球場飯ってなんで高いの?〜ボールパークのブランディング化〜

こんにちは。
ふとTwitterをみてると、球場飯が高い理由について議論をされているツイートを見かけました。

そこで今回は、「球場飯は何故高いのか」に焦点を絞って、自分なりに考察をしてみようと思います。

なお、この考察は私の勝手な独自理論を多分に含みます。私はどこかの球団職員ではないですので、あくまでも「素人」が勝手に考えただけであることをご承知おきください。

①球場飯を買うとどこに金がいく?

球場飯について考察するにあたり、お金の流れというものは必ず考えなければいけない要素です。

今回は、下記の3つで考察します。

1.球団

2.球場

3.提供会社(作っている会社)

1の球団は言わずもがな、球団そのものです。2の球場は、最近は球団と同一であることも増えてきましたが、独立している場合もあります。3の提供会社は、横浜で言えば崎陽軒のシウマイのようなものです。オリジナルブランドは後述しますが、ほぼ同じ流れだと考えていいと思います。

ここで問題になるのがこの3社の流れで、印で表すとこういうことになります。

○発注する際の流れ

球団⇨(あの企業に出店して欲しいと依頼)⇨球場⇨(提供会社に打診)⇨提供会社(食品を作る)

○実際に入ったお金の流れ

Aパターン(すでに提供会社が場所代を払っている場合)

球場⇨(利益のうち一部を分配)⇨球団

Bパターン(売り上げの一部を分配する場合)

提供会社⇨ (利益のうち一部を分配)⇨球場(利益のうち一部を分配)⇨球団

簡単に表すと、このようになると考えられます。

一般的な飲食店でも、場所代を不動産企業に払ってお店を経営することはありますが、ここで押さえておきたいのは「一般的な飲食店よりも分配される企業が1ないし2多い」という点です。

だから、「割高になる要素はある」と言えるでしょう。

超簡単に言ってしまえば、フードコートのようなものですかね。

ここまで読んでこう思った方、いると思います。

「でもフードコートは安い(飲食店と同じ価格帯値段設定のところも多い)じゃないか」

これについて、②で考察させてください。

②球場飯はなぜ高いのか

前提を押さえたところで本題です。
本項では3つの仮説から、球場飯が高い理由を考察します。

1.試合開始後にできる限り球場外へ出たくないという心理を刺激している

おそらく真っ先に思い浮かべる理由だと思います。特にナイターでよくあるシチュエーションですが、野球開始後に外に出たくない、だから多少高くても買ってしまう、というのはありがちです。

言うなれば「殿様商売」ですが、それでもあれば買ってしまうというのが人間というもの。ただ、この理由だけだと「リピーター」が生まれません。
つまり、毎回球場内で飲食物を買う人が生まれないのです。人間、一度高いと思ったら学習します。「次は、近くのコンビニで買おう」であるとか、「食べてから来よう」と考えるはずです。

そうなると、次は買いませんよね?

話は少し逸れますが、よくあるパターンとして、カラオケボックスが挙げられます。多くのカラオケボックスでは飲食物の持ち込みが不可ですが、これは閉鎖的な空間の中で飲食物を高く売り、そこでも利益を取るという潔い方法です。

野球場も同じようなことができる閉鎖的空間ですが、それに踏み切っていないということは、「殿様商売」だけではない何かがある、ことが読み取れます。

では、球場飯が高い理由は他にどこにあるのでしょう。

2.野球場の一つのコンテンツとして昇華させるため

では、ここから具体的な話をします。

みなさんの中で、ユニフォームやグッズなどを着飾って野球場に行く方もいることかと思います。これは、チケット以外の「野球場で消費するお金」の一つです。

近年では「ボールパーク」という言葉も身近になってきました。試合の勝ち負けや選手のプレイだけではなく、「球場に来たこと」を一つの楽しみとして認知してもらおうという考え方です。

そして、飲食物はその「ボールパーク」の考え方に多大な影響を受けていると言っても過言ではありません。

例えば前述したようなオリジナルブランドなどは際たるもので、「ここでしか食べれないもの」というものは、野球場での大きなコンテンツです。また、一般的な企業の製品であったとしても、「野球場で食べる思い出(体験)」に価値を見出せるからこそ、多くの人は買い、リピーターとなります。

逆にいうと、そういう「ここでしか食べれないもの」に価値を見出すのが球団の腕の見せ所であり、それに価値を感じない人は、コンビニ飯で済ませる、ということです。

3.「ブランディング」という考え方

最後です。2の補足ですがお読みください。

ボールパークという言葉を出しましたが、もう一つ大切な言葉として、「ブランディング」というものがあります。日本語に直すとイメージ、信頼感、愛着といったもので、帰属意識という捉え方もできます。

2で言ったように、野球場でしか体験できない価値を体験し続けた、いわゆるファンは「帰属意識」が芽生えます。
つまり、この球団(球場)には高い金を払ってもいいな、という考え方になるわけです。別の言い方をすると、選手に金を落としたい、でしょうし、頑張ってる職員さんのため、という人もいるだろうし、原監督のグータッチをもっとみたいから、という人もいるでしょう。これら全てが帰属意識によるものです。

興行において、チケット代はもちろんのこと、それ以外の部分でお金を取るというのは大切な使命です。
その点において、「野球のプレイや勝敗以外の部分で感動を与える」ことは重要なことであり、それによりブランディングをしていくことは非常に重要です。

だから多少高くても「そこにしかない価値」を多く映し出していくことが、大切なことなのです。

○結論

球場飯が高い理由は

1.閉鎖的な空間での心理を突いたもの(殿様商売)
(そもそもが1社多いので高い)

2.「野球場としてのコンテンツ」としての価値を付与しているため

3.2を行い続けた結果、ブランディング化が成功し、一定層「高くても買う人がいる」ため

と考察しました。

真夜中に駄文すみませんでしたが、皆様にも「ボールパーク」という考え方について考察してもらえると嬉しいです。

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