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【映画】Seize the day〜「20歳のソウル」

今回はちょうど一年前くらいになると思いますが、劇場公開された「20歳のソウル」についてお話したいと思います。ネタバレあり且つ、うろ覚えの部分があるかもしれません(原作と映画が混ざっていまして…)ので、予めご了承下さい。ちなみにご存知の方も多いと思いますが、ざっとあらすじをいかにまとめました。

主人公は市立船橋高校吹奏楽部の浅野大義くん。トロンボーン奏者で仲間たちと顧問の高橋先生と共に日々部活動に打ち込んでいた。また彼は後に「神曲」となる市船野球部のために作った「市船ソウル」の作曲者でもあった。高校卒業後は敬愛する高橋先生のような教師を志し大学へ進学。しかし同時期から身体に異変を生じ、ガンであると判明し…

パンフレットより

まずはこれが実話であるという点が大きかったです。最初は大義くんのお母様が新聞へ投書したエピソードを脚本家の中井さんがご覧になり、原作本が出版され、お芝居になり、いよいよ映画化…というのが大まかな流れになります。(途中、テレビの情報番組内で取り上げられたりしたようです)やはり圧巻はラストの告別式での市船吹奏楽部メンバー164人による演奏シーンでしょう。これももちろん実話です。

映画前半は大義くんが元気だった高校時代のキラキラして眩しいくらいの明るいシーンが続きます。すごく丁寧に撮っているな、というのが伝わってきました。桜や新緑、青空などどれもが輝いている感じ、ザ・青春というと気恥ずかしいですが、そんなド・ストレートな高校生たちの熱さ、ワチャワチャ感が出ていました。

そして後半は大義くんが病魔に襲われていきますので、徐々に重いトーンに。それでも最後まで挫けず、生きようと懸命な姿に涙が溢れました。主演の神尾楓珠さんというとビジュアル面優先の評価がされているようですが、演技派な頑張り屋じゃないかと一気にファンになりました。

横になっててすみません…上手く入らず…💦

高校生たちが主役のストーリーですので脇をしっかり演技派・実力派俳優さんたちが固めていました。中でも顧問の高橋先生役の佐藤浩一さんと大義くんのお母様役の尾野真千子さんが素晴らしかった!中でも神尾くんのピアノ演奏を聴きながら、横で涙する尾野さんが…もはやここは涙腺崩壊決定。

観る方によっては間延び感があったり、気になるシーンがあるかもしれませんが、全体としてとても丁寧に、そして原作…というか、大義くんやご家族、更には市立船橋高校をリスペクトした、とても優しい映画に仕上がっていたと思います。


タイトルに「Seize the day」と書いてみました。意味としては「その日を掴め=今を生きろ!」みたいに捉えています。まだまたいろいろなことをしたかったであろう、大義くん。最期の瞬間まで生き切ったその魂(ソウル)は、周りの仲間やご家族の中で生き続ける…それが告別式での164人の演奏だったでしょうし、何より今や市船スポーツ部のテーマソングとなった「市船ソウル」なのだと思います。

ちなみにエンディングのKenta Dedachiさんの「jasmin」という曲も素晴らしいです!大義くんが遺した曲をベースに作られたそうで、歌詞もまたストーリーにマッチしていて、心に沁み入ります。まさに今、さまざまなことが混沌している時代だからこそ、気を衒わずストレートに一人の若者が駆け抜けていった青春物語を一人でも多くの方が観て、何かを感じて欲しいです。(たとえそれがベタだとしても、全然それでいいじゃないですか!笑)

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