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RSGTに初参加して感じた「ギャザる」尊さはサッカースタジアムに似ていた

初参加のRSGT

RSGT(Regional Scrum Gathering Tokyo)2024に初参加してみて、「ギャザるって尊い」と感じたので、それについて書いてみます。

ほんの数カ月前の私はRSGTについて全く知らず、聞いたことも参加したこともありませんでした。
同僚が「焼肉レトロスペクティブ爆誕!」なる登壇をすると聞いて、「なにそれ美味しいの?」と思ったところが始まりです。

ネームタグの使い方すらよく分かっていなかった

また、「ギャザる」という言葉も初めて聞きました。
字面から「ギャザー=gethering=集まるってことか」という脳内変換して、人が集まってワイワイするってことかな、ぐらいのイメージを持っていましたが、それだけでした。

なんか寸劇が始まって、いつの間にか初対面の方と話してた

当日参加してまず驚いたのは、会場で戸惑ってる私に、いろいろな方が気軽にお声をかけてくださったことでした。
普段優しくされることに慣れていなかったので(?)そのこと自体に戸惑っていると、「何か困ってそうだったので!でわ!」と颯爽と去っていきました。
「あ、運営が自己組織化してる!」
って思いました。これ、なかなか出来ないと思います。しかもオンラインでは難しく、リアルならではの出来事ですよね。感謝です。

そうこうしてるうちに、なんか寸劇が始まって度肝を抜かれました。
え?寸劇??何言ってるか分からねーと思いますけど、私も何を見せられているのかよく分からなかったです。
思わずDiscordでつぶやき投稿したら、10個ぐらい「わいわい」スタンプが付きました。

これも私には良い意味で衝撃でした。(ちなみにDiscordもほぼ初めて使った)

そのうち、登壇を聞いている時にたまたま隣の席に座った方や、ワークショップでご一緒した初対面の方と話をすることが多くなってきました。
最終日にはOSTの場で「どんなテーマお持ちなんですか?」とか自分から話かけるようになってました。

OSTではこんな紙を貼り付けてふらふらしてました

飲み会でも色々な方とお話させて頂きました。
四十路管理職にもなって、こんなに初めてのことで心を揺さぶられることがあるんだな、これが「ギャザる」ってやつか、と感動しました。

初めてスタジアムでサッカーの試合を見た時を思い出した

これ、なんかの感覚に似てるなーと思ったのですが、TVでしかサッカーの試合を見たこと無かった自分が初めて18歳の時に自分の手でチケットを取って、旧・国立競技場に行ってサッカーの試合を見たことでした。

1人で行ったのですが、貧乏すぎて自由席しか買えず、席を探してる時に「ここ空いてるよ!」と教えてくれたり、ゴールが決まった時にはハイタッチして喜び合ったり。
ハーフタイムには隣のおばちゃんが「チョコ食べる?」と声かけてくれました(めちゃ美味しかった)。
なによりもサポーター席から響く圧倒的なパワーの応援歌(チャント)に度肝を抜かれました。

「サッカー」という共通のものがあって、それを媒介にして人が集まるというのは、こんなにも素晴らしいことなんだな、って実感しました。

サッカースタジアムで「ギャザる」様子

名刺交換から始まらない良さ

私がサッカースタジアムで出会った人はほとんど本名やお仕事は存じ上げません。ハンドルネームはかろうじて知ってる人もいるかな、ぐらい。

RSGTも、話が始まる時って、ほとんどその時の話題が最初なんですよね。
「さっきの話どう思います?」という問いかけだったり、「あー、わかるわー」というつぶやきを拾ってもらったり。
なので、「だれ」というよりも、「なに」に焦点が当たってるんですね。これも、サッカースタジアムに似てるなぁ、と思った点です。

そこで思ったのですが、ビジネスで「初めまして、●●社のXX(肩書)の○○です。」って名刺交換から入るのって、知らず知らずのうちに「あー、●●社。大企業だな。」とか「XXという立場の方か。エラい人だ。」とか、そういう前提知識を持って話をしてしまうところがあるんですよね。

だから、「なに」かについて話をしているというより、「だれ」かと話をしている状態になる。
もちろんそれはそれで学びもあるのですが、議題に集中出来ないってことはあったかも、と思いました。

自分と異なるものを理解する勇気

様々なバックグラウンド、様々なスキルを持っている人と出会うことは、楽しさでもあり、軽い恐怖でもあったりします。
自分とは考え方や取り組み方が異なる方とお話をすることは、大きなエネルギーも必要となります。

サッカースタジアムにはいろいろな人がいます。
過激派のようなサポーターもいれば、ひたすらヤジを飛ばすような人もいます。しかし、そのような人もいるということを理解した上でもなお、やはりスタジアムに足を運びたくなったりもするものです。

RSGTではさすがにそんな過激な方はほとんど見かけませんでしたが、自分とは異なる意見を持っているんだな、と感じることはたまにありました。

ですが、そういったところも含めて「ギャザる」の価値だと思いますし、そのような意見に触れることができたのもとても素晴らしいことでした。

エコーチェンバーからの脱却

たまたま認知バイアスの本を読んでいたのですが、そこで「エコーチェンバー」について紹介されていました。

一部を引用させて頂きます。

現在は特定のメディアに頼らなくても、誰から情報を得るのかを、自分の意志でかなり自由に選択できるようになりました。その結果、自分と考え方の似た人に囲まれた環境を自ら作り出しやすくなっています。
このような環境にいると、自分が何かを言えばその意見がただ反響されて戻って来るような状況になり、これがまるで音響室のような環境のため、エコーチェンバーと呼ばれます。

データ分析に必須の知識・考え方 認知バイアス入門 分析の全工程に発生するバイアス その背景・対処法まで完全網羅

私は、知らず知らずのうちにエコーチェンバーにいたのかもしれない、と感じました。
日々学びは得てるつもりでも、どこかで自分自身が居心地の良い空間を求めていたのかもしれない、と。
四十路にもなり、自分自身が理解しやすくて安定した世界を(無意識に)作り上げていたのではないか、と。

今回のRSGT初参加で感じた圧倒的な熱量(エネルギー)は、そんな私のエコーチェンバーをぶっ壊してくれたんじゃないか、そう思っています。

あれが転機になったな、と言えるイベントに

初めてサッカースタジアムに行った時のその雰囲気が忘れられなかった私は、サポーターグッズを買い込み、チャント(応援歌)を覚え、バイトでお金を貯め、スタジアムへと通うようになりました。
あの日、国立競技場で見た景色は、私の人生にまちがいなく彩りを与えてくれました。20年以上も前のことなのに、昨日のことのようにありありと覚えています。

次の目標は「あのRSGT2024が私の転機となったイベントでした」と20年後ぐらいに言えるような活動をすることかな、と思っています。


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