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「係長」を教えてくれるひとはいない

昨年、2021年の春に初めて係長になった私。

着任1カ月後くらいに集合研修がありましたが、それまで係長として必要な知識やスキルを誰かから教わることはありませんでした。
加えて、研修で学んだこともどこまで実際の係長としての業務で使える知識・スキルなのか、正直あまりピンときませんでした。

「やっぱり、係長の担い方って、誰かから教わるものではないんだな」


「やっぱり」というのは、係員時代に私が仕えていた係長さんたちも、OJT的に係長としての仕事を教わっている様子を見たことがなかったから。

係長業務をしっかり務めあげているひともいましたが、中には、係員である私から見ても「誰か、係長のやり方を教えてあげた方がいいのでは?」と思うような係長もいました。


でも、そこで課長や課長補佐が教えてあげるわけではないんですよね。

これって、よく考えたら不思議なことです。


係長の仕事は、大きく分けるとマネジメント系の業務と非マネジメント系の業務に分けられます。

非マネジメント系の業務とは、その係が片付けなければならない様々な作業。他所からの依頼への対応もあれば、担当する事業を進めるための作業などもあります。その多くは係員が対応しますが、人手が足りなければプレイングマネジャーである係長も作業に加わります。

もう一つのマネジメント系の業務とは、事業とひとのマネジメントのために必要な作業です。例えば、事業の進捗に合わせて進め方を変更するために係員に指示したり、そのために必要なメモを作成したり(事業のマネジメント)、係員の育成と動機づけのために新しい業務の割り振りを考えたり(ひとのマネジメント)。
これは係員に任せることはほとんどなく、基本的に係長自身が作業します。


係員時代には(ほぼ)経験していなかったはずなのに、係長になったとたん、それこそ4月1日にいきなりこのマネジメント系の業務が、誰から教わるわけでもなく「ポン」と手渡される感じなんですよね。


それって大丈夫なんですかね?


はじめてのマネジメント(特に「ひと」のマネジメント)を何も教えずに任せるけど、係員にとって、いや組織にとってそれって不安だったり、リスクがあったりしないのでしょうか?

もちろん、回付される決裁や係員がつくった書類をチェックしていれば、一見係長っぽい仕事をしているようには見えます。

でも、それってマネジメントではありません

回付される書類や資料に一所懸命赤ペン入れて係長をやってる気になってはいけないと、私は思うのです。


じゃあ、やったこともないマネジメントをどうやって学ぶのかと言えば、私の場合はこの3つでした。

①先輩たちを観察
②本
③組織外のネットワーク

①先輩たちを観察して、「朝の打ち合わせは……こうやってるのか~」「仕事を係員に頼むときは……なるほど~」「課長に報告するときは……そういうことか~」と。

あとは、以前自分が仕えていた係長のことを思い出すこともあります。「あ~、あのときの係長は、確かこんなふうにやっていたな」って。

②本も読みました。そんなに色々な本を読んだわけではなく、愛読書であるこの2冊が主に私にとってのバイブルです。

③組織外のネットワークの活用もおススメです。
私の場合は、「全国の自治体の係長(相当職)が参加できる係長のための実践と学びの場」を自分でつくりました。同じように係長をやっていて、困っていることを共有したり、共通のテーマで職場での実践を共有したり。



ここまで「係長に必要な知識やスキルは、なぜか職場では教わらない」「自分で見て真似て、本で学んで、組織外で学び合う」と書いてきましたが、実は最も大切なことがもう一つあります。


それが、「係長になるのは係長になる準備ができている職員」だということです。詳しくは下の記事のとおりですが、だから成り立つし、わざわざ時間と手間をかけて係長の仕事を教えたりしないのかもしれませんね。


確かに、それで成り立つんです。

でも、一方で私は思います。

だからこそ、自分でちゃんと勉強すれば他の係長との間に差ができるし、係の仕事も成果が出るのではないか。

もっと言えば、組織的に「学べばできるようになる《マネジメント》という技術」を係長が身に付けるのを支援すれば、組織全体のパフォーマンスは爆上がりするのではないか。


ちょっともったいない。

でも、自ら学ぶ力があるひとには、ある意味チャンスなのかもしれません。


係長として当事者である皆さんは、如何お考えですか?
係長ではない皆さんから見て、周りの係長さんは、ちゃんと《係長》の仕事を務められていますか?



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