めるし、どのSaaSよりも上流にたてる立場です。

── たしかに、400万社ある日本の中小企業の「IT資産を管理するポジション」になったら最強ですね。しかし、ユーティルの「Web幹事」と同じようにマッチングサービスをしている競合他社さんは他にもあります。彼らもそのポジションを目指してくるのでは?

岩田:「東京のHP制作会社20選」などの記事を出している会社さんとかですよね。うーん。目指してこないんじゃないかと思うし…、難しいはずです。

一見すると似ているんですが、冒頭で渡邉さんも言ってたように、ほとんどのマッチングサービスは効率を重視しているシステマチック型なんです。高度なシステムで、解決イメージに近いサービスを素早くマッチングできる点は強いものの、顧客の本質的な課題を特定しづらいという弱みがあるんです。

一方で、ヒューマンタッチ型のユーティルは、マッチング前に生身の人間がヒアリングするので、顧客の言葉の裏にある本質的な改善点を把握できます。手間はかかるけど、課題の根幹に気づけ、効果的で優先度の高いソリューションを提案できるわけです。

渡邉:実は、うち(KUSABI)もユーティルの顧客なんですが、熱心にDA(DXアドバイザー)さんにヒアリングしてもらえたおかげで満足のいくWebサイトを作ることができました。ユーティルのヒューマンタッチ路線は、競合優位性の源泉じゃないですか。

岩田:ありがとうございます! うちのプロセスだと、中小企業の経営陣と人間関係も築けるので長期的なお付き合いもできるんですよね。相談の入り口がWeb関連であったとしても、その他に出てくる営業や財務管理などの重要な経営課題を一緒に見つけられる。だからこそ、IT資産を管理するパートナーになれると考えています。

渡邉:シンプルなマッチングサービスではないから、他社さんとは違いますよね。無料のDX相談窓口というか。

岩田:そう、それです!

── 最終的に目指す「中小企業のIT資産を管理するポジション」になるまで、どのくらいの期間を想定しているのでしょうか?

岩田:10年後くらいに、一旦到達する見込みです。今はまだ中小企業の社長たちのニーズは「ホームページ作りたい」ですからね。それはDXとは言えないけど、彼らにとってはDXへの大きな第一歩。ユーティルは「Web幹事」を通してそこに応えつつ、二段階め、三段階めに出てくるリスティング施策やコンテンツ運用面も支援していくことで関係を強化しているところ。2030年までにデジタル化までは持っていき、その後にそれらを管理するようなイメージ。時間はかかりますが、僕の人生をかけて実現するつもりです。

いろんな角度から中小企業のDXを進められるよう、「Web幹事」のほかにも「動画幹事」「システム幹事」と幹事シリーズを充実させました。これからギアを上げていきますよ。

リスクはあるけどハイリターン。億単位の兵糧でまだ見ぬ価値を創造する

── 幹事シリーズの展開強化は、壮大な計画を実現するまでの大きな足がかりになりそうです。ほかに、注力されていることはありますか?

岩田:採用です! まだまだ仲間が足りていません。ユーティルは、中小企業がもつあらゆるIT資産の幹事になろうとしています。これが実現したら、日本に大きなインパクトを与えるはずです。ただ、目指す山が高いぶん「登頂するために北から登ろうぜ」くらいの大まかな道筋しか、まだ決まっていない。解像度を一緒に上げてくれる方に、僕らの仲間になってほしいです。

今なら、経営戦略策定の重要ポジションとして、経営投資・検証できるからすごく面白いと思うんですよね。

渡邉:実際、すごいレアなチャンスですよ。大きな山が目の前にあり、兵糧(資金)はかなり厚くあります。また、例えばIPOを焦っているわけでもなく、腰を据えて勝負できる状況が整っています。
兵糧(資金)に関しては、有効な戦略オプションが揃えられるなら、追加で調達することも十分に可能です。なんなら、僕がイニシアティブを持って、追加でお金を集める自信があります。

岩田:「Web幹事」で築いた事業資産も有効な材料になるんです。数万社の顧客データがあるし、今も毎月500社くらいずつ増えているので。ぜんぶフル活用して、ユニークなアイデアを出し合っていけたらなーと。

渡邉:既存メンバーとのハレーションが起こった場合は、岩田さんどう対応します?

岩田:徹底的にコミュニケーションすることで、乗り越えるつもりです。非効率に聞こえるかもしれませんが、まだ見ぬ価値をみんなで作っていくためには必要なプロセスだと思うので。戦略策定で折り合いつかない時があるかもしれないけど、がっつり議論して決めるつもりです。大変だろうけど、ワクワクもします。

渡邉:なるほど、岩田さんっぽい! 大きな市場を相手に勢力を広げるのだから、ユーティルの事業部もどんどん増えていくんでしょう? そのぶんヘッドアカウントも必要になるから、まだまだ採用強化しないといけないですね。

岩田:はい。各事業のCEOクラスになれる人を求めています。リスクはあるかもしれませんが、絶対に面白いフェーズを体験できる。僕らが目指す世界に興味を持ってくれる人、気軽に連絡してほしいですね!

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