仮想ドラフト2021の指名について Part1

こんにちは。

この度、第二回仮想ドラフト(ブラウンさん主催)に参加させていただきました。

その指名について2回に分けて考察していきます。

1.2021年シーズンと将来に向けた戦力の確認

①投手編

(1)主力先発投手について
昨年はエースの今永投手の離脱を始め、東投手がTJ手術、上茶谷投手も怪我で長期の離脱を余儀なくされるなど、近年のドラフト1位が相次いで故障に泣きました。唯一ローテーションを守った濱口投手も不安定な投球が続き、いまいち殻を破り切れていません。2年目(2018年ドラフト3位)の大貫投手が年間を通しエース級の活躍を見せ、ルーキーの坂本投手も初先発で好投、平良投手も怪我で離脱するまでは防御率争いに加わるなど明るい要素もありますが、万全たる状況とは決して言えないでしょう。また、井納選手がFAで移籍。近年は故障の影響などを考慮され大事に扱われていましたが、元々はイニングイーターとして活躍を見せていたこともあり、そうした目処の立つ先発投手の移籍は非常に痛手となっております。
昨年(2020年)のドラフトでは1位で入江投手(明治大学)を獲得し、先発ローテーション入りを期待されていますが、他に支配下で獲得した投手は高校生二人と池谷投手(ヤマハ)であり、池谷投手は現状中継ぎで期待するコメントが残されております。よって2021シーズンは最初に上げた離脱組の復活復調や、今季穴を埋めてくれたピープルズ投手と新外国人のロメロ投手に加え、若手の突き上げに期待する布陣となります。

(2)主力中継ぎ投手について
絶対的守護神、山崎康晃投手の不調は、「中継ぎ投手がいかに短命か」を思い知らされるものとなりました。一部では体重の増加による不調が揶揄されますが、私は決してそれだけの問題だとは思っていません。一年目から最も重圧のかかるポジションで投げ続けた勤続疲労は計り知れず、今後は中継ぎ、クローザーの負担の分散が課題となるでしょう。また、長年チームを支え続けたパットン投手が退団し、中継ぎは過渡期に突入したと言えます。国吉投手、砂田投手、伊勢投手、平田投手など今季ある程度名を上げた若手〜中堅選手が、確固たる地位を築いていけるかが、今年以降の中継ぎ運用の鍵となるでしょう。また、過渡期に突入したとはいえ、昨季クローザーを務めた三嶋投手をはじめ、石田投手、エスコバー投手、三上投手、武藤投手などの実績十分の既存組にも、まだまだ投げ続けてもらわなければいけません。期待されながらも、中々結果が残せない進藤投手や、笠井投手、入団以降怪我に泣く斎藤投手も、なんとか割り込んでいってほしいところです。
2021シーズンは名前を挙げた選手の他にも、育成で獲得したシャッケルフォード投手や、トライアウトから獲得した風張投手、前述の池谷投手なども名を連ねることが予想されます。また、二軍で牙を磨く投手も、適正に応じ中継ぎで投げることも考えられるでしょう。


(3)若手投手について
近年、ドラフト3位以下で有望な高校生投手を取る戦略を続けています。その中でも阪口投手は「二軍ではやることがない」と言われるまでに成長し、他にも京山投手、櫻井投手、中川投手、浅井投手に育成の宮城投手と、1軍で結果を残してほしい、もしくは将来の軸候補として名前が上がる選手が並んでいます。一方、フェニックスリーグでフォームの不安定さから各所で心配された勝又投手や、中継ぎに活路を見出しながらも二軍で結果が残せなかった飯塚投手など、伸び悩みが見られる選手がいることも事実です。近年高校生の右腕を毎年獲得し育成する方式を取っておりましたが、昨年は打って変わってドラフトで高校生左腕を二人獲得し、支配下での右腕獲得はありませんでした。違う趣向を見出したいのか、それとも「右腕偏重」なチーム編成の是正を目指したのか、といった見方ができますが、いずれにしても、将来性豊かな投手の発掘、育成は毎年継続していくことが求められると言えます。

②野手編

(1)捕手について
伊藤光選手、戸柱選手、嶺井選手のローテーションだった一昨年から、高城選手が加わり、一軍経験のある捕手は揃っていると言えます。昨年は伊藤光選手が軸に回るかなと思ってましたが、ベンチとの意思疎通の問題、防御率の観点に怪我が重なり、結果的に戸柱選手が一番多くマスクを被りました。意思疎通やリードなどの問題は、とりわけ外部で見る以上判別がつきづらいですが、実績は頭ひとつ抜けており、今年は伊藤光選手にも心機一転頑張ってほしいです。
二軍に目を向けると、山本選手が目立っています。すでに次世代の正捕手に名乗りを上げるレベルまで来ており、特に盗塁抑止能力は二軍では右に出る者がいないと言えるでしょう。そこに高卒で加入した益子選手、東妻選手も強肩、強打と持ち味がしっかりしており、切磋琢磨しながら次世代の正捕手候補に名乗りをあげてほしいところです。

(2)内野手について
一軍のメンツを見ると、二遊間はソト選手、柴田選手、大和選手、倉本選手が中心で回り、状況により中井選手がセカンドに入りました。今年はセカンド中心だったソト選手がファーストに本格的にコンバートすることで、セカンドがより一層激戦となります。柴田、大和両選手はショート、セカンドを共に高いクオリティで守ることができますし、状態が万全であれば倉本選手ももちろん負けていないでしょう。さらに、人的補償での田中俊太選手の獲得、ドラフト2位で牧選手を獲得し、より高いレベルでの競争が始まってます。サードは宮崎選手に今後も何年かどっしりと座ってもらうとして、やはりセカンドショートでレギュラーが掴める選手が出てくるか、が大切になってきます。
若手では、アグレッシブな守備にパンチ力もついて来た知野選手が、一軍に挑戦する時期になってきています。ぜひ今年は一軍を経験し、来年以降飛躍のきっかけを掴んでほしいです。また、森選手は高卒一年目ながら強烈なインパクトを残しました。走攻守にスピード感あるプレーは見るものを魅了し、スター性は抜群です。ただ、ポジションをどうするかについてはさまざまな議論があり(後述します)、ショートで安泰か?という問題ははらんでいます。他にも田部選手は捉えた時の打球の速さは目を見張り、守備もフットワークの軽さが目立ちます。ドラフトで牧選手を獲得し、お尻に火がついた伊藤裕季也選手の覚醒にも注目したいところです。次世代のサード候補には新たに小深田選手が加わり、「将来の大砲」という争いにもまた加わってきそうな気配があります。

(3)外野手について
梶谷選手がFAで移籍し、センター争いが熾烈となっています。逆にいうと、「ポジションを任せたいと思わせるレベルにある選手が多い」のがベイスターズの外野陣の特徴と言えます。筆頭は神里選手ですが、実績では桑原選手はもちろん負けていませんし、乙坂選手も年齢的にもレギュラーで出続ける立場になっていってほしいです。さらに両翼も合わせると、蛯名選手、楠本選手、細川選手、関根選手と、二軍でかなりの実力を見せつけている面々が控えています。ライトにはオースティン選手、レフトには佐野選手がどっしりと座るため、奪い取るとしたらオースティン選手の来日の遅れの間にアピールするか、センターで勝負するしかありません。また、代走の切り札の座を虎視眈々と狙っている宮本選手も、代走+守備でアピールできれば、一軍定着も見えてきます。
一方若手ですが、DeNAの外野手は細川選手が23歳(2021年開幕時)で最年少です。もちろん全員20代中盤〜30前で構成されているので、広い意味での若手といえば全員若手ですが、明確に二軍で課題をもって取り組む選手は、昨年までの細川選手で一旦いなくなったと言えるのではないでしょうか。

2.各ポジションのドラフト戦略

(1)即戦力投手
重要度:A
先発は離脱組が多く、中継ぎは過渡期に突入している現状を見ると、2022シーズンから一軍で回れる選手は是が非でも欲しいところです。先発、中継ぎともに必ずしも左右を問うことはありませんが、池谷投手が今年一年どのような働きを見せるかで、中継ぎで期待される左腕を、という声も出てくるかもしれません。
ただ今回はシーズン開幕前の仮想ドラフトのため、そこまで考慮には入れず考えていくこととします。

(2)高校生投手
重要度:B++
高校生=育成、大社=即戦力、という見方に固まるのは個人的にあまり好きではないのですが、便宜上高校生投手と記載します。
昨年は2人左腕を獲得しましたが、育成が難しい高校生左腕については、いい素材がいればその都度獲得するという方針でいいかと考えます。大切なのはどちらかといえばDeNAが今まで培ってきた高卒右腕育成プログラムでしょう。伸び悩みも含め、下位で獲得した選手が中心で、現在いる高校卒の投手のドラフト最上位は坂口投手の3位です。もちろんシーズンを戦う以上、戦力との兼ね合いが必須ですが、そろそろポテンシャルが高くよりハイシーリングな投手を獲得してプログラムに組み込みたいところです。

(3)捕手
重要度:C+
もちろんポテンシャルが高い選手がいれば獲得してもいいかもしれませんが、現状揃っており、枠を割く必要はないと考えてます。むしろ目玉と騒がれる捕手が現れる年まで待った方がいいかもしれません。

(4)内野手
重要度:B+
1998年、言わずと知れたベイスターズセリーグ優勝、日本一の年ですが、その年のゴールデングラブ賞の捕手、内野は全員ベイスターズだったのをご存知でしょうか。「マシンガン打線」と「大魔神」が注目されますが、谷繁、駒田、ローズ、進藤、石井琢と、鉄壁の布陣で幾度となくピンチの芽を摘み取ってた守備のチームでもありました。一方、外野はセンターの波留は上手いですが、鈴木尚典、佐伯(中根)と両翼は決して守備を売りにする選手ではありませんでした。
何が言いたいかというと、横浜スタジアムはヒッターズパークな分、必然的に投手はゴロを打たせることを意識します。そのため、このチームの守備の比重は内野にあると言っても過言ではありません。筒香、梶谷、近年では佐野と、打撃に華がある選手を早めに外野転向させる方針はむしろ賛成で、その分内野は堅い守備を将来的に目指していく必要性があります。
特に重要なのがショートで、森選手が守備で躓いた時に、外野へという選択肢があるのとないのでは大きく違います。現状の私の意見としては、身体能力は随一ですが、ショートというよりかはセンターで華が開く選手だろうなと見て思っています。当たり前ですが、センターはセンターでまた違った高い守備能力が求められますが、それをもってしても、森はセンターの素質があると考えています。ただ、もちろん、ベイスターズはショートで育てる前提で獲得しており、それを否定するつもりはありません。
それを踏まえ、ショート守備に優れた選手を獲得し、選択肢を広げる必要があると考えています。

(5)外野手
優先度:A-
前述した通り、20代後半の選手がひしめき合っており、今必要な選手というよりは、将来性にかけた指名が必要です。性質上プロ入り後に内野からコンバートされることも多いポジションですが、それを踏まえても22歳以下の外野手がいないのは問題であり、獲得の必要があるでしょう。特にセンターができは選手に重点を置く必要があります。理由は内野の項目でも話したとおりで、両翼前提で獲得した場合、求められる打撃技術についてはかなりのものが必要だからです。もちろん、それも踏まえて打撃型の外野手の獲得を目指す、というのも併せて視野に入れなくてはいけません。

3.指名方針のまとめ

一、来年から動ける投手を何枚か取る
二、絶対的エースとなり得る高校生投手の獲得を目指す
三、森の可能性を拡げる守備型ショート
四、高校生外野手(センター候補or打撃型で)

以上です。
次回は、実際に指名した選手の選手評と、方針との照らし合わせを載せていきます。

Part2はこちら!https://note.com/shikabane_draft/n/n77a9ef3aca81

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